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ワーテルロー 62

2023-01-14 12:47:55 |  ナポレオニック
ナポレオンは6月29日までの4日間をオルタンス妃と共にマルメゾンで空費した。



だが情勢は冷酷であり、パリ防衛総司令官ダヴー元帥は皇帝の怠慢が休戦交渉を妨げることを怒り、「奴が動かぬなら、自分が出向いて逮捕する」といきまくし、「ボナパルトを銃殺するのは人類への奉仕である」といきまくブリュッハー元帥30万の軍勢はすでに28日にパリに達し、軽騎兵1個連隊が早くもマルメゾンに接近しつつあった。

払暁、ナポレオンは何を思ったかフーシェに軍の指揮権をしばし貸してほしいと申し入れた。首都をとり巻くブリュッハー軍を叩きのめし、その足で亡命の途につきたいというのだが、「奴はわれらを愚弄する気か」とあっさり拒否された。

仕方なく4頭立ての黄色い馬車に乗り込み、64名の随行者からなる車馬の列を従えて、やっとマルメゾンを離れ、亡命の船の待つロシュフォールへと向かった(6月29日午後5時)。

(参考文献:両角良彦『セントヘレナ落日』)
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ワーテルロー 61

2023-01-14 10:53:24 |  ナポレオニック

翌日になると、ナポレオンの退位を求める声がさらに強まり、フーシェがローマ王への譲位を進言すると、同調者が多く出た。ナポレオンはやむなく息子への譲位を条件として、退位文書に署名する(6月22日)。

ナポレオン「余の政治生命は終わった。よって余の息子をナポレオン2世の称号の下に、フランス人の皇帝とし宣言する」

とにかく和平を妨げている当面の難問がこれで解決した。国政はフーシェを首席とする5人の臨時行政委員会に委ねられる。



連合国側はさきの停戦交渉で皇帝の逮捕、監禁、さらには引き渡しまで求めており、前線ではブリュッハー元帥が皇帝の身柄を取り押さえるため進撃を続けていた。

フーシェは皇帝(アメリカへの亡命を希望)のための安全通行証をウェリントン公に求めた。これはロシュフォールからの脱出の意図をイギリス側に通報し、あわよくばその海軍力で「果実を摘みとらせる」という企みを内包していた。

(参考文献:両角良彦『セントヘレナ落日』)






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