ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

認知症10年目の夫の定期診察

2020-04-05 07:11:45 | エッセー

 お天気も良く気持ちの良い日、認知症になってから3か月に一度通院している

「都立松沢病院」へ、定期的な診察を受けるため行った。

 コロナウイルスの影響のため、何時も混雑している院内は閑散としていた。

夫の様子が変だと感じたことが2度あり、もしかしたら認知症ではないかと思い

10年前の3月に初めて診察を受けた。幸いなことにその日にすぐMRI検査を

受けられ、「アルツハイマー型認知症」と診断された。それ以来、3か月に一度定期的

に通院している。お世話になっているN先生は、認知症の専門医で、とてもやさしい

先生だが、その道では有名な方らしい。10年間もお世話になっているためか、先生

にお会いしてお話すると、私の精神状態も安定するからとても不思議だ。

毎回約30分間夫は先生にその3カ月間の出来事や、現在の状態をきかれるが

記憶がほとんどできないので、答えられないことが多く、私が説明することが多い。

夫の体調の異変を2月に気づき、大学病院を受診したが「幸いなことにその日に

入院し、カテーテル手術を受けた」と、その経緯を詳しくお話した。

すると先生は、「良く分かりましたね。普通の人はなかなか分かりませんよ。奥さん

は相当カンが良いですね」とお褒めにあずかったが、実はホームドクターにも

まったく同じようなことを言われた。

 松沢病院は広大な敷地の中にあり、大きい樹木も沢山あり、新緑が見立ったが満開

の桜がキレイだった。帰りはゆっくり歩いたが「10年目の記念写真を撮りましょう」

と満開の桜の下のベンチで夫を撮ったが、何だかとても嬉しそうだった。

 7月になると夫は88歳を迎えるが、もっと長生きしてもらうように、家族や親しい

人達も招いて節目のお祝いをしたいと思っている。それにしても・・・

 「コロナウイルスの終息は何時になるのかした?このままの状態では、私まで

変になりそう、あなたと一緒に松沢病院のお世話になるかもよ」と言ったら、夫は

「その時はオレが連れてきてあげるね」と、ゲラゲラ笑った。

 広々したきれいな空間で、病院であることを忘れるほど、のどかなひと時だった。

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