「子どものオーダー」 メモ(その1)
「オーダー」について考えたい。
「オーダぁー」と聞いて思い出すのは、ビストロスマップの中居くんのセリフ。
ゲストの食べたいものを聞いて、中居くんが伝える。
そのオーダーにしたがって、他のメンバーが料理を作る。
「オーダー」の基本のイメージはこれ。
でも考えたいのは料理のことじゃない。
「子どものオーダー」。
直訳すると「子どもの注文」になる。
これだと「何を食べたい?」という感じで、今まで「子どものオーダー」を意識したことはなかった。
それに近いのは、「子どもの願い」とか「子どもに必要なもの」、あるいは「子どもの個性」「子どもの意見表明権」といった言葉を使ってきたのだと思う。
それを改めて、「子どものオーダー」という言葉で考えてみたいと思った。
きっかけは、「ディス・オーダー」が「精神障害」だということを意識したこと。
昔、聴覚障害も、脳性マヒ、ポリオなどの肢体不自由も、知的障害も、てんかんも、「精神病院」に閉じ込められていた時代があった。
その時代の人間のオーダーに合わない者(ディスオーダー)、とみなされた。
そう、「オーダー」は「注文」よりは、「順序・整理整頓・規律・秩序・命令・指図」といった意味で使われるらしい。
考えてみれば、「何が食べたい」というオーダーも、店や食材のオーダーに左右される。
不登校やひきこもりも、「病気」(ディスオーダー)とみなされ、扱われる時代が長く続いた。いまも続いている。
特別支援教育が始まってからは、「特別支援」の「オーダー」にそって、子どもが分けられて支援されている。それは、つまり「健常児」とか「普通学級適」という「判断」も、だれかの「オーダー」によってその枠組みが変わるということ。
また私自身、「自立援助」という仕事で、子どもに「自立しろ」とオーダー(命令)している。
子ども自身のオーダーとしての「自立」と、大人がオーダーする「自立」と、すれ違うオーダーを意識することが下手すぎた気がする。
だから、「子どもの声に耳をかたむける」とか、「子どものニーズ」とか、そういう言葉で考えてきたことを、相手のオーダーと自分のオーダーのせめぎあい、として考え直しみたい。
・・・というわけで、ここではしばらく「オーダー」が流行るとおもう。
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