重低音のBlue Canary

♪ 思いつくままを、つたない文と photo で …

つるし雛。

2007-01-18 | ぼやき
今月9日のブログで、
今年4カ所目の初詣でに行った静岡県「久能山東照宮」で、思いがけなく美しい物を見た、と書きました。

それは、東照宮・神楽殿に飾られていた、これです。



静岡県・稲取温泉の周辺に江戸時代から伝わる「つるし雛」です。


この「つるし雛」をかなり気に入ってしまい、
あれから少し調べてみたんですね。

ネットで検索し、フリー画像を拾ってみると――。

 

 

人形、植物、動物、食べ物、果物、毛鞠……実にさまざまな飾り物が吊るされています。

そして、
その1つ1つに「意味」があるんですね。たとえば――、
鶴や亀…………長寿。
うさぎ……………呪力があるとされ、神様のお使い。
巾着……………お金に不自由しないように。
座布団…………早くお座りが出来るように。
猿………………厄が去るように。
毛鞠……………家族の幸せ。人の輪、人生の輪。
ぽっくり…………早く歩けるように。
団子……………食べ物に困らないように。

――等々、その家々によって、思い思いの物と数を吊るすため、その種類は数十種に及ぶそうです。


いいですよねえ、素朴で。
ぜひもっと間近で見てみたい――と思っていたら、
先週末、見つけたんですよ、静岡県下の某百貨店の催事場で。

「ラッキー!」と喜び、
もし値段が手頃なら……と頭の片隅で思いながら値札を見て、
一瞬、固まりました。

通販サイトで見つけた、高さ120cmほどの、



ちょうどこんな感じの「つるし雛」に、
いくらの値札が付いていたと思います?


「520000円」でした。
「ごせんにひゃくえん」でもなければ、
「ごまんにせんえん」の読み間違いでもなく、
「ごじゅうにまんえん」だったのです。




私って、物の値打ちが分からない「世間知らず」なんでしょうかねえ。


たしかに、
1つ1つが手作りの、
いい出来栄えだとは思いますよ。

でもね、
「つるし雛」というのはもともと、
家々のおばあちゃんやお母さんが、
孫や子供たちの健やかな成長を祈って、
家にあった着物や古着の端切れを利用して作った、
素朴な「民芸品」だったわけでしょ?

「芸術品」では、本来、決してなかったと思うんですよね。

なのに、
現代では「ごじゅうにまんえん」ですか。
そんなものなんですか、時代が変われば。


どうにも納得がいかず、
憮然とした思いで、



改めて「ごじゅうにまんえん」を、
しばらくの間、見ていました、
たぶん口を半開きしたまま。


でも、
私が「つるし雛」を気に入ったことに変わりはありません。

だから、
「美術品」ではなく、
昔、おばあちゃんやお母さんたちが孫や子供たちのために作った「民芸品」の「つるし雛」を、
それが生まれた土地で見てみたいと、
プランとスケジュールを検討し始めたところです。


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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日本人のやさしい心 (miko)
2007-01-18 22:54:03
1枚目の写真、先日見せていただいて華やかな美しさに見入っておりました。

「つるし雛」探訪の旅、報告を楽しみにしております。

体調はいかがでしょうか。あまり無理をしませんように。
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つるし雛 (kawa)
2007-01-18 23:11:26
52000円かと思ってしまいました。それでも、高いと。
ヒナ探しに出かけるのですね。収穫期待しております。
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んんんん・・・ (mori-kuma)
2007-01-18 23:40:44
 すごいお値段ですねぇ…

 赤ちゃんの、ベッドの上に飾ってるような感じの
お雛様なのに・・・。

 でも120cmっていえば、uwanosora443さんの腰の高さぐらい
あるんじゃないんです?
 結構な大きさがあるもんですよねぇ。

 それでなのでしょうか?
 このお値段は・・・
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Unknown (永遠)
2007-01-19 11:42:44
素敵なものを見せていただきました。

つるし雛。。。いろんな思いがこめられたものなんですねっ。。。。

本物を見たくなっちゃいました^^


いつまでも伝えていってほしいですね。
時代がどんなに変わっても・・・
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つるし雛(続き) (kawa)
2007-01-19 20:29:27
今日の朝日の夕刊に、稲取の「つるし雛」が写真入りで、載っていました。
江戸時代からの風習だとか。
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ありがとうございます。 (mikoさんへ)
2007-01-19 21:00:22
おかげさまで、体調は戻りました。
罹るのも早いけど、治るのも早い――単細胞人間の唯一の利点かも知れません。

いいですよねえ、日本の伝統って。さて、本場の稲取へはいつ行けるのか……。
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私も… (kawaさんへ)
2007-01-19 21:04:16
「ごまんにせんえん」でも高いと思いますよ。
「ごじゅうにまんえん」だなんて、そんなに高くしてしまっていいんでしょうかねえ。

「つるし雛」情報、ありがとうございました。
地元版記事でなければよいのですが…。明日、図書館で見てみます。
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聞いてみたら… (mori-kumaさんへ)
2007-01-19 21:09:13
「つるし雛」の値段は、吊るされている飾り物の数によって決まるようです。

50個付いていても1個1万円でしょ? やっぱり高すぎますよねえ。
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そうですね。 (永遠さんへ)
2007-01-19 21:16:45
いろいろな人の、孫や子供に対する愛情と願いが込められていてこその「つるし雛」なんでしょうね。

かつては、節句が終わると焼いてしまう習慣もあったようで、だから昔の物はあまり残っていないのだそうです。

そう聞くと余計に、いまのような販売目的の「美術品」ではない当時の「つるし雛」を、ぜひ見たいと思っているのですが……。
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