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武侯北伐 25

2023-12-24 20:53:54 |  三国志
「演義(というか吉川英治『三国志』)」によると、夏侯楙は姜維をうたがい、天水から追放したやむを得ず蜀軍にくだった姜維に、孔明は兵法の奥義を伝授したという。

「演義」によると蜀軍は①安定、②南安、③天水の順に攻略し、さらに祁山で曹真をむかえうつこととなる。


「正史」によると、姜維がくだったのは、孔明が三郡を平定したあと。姜維が取り立てられたのはさらに後年のこととなるようだ。


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武侯北伐 24

2023-12-24 12:56:22 |  三国志
裴緒が偽の使者であることを見破って、馬遵の出撃をおしとどめたのは姜維という若武者であった。さらに姜維は城外に伏せる趙雲の勢を急襲し、これを敗退せしめた。やむを得ず孔明はみずから全軍をひきいて天水の攻略にとりかかる。


(以下、引用。)

各部の部将にたいしその孔明はかく訓示して押し寄せた。壕をわたり、城壁にとりつき、先手の突撃はさかんなるものだった。けれど城中は寂として抗戦に出ない。すでに一手の蜀軍は城壁高き所の一塁を占領したかにすら見えた。

すると、轟音一声、たちまち四方の櫓から矢石は雨のごとく寄手の上に降ってきた。なお壕の附近にある兵の上には、大木大石が地ひびきして降ってきた。

昼の間だけでも、蜀軍はおびただしい死傷者を壁下に積んだ。さらに、夜半の頃に及ぶや、 四方の森林や民家は炎々たる焰と化し、鬨の声、鼓の音は、横にも後にも、城中に湧きあがり、四面まったく敵の火の環と鉦鼓のとどろきになったかの思いがある。

「心憎き前立てではある。遺憾ながらわが兵は疲れ、彼の士気はいよいよ昂い。如かず、明日を期せん」

ついに孔明も総退却を令せざるを得なかった。彼自身も急に車を後ろへかえした。



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武侯北伐 23

2023-12-24 12:19:08 |  三国志
孔明は夏侯楙の計略を逆手にとって南安を攻略。南安には呉懿をとどめ、安定の守りに劉琰を派して、魏延と交代させ、天水郡へ進発した。孔明いわく、

「ただ、こんどの計で、一つ功を欠いたものがある。それは天水城の太守馬運だ。彼にも同じような計を施してあるが、何としてか、城を出てこなかった。直ちに向って、天水もあわせ陥し、三郡(引用注:南安・安定・天水の三郡)の攻略を完璧にしなければならない」


孔明は偽の使者を天水へつかわし、その守備兵を南安へ向かわせようと画策した。天水の太守馬遵はこれを信じ、

「どうか、夏侯駙馬へは、御前態よろしくお願い申しあげる」

と、その場で、誓書をしたためて、彼の手に託した。裴緒(引用者注:孔明がつかわした偽の使者)は尊大に構えて、

「よろしい。ではそのようにお伝えしておくが、安定郡の崔諒は、すでに兵を出している時分。おくるることなく、直ちに、全軍の兵を発して、孔明のうしろを脅かされよ」

と、念を押して帰った。廻文はその日に発せられた。天水郡の各地から、続々将兵が集まってくる。二日の後、勢揃いして、馬遵自身も、いよいよ城を出ようとした。

(参考文献:吉川英治『三国志』)


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