般若党アジト。
鬼怒川の鉄砲隊の銃弾を受けた赤城をアジトへ運び込んだスタミナ達であった。
スタミナ:「赤城、4発も撃たれたのか。大丈夫か?」
赤城:「3発は……おまえ……だけど……な……」
医者:「しゃべっちゃいけませんよ。傷口が開く」
小暮:「助かるのか?」
医者:「ん?ああ」
医者:「無理」
小暮:「な……!?キサマ、医者だろうが!」
医者:「そんなこと言われましてもねぇ。私、歯科医ですし」
スタミナ:「お前、なんで来たんだよ!」
医者:「専門外でも分かりますよ。こんな酷い傷を治せる医者は日本にはいませんよ」
医者はそう言って帰っていった。
小暮:「よくも、赤城をこんな目に……許さん。こうなったら」
スタミナ:「こうなったら?」
小暮:「茂呂を斬る」
スタミナ:「うん、そうか。小暮君、ちょっと聞いてくれるかな?
茂呂はたしかにまだ2枚しか出番がなくて、よく分からなかったかもしれないけど、
この日記を1話から見返してみて?
2回の大きな戦いがあったけど、茂呂君ねー。あのー、戦闘には参加してないんだ。
うん、うん。分かるよ。誰かにその怒りをぶつけたいって気持ちはね。
でも、2回しか出番もセリフもないし、戦闘にも参加してない人を斬るのは、どうかなー?」
小暮:「そ、そうか。そうだったか」
小暮:「ならばどうすればいいんだ!
赤城はこれからの日本に必要な男。
頼む、誰でもいい。赤城を救ってくれ……」
スタミナ:(誰でもいい…か。これはチャンスかもしれないな)
スタミナ:「よし、分かった。小暮」
スタミナ:「西洋医学所に連れて行くぞ」
赤城:「だ、駄目だ!この俺に毛唐の医者にかかれというのか!」
赤城:「ぐあっ!」
大声を出したのが響いたのか、赤城の身体を激痛が襲う。
そのショックで赤城は気を失った。
小暮:「赤城っ!」
スタミナ:「さぁ、医者のところに連れて行こう」
小暮:「駄目だ。英国は我らの敵。敵の医者に診せるなど」
スタミナ:「さっき、誰もいいから救ってくれって言ったじゃないか。
お前は救ってもらう相手を選ぶのか?」
小暮:「ぐ……」
スタミナ:「英国の医者に診せれば助かる目はある。だが、ここで放っておけば赤城は死ぬ。
お前はそれでも医者に診せないのか?
赤城を見捨てるのか?」
小暮:「し、しかし……」
スタミナ:「赤城を見捨てるのか!どうなんだ!
『はい』か『イエス』で答えろ!」
小暮:「もちろん、イエ……ってあぶねぇ!それ、実質的には一択じゃねーか!!」
スタミナ:「ちっ……」
小暮:「……」
小暮:「病院とやらに案内してくれ」
スタミナ:「OK!すぐ行こう」
西洋医学所。
英国公使のローラが日本に優れた医療技術を伝達するため、
この阿弥浜に立てた病院である。
スタミナ:「すいませーん。急患、お届けにあがりましたー」
医者:「うわぁぁぁ!ジョーイだ!殺されるー」
スタミナ:(ですよねー。やっぱ、般若党は外国人を追い払って顔を知られてるからなぁ……)
ローラ:「皆さん、落ち着いてください。この方は怪我をしているのです」
ローラ:「敵も味方も関係ありません。ここは傷を受けた人が傷を治し、癒す場所ではありませんか」
スタミナ:(ローラたん。まじ天使☆)
ローラに説得された医者は赤木の様子を見た。
医者:「これはひどい。すぐに手術をしなくては」
小暮:「手術!?赤城の身体を切り刻むつもりか」
スタミナ:(そうだよなぁ。こいつらは西洋医学なんて見たこともないんだし。どう説明したものか)
ローラ:「ご安心下さい。今、赤城さんの身体には鉄砲の弾が入り込んでいるのです。
このまま放って置けば危険なので弾を取り出すのです。大丈夫、きっとよくなりますよ」
スタミナ:「そうだぞ。弾を身体に残しておくと危ないんだぞ。だから鉄砲は危険なんだ」
小暮:「たしか、4分の3はお前の弾じゃなかったか?」
赤城、緊急手術
第11話に続く
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