ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

主治医の先生への手紙

2024-09-02 09:35:07 | エッセー
 夫は5月に大学病院で12回目の「カテーテル手術」を受けたが、ときどき
「息苦しい」と言うようになり、訪問治療の主治医の先生の診察を受け
熱中症の見立てだったが、心臓とわかり先生の手配でまた緊急入院した。
 その心臓は安定期になり、病院の主治医の先生に退院をお願いした。
すると、「ご都合で何時でも退院しても良い」許可を下さった。
 ところが病院側から「退院後の介護のための会議を9月3日に開く」と
連絡があった。それは、病院側、ケアマネージャー、家族などで開くそうで
ノウとは言えず従うことにした。そのため、多分先生のご意見も関りあると
感じ今朝私は訪問治療の先生に自分の気持ちを伝えてメールをした。
高齢化した現在これからは、多分だんだん増えていく問題ではと感じ
皆様にもご紹介しました。

{お早うございます 何時も暖かいご対応を感謝いたします
明日病院で退院後の介護についての会議がありますが、その前に私の
気持ちをお伝えすべきと思いました 私は夫の命の長さより
 「クオリティ・オブ・ライフ」を選択いたします 

あれほど病気がありながら、平均寿命より満10年間長生きしてくれました
家に帰り病院にいるような治療ができなくても、その方が夫にとっては幸せ
だと思うからです 私は病院へ行く度に夫の感情表現がだんだん少なくなるのを感じました 認知症10年目の頃のことですが、私が夫を高尾山へ連れて行ったことを松沢病院の精神科の主治医の先生にお話したら「もしかしたら
奇跡に近いかも知れない」と驚嘆なさいました

今迄申し上げませんでしたが夫をこのように介護できたのは、私は若い頃から
色々な勉強をしていました 心理学だけではなく、心身医学、脳科学、自律訓練法、医療催眠法など、その道では有名な先生方にかなり個人的に近く長年
ご指導を受けていました そのため多少知識があり、海外も含めてハウツウの
著書43冊あります 昔は医学界では「認知症は3年から5年の余命」と言われていました 夫が認知症になった当時、まだ「痴呆症」と言われ世間では隠すのが常識でした 私は夫に「老化による病気だから決して恥ずかしくない
他人に迷惑をかけないために治療していることを、隠さないように」
と言いました 先生は「すごく勇気ある行動だ」とおっしゃったほどです

医学が元でできた心身のセルフコントロール法「自律訓練法」は筑波大学の
佐々木雄二教授の研究会で勉強し、それらを元に世界心理学会でプレゼン
しました 認知症になった夫を唯の一度も怒らせることなく介護できたのは
雑学的ですが、そんな知識があったからです
92歳と言う年齢はもう十分人生を生きたことになり、残り少ない人生を
住み慣れた我が家で過ごさせてあげたいのです 
そのためまた先生にお世話をかけますが、どうぞ私の気持ちをお汲み取り
下さるようお願い致します れからもどうぞ宜しくお願い申し上げます  
                          小池能里子」
                            
 病院で管に繋がれ、狭い空間で長生きしても決して幸せではないと思い
ますし、まして夫は十分長生きしてくれました。
 近く退院する夫を少しでも心地よく過ごさせてあげるため、布団を干したり家をキレイにしたりしています。














コメント
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