「子どものオーダー」 メモ(その2)
ちゃんと書けないけれど書きたいことばかり、たまっていく。
なので、オーダーについて、分かりたいことを先に書いておく。
「オーダー」という言葉を使うと、私が今まで書いてきたことがつながる予感がある。
[a-1]
長い間、不思議だった「説明」=「自閉症の子はひとのきもちがわからない」
ひとの気持ちが分からない?
わたしは、そんな自閉症の子どもに一度も会ったことがない。
私が出会ってきた自閉症の子どもたちは、いま一人ひとり顔を思い浮かべても、みんな「ひとのきもち」をとても大事にする子どもしか浮かばない。
でも、今でも「自閉症」の解説には、「人の気持ちが分からない」ように書かれている。
それって、社会のオーダーと、その子のオーダーが、すれ違っているだけなんじゃないのか。
専門家の「診断」と、子どもの「ひとを大事におもう」気持ちの表現がすれちがっているだけなんじゃないか。
幼いころに、集団やある種の聞きなれない音が苦手な子はいる。
でも、その子の「オーダー」は、ただ「集団」をずっと経験しないで子どもを時代を過ごすことなのか。
苦手な音や環境を避けて、みんなが暮らす日常とは別の環境を用意することだけなのか。
オーダーが「違う」のは、障害をもって生まれてきた子どもの未熟さなのか、
ひとりひとり違うオーダーに対応できない「大人」の方なのか。
私の妄想のテレビ画面に、「オーダぁー」と叫ぶ二人の中居くんが浮かぶ。
ひとりはサヴァンの役を演じたときの中居くん。
ひとりは医師役を演じたときの中居くん。
「オーダー」とは、何か?
[a-2]
不登校の子どもを「病気」または「不適応」とみる見方がいまも続いている。
でも、それは学校のオーダーと、子どものオーダーがずれている、ということ。
「精神の病」を「ディスオーダー」というなら、オーダーの「間違い」は、どちらのどんなオーダーが間違いなのか?
[a-3]
《大人の「オーダー」からの距離を測られる子ども》
【心理学が提供してきた「望ましい子ども像」のなかに、「望ましい人格」の発達像がある。
例えば、ギャングエイジ。10歳ぐらいの子どもたちが群れて遊び、仲間意識をつくる発達の段階として特徴づけられている。
しかし、人それぞれ、子どもそれぞれで、群れて遊ぶのがしっくりしない性分や時期の子どももいる。
大人がそうであるように、子どもも賑やかな集団が好きな子もいれば、一人でいるとほっと安らいでいる子もいる。人の性分はそれぞれなのだから。
集団が苦手な子がいたって、それはあたりまえのことだ。
そしてその子が一生そうであるかどうかなど、だれにもわからない。
いろんな子がいて、人にはいろいろな時期がある。
そうした鷹揚な考え方を、心理学は邪魔しがちである。
「集団適応力」というような言葉が登場してきたりもする。
学校へ行くのが苦痛の種になっている子どものなかには、一人でいたり、仲間のやっていることを傍で見ている方がしっくりする性分や時期にある子どもたちが、ずいぶんいるのではないか。】
(小沢牧子《登校拒否と心理学・カウンセリング》より)
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