ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

夜中にお月様を眺めて

2024-09-18 03:19:35 | エッセー
 目が醒めて夫の様子を見たら、いつものように何もかけずに寝ていた。
退院して約2週間、ほとんど食べず、水も飲まないのに比較的元気で
(もしかしたら奇跡は起きないのかしら?)と思った。
少しでも食べてくれればと、毎日いろいろなものを与えてみるが、昨日
はスプーンでほんの少し(茶碗むし、はんぺん、すいか、キューイなど)
食べた。

 そのため、大好きなおせんべを「食べてみる?」と聞いたら、手で
持ってほんの少しかじったからだ。でも・・・一瞬の期待感だった。
 リビングルームで寝ているので、 15夜のお月様はベッドから見える。

「ほら15夜のお月様よ、きれいでしょ」と言っても、体は向けても反応は
なかった。夜中にいろいろ考えて眠れず、ベランダに出てお月様を眺めたら
西の空に光っていた。でも、雲がかかっていたがしばらく眺めた。
 外はやはり暑かった。

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1時間で4線乗って

2024-09-17 10:16:17 | エッセー
 夫は二度目の入浴だったが、大きなバスタブを室内に持ち込み、お風呂
からお湯を入れる。今回は男性一人女性二人で一人は看護師さんだ。
  病人ばかりなので、血圧など測り体調を見るようだ。
しかし見ていると実に要領よく手早く、感心してしまう。
 入浴が終わって夫は眠ったようで、先日からある事でどうしても行き
たかった京王線の仙川駅へに行こうと思った。

 梅が丘発15時5分発新宿行に乗り、下北沢で井の頭線に乗り換え、明大で
降りた。明大前で京王線に乗り仙川駅へで降りた。
 仙川駅は意外と近かったが、改札を出て周りを見回した1・2分、イメージ
したより賑やかで何となく満足した。すぐに京王線の乗り、下高井戸駅
で降りて、世田谷線に乗ったが、電車はホームに止まっているので
改札口まで走った。

 二つ目の山下で降り、豪徳寺で小田急線に乗り、次の駅の梅丘に着いて
時計を見たら丁度1時間だった。高齢なのに相変わらず素早いのは
知っているルートだからだ。介護の間のちょっとした気分転換だったが
あまり急いでいたので、電車の写真撮るなどまったく忘れいていた。

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お神輿は見せられなかったけれど

2024-09-16 09:57:04 | エッセー
 昨日は世田谷八幡宮のお祭りで、家の前でおみこしが賑やかだった。
3階に住むんでいるし、今は寝室ではなくリビングルームなので、ベランダ
まで移動してと思い、息子に頼んだが、「体が痛い」と言い出し、出来な
かったが仕方がない。昨日は夫の弟二人、娘、孫、ひ孫などが来て賑やか
だった。初孫は娘が私のダンススタジオに勤めていた時生んだので、毎日
連れて来て、夫はとても可愛がったが、昨日は笑顔を見せ嬉しそうだった

 声だけ聞こえるがお神輿は見えなかったが、私達はあまり日本の文化や
芸能に興味がないので、それはそれでよいと思った。
 いつもほとんど眠っているが、久方の千客万来で、夫は疲れたようだ。

 私達は元旦には必ず氏神様の「世田谷八幡宮」へ、約40分近い距離を
歩いて行った。実はその10年ほど前から(来年は一緒に来られるかしら?)と必ず思った。今年は豪徳寺まで電車で一駅乗り、そこから歩いたが、神社
につくまで約15分近いが、途中で4回休んで辿り着いた。
 思えばがんばって長生きしてくれた夫、これからそう長い期間ではない
が、家で過ごす幸せを感じられるよう、できるだけ優しく介護したい。
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気分転換を素早くする方法 「能里メソッド」から

2024-09-15 09:52:45 | エッセー
 ユニークな私は他人と違う発想をよくしたが、それが最たるものはカウ
ンセリングルームでの指導だった。、その時代は本が一冊出る度に、全国
から問い合わせが多く、とても一人ではさばききれなかった。
 そのため、心理系の大学講師をしていた知人に、私の指導法を詳しく
説明して、その方法で指導をお願いし、カウンセリングルームをサポート
してもらった。それらは私なりに研究した、独自のユニークな指導法で
彼女は「アカデミックではないが大変優れた指導法だ」と驚嘆し、その
方法で数年間サポートしてくれた。
 
 それが独自の「能里メソッド」だが、その一つの方法を思い出したのは
今自分が大変な状況にいるからだ。その中で最も私に合っていると思った
のでご紹介した。それは・・・
   「気にしない、忘れる、諦める」

 心の中から辛い気持ちや、悲しい気持ちが込み上げてきたら、くり返し
呪文のように声に出して唱えること。悲しさ、淋しさ、辛さなどがその言葉
を声に出すことで、それらは耳からも入って、比較的楽に気分転換になり
すぐに明るい表情になる事ができる。同時に「暗い気持ちを引きずって
いると幸せが逃げて行く」法則を熟知していることもあるからだ。
だんだん意識が混濁しつつある夫に、今日も明るい声で話しかけている。


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涙をこぼしながら体を拭いて

2024-09-14 05:34:15 | エッセー
 何やらごそごそした音で目覚めた、私のベットは夫を見守るため、介護
ベットの頭の部分にL型にある。そのため、寝息まで聞こえる位置だ.
「どうしたの?」と飛び起きたら、何と夫が上半身裸でおむつをつけた
ズボンまで脱ぐ体制だった。今日で退院して9日目だが、ほとんど食べ
られないのに、何故かよく動くため、夜中におむつを全部外すこともある。(体拭いてあげようか?)と言ったら,「うん」と答えた。
「かゆいとこある?」聞いたら「ううん」と言った。

 洗面器にお湯を入れ何本もタオルを浸して、体を拭いたらとても気持
良さそうだ。すぐに猛烈に腰が痛くなったが、でも、我慢して全裸になった
夫の全身を拭いた。間もなく意識もなくなるだろう、と思うと涙がこぼれ
たが、初めて拭いた筋肉質の体は一回り細くなっていた。
 ことに高齢になってから栄養面を注意し、太らせていたのでまだ余力
があるのだろう。「どんなに苦労しても良いから家で介護しよう」と決心
して主治医に自分に意思を理解していただき、退院を早めたので、これ
からもがんばろうと思った早朝だった。

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