軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

Salisbury / Uriah Heep

2010-08-23 02:00:00 | 音楽
Mick Box : Guitar [Lead], Acoustic Guitar, Vocals
David Byron : Lead Vocals
Ken Hensley : Organ, Piano, Guitar [Slide], Acoustic Guitar, Harpsichord, Vibraphone [Vibes], Vocals
Paul Newton : Bass Guitar, Vocals (2)
Keith Baker : Drums

1.Bird Of Prey
2.The Park
3.Time To Live
4.Lady In Black
5.High Priestess
6.Salisbury
[Bonus Tracks]
7.Simon The Bullet Freak (US Album Version)
8.Here I Am (Previously Unreleased Version)
9.Lady In Black (Previously Unreleased Version)
10.High Priestess (Single Edit)
11.Salisbury (Previously Unreleased Single Edit)
12.The Park (Previously Unreleased Version)
13.Time To Live (Previously Unreleased Version)
1970

ヒープ作品の中では印象の薄い「ソールズベリー」、まだメンバーも流動的、衝撃的といえるファーストと名盤の3枚目に挟まれ「戦車ジャケット」では購買意欲も今一・・・・北米のジャケットなんかは最低でしたが。やたら曲数が少なかったオリジナルに比べ流石はサンクチュアリー盤、ボーナスタップリで聞き応えがありそうです。
普段ほとんど聞かない作品ですが、結局「EZ torrent」の情報提供が目的と言うことで、理由はどうあれ十分に把握していない作品をこの機会に再評価と行きましょう。

1曲目 ファーストの「ジプシー」に近いアグレッシブで不気味さが引き立つ代表曲。タイトで力強いリズム隊にハードなギターとハモンドをバックにバイロンのボーカルが炸裂する。超高音域に登り詰めるファルセット、そして何と言っても完璧なコーラスワーク。インストパートは特に見るべき物はないけれど、曲としての纏まりが素晴らしい。後半のテンポを変えたコーラスが妙に冴えるパートが結構ポイントかな。ただし中途半端にフェードアウトして終わるのがいただけない。
2曲目 リムの響きに悲しげなハモンドが漂い、交差するアコギのアルペジオ、そしてバイロンのファルセットはとても優しく艶っぽい。シットリと悲しげに流れるナンバー、ベース音がしっかりとしているので曲として浮いた感じは無い。ボーカルに寄り添うようなコーラス・ワークも素晴らしい。優しいねぇ・・・・・バイロンのボーカルとコーラスを使ってこの手の曲を中心とした作品作りをしたならば、それはそれで全く別の(ジャンルの)素晴らしいバンドとなった事でしょう。後半のジャズ風ブレイクパートはそれなりに面白い。
3曲目 ハードでヘビーなイントロ、ミックボックスのワウギターが炸裂。ボーカルパートはタイトなリズム隊をバックにスッキリと、ケンのハモンドは曲に厚みを付けるだけ。ミック・ボックスの短いギターパートがポイントかな。この頃のリズム隊意外と上手ですね。で、この曲も何となく中途半端にフードアウト。
4曲目 カントリー風のナンバー、アコギのカッティングに意外と素朴なバイロンのボーカルと思いきやリード・ボーカルはケン・ヘンズレーでした。リズム隊、続いてケンの12弦、そしてメロトロンとバイロンのコーラスワークが加わりユーライア・ヒープの世界に早変わり。この変貌というか曲展開はお見事。後のヒープ節がしっかりと垣間見られる。
5曲目 アコギのアルペジオに漂うスライド(スチールか?)、イントロの幻想的な雰囲気作りはヒープ以外では聴く事は出来ない。曲調が変化してハードな演奏に、ミックのワウギターに導かれバイロンのボーカルが軽快に疾走する。コーラス・ワークも完璧、そして何と言ってもケン・ヘンズレーのスライドギターとミック・ボックスのワウギターの絡み合いが秀逸。素晴らしすぎます。で、リードボーカルはケン・ヘンズレーという事で・・・・全く気がつかなかった・・・・
6曲目 タイトル曲で16分18秒・・・・「July Morning」に匹敵する長尺曲なのに・・・何の印象も残っていない。この頃流行ったオーケストラとのコラボ作品ですが、ブラス隊中心という事で、何となくブラスロックの流れも感じてしまう。コロシアムとかキーフ・ハートレイとか、ブラス・ロック的な作りが「ヒープらしからぬ」と言う事になるのでしょうか。壮大で哀愁タップリのイントロ、ブラス隊にハモンドがビャービャーと流れる。リズム隊が加わりよりドラマチックに展開。ようやくボーカルがシットリと曲を歌い上げ増すが、ベースがかなり大胆に唸りまくります。結構複雑な展開を経てウォーキングベースとブラスをバックに流れるハモンドパートに。ハモンドは抑え気味でベースだけが大活躍。ブラス・オーケストラ中心で延々とインストパートが続きますが、フロント陣のパートはほとんど目立たないというか、ベースとオーケストラ中心の作りは個人的には大歓迎(笑)。後半のミック・ボックスのソロも特に取り立てて、頑張ってはいますが。ユーライア・ヒープの曲ではありませんが、結構楽しめますね。
7曲目 ここからがボーナス、まずは北米盤に収録されていた曲。野太いベースにハプシコード、ドッシリとした演奏をバックにバイロンが(だよね)淡々と歌い上げる。それにしてもベース音笑ってしまうぐらい太くてでかい。
8曲目 ゆったりとした演奏、スティール・ギターが美しくたなびきバイロンのボーカルもとても優しく美しい。天空の上を漂っている雰囲気は幻想的、ボーカルの節が一瞬「ネバー・エンディング・ストーリー」風に。中盤以降演奏がハードになり、ギターがうねりまくります。
9曲目 4曲目の別バージョン、最後のコーラスとリズム隊だけのシンプルパート以降をスッパリと切り取ったショートバージョン。
10曲目 5曲目の別バージョン、聞き所のギターバトルをぶった切って編集したショートバージョン。馬鹿者・・・・
11曲目 タイトルナンバーのシングル・バージョン。ボーカル・パート中心に上手く編集されています。
12曲目 2曲目の別バージョン、元曲では控えめに響いていたビブラフォンが全面に浮き上がり曲の雰囲気を支配しています。元曲と聞き比べて感じたのは・・・・・「名曲だなぁ」
13曲目 3曲目の別バージョン、ボーカルパートの後ろにミック・ボックスのギターソロが入っているバージョン。

過渡期の作品、一部では評価の高い作品と知ってはいましたが、方向性を模索していた時期の色々な断片が楽しめる作品です。完成度が異様に高いのには驚きました。素敵な曲も入っていますし・・・・・ヒープって聴くたびに再発見があるのは何故??

さてさて本題に。
ジョン・ウェットン期とジョン・ロートン期はファーストで紹介していますのでここではそれ以前を紹介します。

ゲイリー・セイン期
URIAH HEEP 1974-06-17 Wenen (Wonder Dream)
URIAH HEEP 1974-06-17 Stadthalle, Vienna, Austria
URIAH HEEP 1974-05-17 Grona Lund, Stockholm, Sweden
URIAH HEEP 1973 PORTLAND EXPO, PORTLAND, MAINE-AUGUST 19, 1973. JOE MALONEY MASTER RECORDING
URIAH HEEP 1973 FM(BP3-master)ABC-TVInConcert,NewYork,USA
URIAH HEEP 1973-03-21 Koseinenkin Hall, Osaka, Japan
URIAH HEEP 1973-03-19 Nagoya 1973 2nd Night
URIAH HEEP 1973-03-19 - Nagoyashi Kokaido, Nagoya, Japan
URIAH HEEP 1973-03-16 Budokan Hall, Tokyo, Japan
URIAH HEEP 1973-03-16 - Stage
URIAH HEEP 1972 Byron's Lost Poem(Landhalle1972)
URIAH HEEP 1972-10-24 Berkeley Community Theatre, Berkeley, California
URIAH HEEP 1972-05-31
URIAH HEEP 1972-04-16 Musikhalle, Hamburg, West Germany
URIAH HEEP 1972-03-01 Stambaugh Auditorium, Youngstown, Ohio
URIAH HEEP 1972-02-27 Township Memorial Arena, Columbia, South Carolina

ニュートン - クラーク期
Uriah Heep 1971-05-06 basel 1st aud
Uriah Heep 1970-12-29 Berlin,Ger

近々のアップ以外も含まれていますが、サーチすれば全てヒットするはずです。
ゲイリー・セイン期はユーライア・ヒープの全盛期ですのでファンとしては涙ものの音源間違いなし。




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2 コメント

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素晴らしい分析です (makotoike1961)
2011-02-06 22:24:36
確かに2枚目の「ソールズベリー」は、実に”地味”な一枚ですけれど貴兄の分析を読ませて頂き、改めてこの一枚の魅力を感じております。
素晴らしい分析能力です。感服しました。
返信する
いらっしゃいませ (狛犬)
2011-02-07 17:30:35
廃屋にようこそ・・・・

分析が出来ているかは別ですが、ヒープにはかなりのめり込んでいますので、少しは的を得ているかもしれませんが・・・

持ち上げていただきありがとうございます。化けて出る活力とさせていただきます。
返信する

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