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ワニなつノート

ホームNのこと③

新人さんが「やさしくない」中身を語る。

《「明け方に思わずお婆さんに言ってしまいました。『そんなふうだから家にいられないのよ』と」

「感情的に気持ちをぶつけてしまったあと、私、泣いてしまいました。こんなことじゃあ務まらない。私は介護に向いていないんじゃないかと思うと、涙が止まりませんでした。お婆さんのそばにいられなくなって、離れました」》※

          □

あああぁぁぁ。そうそうそう。

私もそんなふうに思ったことが数えきれないほどある。

そばにいられなくなって離れたことが星の数ほどある。

 

しかもこっちは「子どもに対して」だから格段にひどい。

虐待され保護された子に「そんなふうだから!」なんて。

「やさしくない」どころか「冷酷非道」というか「極悪非情」というか。

 

でも、思ってしまった事実は自分に消せない。だから別の言葉を思い浮かべる。

「奇想天外、四捨五入、出前迅速、落書無用」♪♪♪・φ(゚-゚=) 。

 

              □

新人さんの話は続く。

《早出の職員が来る前になんとかしなきゃと思いました。お婆さんに謝ったんです。

『さっきはすみませんでした。私、心にもないことを言いました』

「謝ったとき、また、涙が出てきました。

泣きながら謝る私に、お婆さんが言いました。

『あんた、なんか、あったとね』

『あなたにひどいことを言ったんです』                

そうしたら、『あんたがひどいことなど言うもんか。あんたはそんな人じゃなか』って慰められてしまいました。」》※

 

※「シンクロと自由」村瀬孝生 医学書院2022年

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