ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

断食を体験して(後)

2021-06-29 06:51:41 | エッセー

 私はその頃はヨーガ教室とダンススタジオを経営していたが、スタッフは沢山いた

ので、比較的自由に動ける。そのため、どうしてももう一度地方の環境の違う場で

断食による精神的な修行をしたいと思った。それから色々調べ、日本で只一つ

公共の断食道場が淡路島にある事を知った。そして案内書を取り寄せると、以前の

名古屋の医院と違いスケールの大きなところで、人が沢山いて賑やかそうなのも

大層気に入った。スタッフに相談しスケジュール調整し、翌年の春もう一度断食に

行ったのが淡路島の「五色断食道場」だった。

 長い時間をかけて着いた「五色断食道場」は、町から離れた小高い山の上にあり

景色の良いところだった。想像以上に広大な敷地に、図書室、手芸室、体操室、仏間?

もあり、心身両面の修行もセットされていた。入所する前に検査を受けて、いよいよ

12日間断食コースに入った。そこは自動で出るお茶や水が好みで選ぶようにいなって

いたが、私はお水よりお茶の方が腹持ちがよさそうな気がして、毎回お茶を飲んだ。

 その後予備断食から始まった。確か4日目位で完全断食に入り、絶食状態でも小さな

グラスに生ジュースが1杯だけは飲めるが、確か3日間は完全断食に入る。

 その次の日のお昼頃、お腹は空いていないのに、私はまた具合が悪くなった。

すると先生がすぐいらして私の脈をとり、血圧を測ったら何と上の血圧が60しか

なかったそうだ。すると、看護師さんが、牛乳とカルケツト二枚を持って来て

「すぐに食べて下さい」と渡され、早速食べたら途端に元気になり、私は食べることは

すぐにエネルギーになる凄い事なのだと実感した。やはり私にとって、断食は悪影響

だったようで、2回目もまたドクターストップになった。

 しょげ返る私に先生は「あなたは至って健康体だから断食(ほとんどの人が病気の

治療のため)をする必要はないから、体がマイナスの反応をしたのでしょう。明日から

復食(元の食事に戻るために食事)になりますが、気にしないようにね」と、慰めて

下さった。

 復食3日目になると、マイクロバスで街まで連れて行ってくれる。

大勢の仲間とワイワイ言いながら、街での散歩は楽しく、道場には内緒だが、お店

に入りうどんや、お団子を食べたりするので、私は本当にビックリした。

 また山でわらび取りをしたのは生まれて初めてで、とても楽しかった。

残念ながら完全断食は2度とも、たった1日だけだったが、いよいよ最後の日になり

帰る日はマイクロバスで街まで送ってくれる。皆さんが手を振って見送ってくれたが

忘れられない懐かしい思い出になった。

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