「なぜと問う」大人と「問いをもたない」子どもたち⑦
《合理的配慮が入学拒否(差別)の支えになる理由》
① 高校はすべての子どものためにあるのではない。
② 高校は義務教育ではない。
③ 最低限の言葉を使う知性のある子どもと、最低限の財力のある親か施設がいる子どものためにある。
ひらがなも読めない?
ことばをしゃべらない?
親がいない?
施設からも見捨てられる?
そんな子どもをなぜ高校が引き受ければいけない?
そういう子には、別の学校や生き方があるだろう。
医療的ケア児? 知能が優秀であると証明できるなら、看護師や介助者の費用を負担してでも、高校生にしてあげよう。それ以外は、そういう子のための特別な学校があるだろう。
高校は義務教育じゃない。
入学拒否も校長権限だ。
違法なことはしていない。
高校に入れない子には、そういう子の学校があるだろう。
高校は義務教育じゃない。
入学拒否も校長権限だ。
違法ではない。
繰り返す。
高校は義務教育じゃない。
差別?
合理的配慮は行った。
だから「障害」が理由ではない。
■
教育委員会も校長も本気で、正気でそう思っている。
らしい。
④ 「この国の国民は、15歳の子どもの平等も公平も望んではいない」
⑤ 「誰も守る者もいない子どもは、かわいそうだけど、仕方ないのだ」
「高校は義務教育じゃない」という言葉は、こうした意味に使われている。
■
子どもたちはそのことを知っている。
だから、3年目の受検でも、定員内で入学拒否された、あーさんがいう。
「そんなに落ち込むなよ。お母さんのせいじゃないって!」
私たちは、日々、この子たちを切り捨て、忘れて、いないことにする社会にいる。
「お母さんのせいじゃないって!」
その通りだ。
お母さんのせいでも、まして、子どもたちのせいでもない。
30年前から、100万人も子どもの数が減っているのに、それに合わせて定員を減らし、
それでもなお空いている席にも座らせない。
「高校は義務教育じゃない」を認めている、私たちのせいだ。
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