重低音のBlue Canary

♪ 思いつくままを、つたない文と photo で …

咲けば…散る。

2008-03-31 | つれずれ

■場所 / 名古屋市北区「名城公園」 ■日時 2008.3.31 08:26:48 ■カメラ / NIKON D80 ■レンズ / SIGMA DC 18-50mm EX MACRO HSM ■データ / F5.6 1/125秒 ISO100 焦点距離50mm 露出補正±0 / シャッタースピード優先AE スポット測光

名古屋市北区「名城公園」の桜は、
いまが満開です。

今年は春の訪れが遅くなりそう――と
たしか2月ごろまではそう言っていたはずですが、
桜の見頃は結局、去年より1週間も早まったことになります。


これでいよいよ春本番――と思っていたら、
昨日から気温がまた下がり始め、
しかも昨夜から朝方まで雨が降り続きました。

となると、
カメラを手にした私の視線は、
咲き誇る桜を見上げるより、
つい、足元に目が行ってしまいます。

そう、
咲いてしまえば、
あとは、
散るのを待つばかりなのですから。


今朝もすでに、




       こんなふうに

       


散り急ぐ桜の花が



少なくありませんでした。



先に散り、地面に戻って行った仲間を見下ろしながら、


■場所 / 名古屋市北区「名城公園」 ■日時 2008.3.31 08:25:36 ■カメラ / NIKON D80 ■レンズ / SIGMA DC 18-50mm EX MACRO HSM ■データ / F6.3 1/160秒 ISO100 焦点距離32mm 露出補正+1 / シャッタースピード優先AE スポット測光

いま枝に残って「春」を謳歌している花びらたちは、
何を思いながら、咲いているのでしょうね。


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プチ花見/岩倉市「五条川」沿い

2008-03-30 | つれずれ

■場所 / 岩倉市「五条川」沿い ■日時 2008.3.30 13:38:28 ■カメラ / NIKON D80 ■レンズ / SIGMA DC 18-50mm EX MACRO HSM ■データ / F5.6 1/125秒 ISO100 焦点距離50mm 露出補正+1 / シャッタースピード優先AE スポット測光

昨日行こうと思っていたのに気が変わり、
今年は見送るつもりだった自宅隣市・岩倉市「五条川」沿いの桜を、
なんのことはない結局今日、見に行ってしまいました。


「ひと束の水仙の美しさが、
 1000本の桜に勝ることもある」
――な~んて昨日のブログでカッコつけて書いちゃったばかりですから、
さすがに気が引けるのですが、

見苦しく弁解すると、
たまたま用事が出来て、五条川近くへ出かけることになったんです、本当に。

すると――、
当然あるだろうと覚悟していた「交通規制」線が、なかなかありません。

「あれっ? 変だなあ」と思いながら車を進めるうち、
いつの間にか五条川畔に、着いちゃったんですよ、マジで。
おまけに、絶好の駐車スペースもすぐ見つかって。

というので、
せっかくここまで来たのにそのまま引き返すほど天邪鬼でもありませんから、
用事を済ませた後、
30分ほど「プチ花見」をしてきました。

こんな感じです。



     



     




今日の名古屋地方は朝から曇り空。
午後からは雨が降るかも――という予報もあったので敬遠したのでしょうか、
ここ「五条川」沿いの花見客は、例年に比べるとかなり少なかったように思います。


そして、
予報通り夕方からは、激しくはありませんが、雨。

このまま一晩中降り続けば「花散らし」の雨になって、

明日の朝、
「五条川」の川面は、
薄桃色に染まることになるのでしょうか。


■場所 / 岩倉市「五条川」沿い ■日時 2008.3.30 13:40:32 ■カメラ / NIKON D80 ■レンズ / SIGMA DC 18-50mm EX MACRO HSM ■データ / F5.0 1/105秒 ISO100 焦点距離24mm 露出補正±0 / シャッタースピード優先AE スポット測光

最近、
花の
咲き始めより、むしろ散り際の美しさに心惹かれるようになったのは、
年のせいなんでしょうね、きっと。


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プレゼント。

2008-03-29 | つれずれ
今日の名古屋地方は、絶好のお花見日和でした。

拙宅の隣市・岩倉市の五条川沿いは、
両岸におよそ1000本が咲き競う桜の名所です。

行ってみよう――と、昨夜寝るまでは思っていたのですが、
今朝起きてから、気が変わりました。

駐車場探しに苦労することが分かっている億劫さもさることながら、
今日は、人込みの中に身を置くことが
急にいやになったからです。

そういう気分になることって、
たまにありません?


結局、一日の大半を、



このところ一気に自己主張し始めていた庭の草むしりに費やしました。

ひたすら草をむしりながら、
頭の中ではいろんなことを考え、
反省したり、自分を励ましたりもする
――たまにはこんなふうに過ごす休日も、いいものです。


それに、
働けば、
ちゃんとプレゼントをいただけるものです。

ひと仕事終わりった夕方近く、
足を向けた近所のお気に入りカフェで
ガラス花瓶に活けられた清楚な彼女?たちが、疲れを癒してくれました。


■場所 / 北名古屋市の某カフェ ■日時 2008.3.29 16:30:12 ■カメラ / Canon PowerShot G9 ■データ / F2.8 1/6秒 ISO80 焦点距離7.4mm マクロモード / プログラムAE 露出補正+2 分割測光

ひと束の水仙の美しさが、
1000本の桜に勝ることだって、
あるんですよね。


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春…二景。

2008-03-28 | つれずれ

■場所 / 名古屋市北区「名城公園」 ■日時 2008.3.28 17:25:18 ■カメラ / NIKON D80 ■レンズ / TAMRON SP AF Di 90mm 1:2.8 MACRO  ■データ / F2.8 1/400秒 ISO110 焦点距離90mm / シャッタースピード優先AE 中央重点平均測光

大勢の人々に待ち焦がれられ、愛でられる春があります。

帰りがけにも立ち寄ってみた名古屋市北区「名城公園」内のそこかしこ、
ほぼ満開になった桜の下に
青や白のビニールシートが広げられていました。

あいにく少し寒くなってしまいましたが、
日が暮れれば、
今日は春の宴が始まるのでしょう。



でも、
そんな春だけではありません。

昼間、市内中心部の会社の近くで、
もう一つの春を見ました。

歩道と縁石の、ほんのわずかな隙間から芽を出し、
子孫を残すため、懸命に花を咲かせているのは


■場所 / 名古屋市西区山田町「庄内緑地公園」 ■日時 2008.3.28 12:35:51 ■カメラ / Canon PowerShot G9 ■データ / F4.0 1/160秒 ISO200 焦点距離7.4mm / プログラムAE 露出補正-0.33 中央重点平均測光

西洋タンポポです。


華やかな春と、
逞しい春。

どちらも
「春」に
変わりはありません。


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2008春/庄内緑地公園の花々。

2008-03-27 | つれずれ

■場所 / 名古屋市西区山田町「庄内緑地公園」 ■日時 2008.3.26 13:14:34 ■カメラ / NIKON D80 ■レンズ / TAMRON SP AF Di 90mm 1:2.8 MACRO  ■データ / F3.5 1/200秒 ISO100 焦点距離90mm / シャッタースピード優先AE 中央重点平均測光

定期検診で会社を休んだ昨日、
病院近くの「愛知県護国神社」に寄った後、
陽気の良さにそのまま帰宅するのがもったいなくて、
もう1カ所、名古屋市西区山田町「庄内緑地公園」にも寄ってきました。

「庄内緑地公園」は面積がおよそ40haというとても広い公園ですから、
くまなく歩くと、そこかしこで咲いている春の花に出会えます。

上の写真は「紫(し)モクレン」でしたが、
ほかにも――

▼トサミズキ



      ▼ボケ
      

▼サンシュ



      ▼枝垂桜
      


▼ニホンタンポポ



      ▼ツバキ
      


▼シデコブシ



      ▼ソメイヨシノ
      


▼ツバキ(淡侘助)



      ▼ユキヤナギ
      


▼ボケ



      ▼コブシ
      


色とりどりの花が咲き、
本格的な春の訪れを実感させてくれます。

でも、

その一方で
こんなふうに散りながら季節が去ってゆくのを見送るのも、
決して悪くはありませんよね。


■場所 / 名古屋市西区山田町「庄内緑地公園」 ■日時 2008.3.26 12:56:23 ■カメラ / Canon PowerShot G9 ■データ / F2.8 1/60秒 ISO125 焦点距離7.4mm / プログラムAE 中央重点平均測光


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桜咲く/愛知県護国神社

2008-03-26 | つれずれ


生活習慣病関連の予防的な定期健診のため会社を休んだ今日、
帰りに、病院から程近い名古屋市中区三の丸「愛知県護国神社」に寄ってきました。

ここも、名古屋市内では「桜の名所」の1つなんですよね。



まだ少し早いかな?と思いながら出掛けたのですが、



いえいえ、
「ソメイヨシヨ」がもう五分咲きでした。

日本で咲く桜の品種は350種とも500種とも言われるそうですが、
その中の代表格はやはりこの「ソメイヨシノ」でしょうね。



決して派手さはありませんが、
むしろそれだからこそ、
見てなぜかホッと安心するような、優しさを含んだ風情がいいですね。



対照的に、艶やかな紅色の



「カンヒザクラ」も、いまが盛り。


他方、
上品な風流を感じさせる「枝垂桜」は、



そろそろ散り始めそうな気配です。

また、
少女のような初々しさを見せて咲いていたのは



昨日「名古屋市市政博物館」で見たのと同じ「オオカンザクラ」でしょうか。


神社という場所柄、比較的古木が多いからなのか、
こんな咲き方をする桜も、



所々で見かけました。
植物の生命力って、すごいですね。



でも、
神社ならではの光景と言えば
やはりこれでしょう。



やがて花を散らす桜の小枝に、ぎっしりと結ばれた御神籤の数々。

人々は
どんな思いや願いを託して
結んだのでしょうか。


そうそう、「願い」と言えば、
今年1月13日の拙ブログ「願い」で立ち寄ったのは
この「護国神社」でした。

そのとき、
「主人の目が覚めて 家に戻ってきますように」
――と42歳の女性が願いを込めて書き吊るしていた絵馬は、

………。



いまもまだ、
同じ場所にありました。

絵馬が色褪せないうちに、
彼女の願いが叶って取り外されることになればよいのですが。


間もなく、3月が終わろうとしています。
時間が流れる速さを、
改めて感じます。


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サクラ、競艶。

2008-03-25 | つれずれ

■場所 / 名古屋市中区丸の内「名古屋市市政資料館」 ■日時 2008.3.25 16:55:58 ■カメラ / NIKON D80 ■レンズ / TAMRON SP AF Di 90mm 1:2.8 MACRO  ■データ / F3.5 1/200秒 ISO100 焦点距離90mm 露出補正±0 / シャッタースピード優先AE 中央重点平均測光

「桜が咲いていますよ」と昨日、
コメント欄で「S」さんに教えていただいた名古屋市中区「名古屋市市政資料館」に
会社を少し早く出た帰り道、寄ってきました。



なるほど、見事に咲いていますねえ。

この道を前に通ったのはたしか先々週。
そのときはまだツボミにさえ気付かなかったのに、
今年の春は猛烈なラストスパートで本番入りしたようです。


ここでは3種類の桜が艶やかさを競っていました。

最も華やかに咲いているこちらは



「トウカイザクラ」です。
「シナミザクラとコヒガンの交配種」と、ネットの図鑑にはありました。



「ソメイヨシノ」の先導役のように早めに咲くようですね。
淡い色が清楚な、おとなしい桜です。


「トウカイザクラ」に比べると紅色が濃くなるこちらは



「オオカンザクラ」です。

「カンヒザクラとオオシマザクラの種間雑種」と、やはりネット図鑑にはありました。
つまり早咲き品種なんですね。



紅を差したように、少し大人っぽい桜です。


もう1種類咲いていたこちらは



「カンヒザクラ」です。

沖縄・石垣島に本種があるという熱帯系の桜なのだそうです。
道理で、先の2種に比べると、



花弁の色合いがずいぶん情熱的ですよね。


――などと、花を見上げながら歩いていて、
すんでのところで踏みつけるところでした。

足元には



タンポポも咲き始めています。

丈夫な「西洋タンポポ」が蔓延(はびこ)って年中見かけるようになったタンポポですが、
今日見たこのタンポポは、花の根元の緑色の苞片(ほうへん)が反り返らず上を向いていて、
どうやら在来種の「日本タンポポ」のようです。

嬉しいじゃないですか、お目にかかれて。


というように
花々が咲き始め、
名古屋地方は、
いよいよ春本番です。


■場所 / 名古屋市中区丸の内「名古屋市市政資料館」 ■日時 2008.3.25 16:22:50 ■カメラ / NIKON D80 ■レンズ / SIGMA DC 18-50mm EX MACRO HSM ■データ / F5.6 1/320秒 ISO100 焦点距離50mm 露出補正±0 / シャッタースピード優先AE 中央重点平均測光


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都心の満開。

2008-03-24 | つれずれ
名古屋地方でも「ソメイヨシノ」の開花が昨日、宣言されましたが、
私が毎朝立ち寄る名古屋市北区「名城公園」ではまだ



一枝に数輪がほころび始めた程度。
見頃はたぶん、



今週末あたりになりそうです。


その「ソメイヨシノ」より一足先に
いまが盛りと咲き誇っているのが



「枝垂桜」です。

薄桃色の花の房が、
とても美しいですよね。



会社近くの大きな交差点の歩道にあるこの「枝垂桜」が咲くのを
毎年楽しみにしています。

今年もこんなに見事に咲いてくれました。


ただ――。


2年前の同じ頃のこの「枝垂桜」は



こうでした。


それが、
今年は



こんな感じです。

様子が、かなり変わってしまったでしょ?


てんぺんと、
長く垂れ下がっていた枝を、
短く切られてしまいました。

「枝垂桜」なのに、
ほとんど枝垂れていません。
せっかくの風情が台無しじゃありませんか。


半年以上前の去年のある日、
この木が突然切られているのに気付き、市の担当部署に電話しました。
「なぜ切ってしまったんですか?」と。

すると、

てっぺんを切ったのは「強風で折れると危険だから」、
垂れた枝を切ったのは「伸びすぎると通行の邪魔になるから」だと、
電話の向こうでそっけなく答えた担当者の声の響きを、
私はいまでも覚えています。

どうやら街路樹の剪定は条例で基準が定められているようですが、
だからと言って、問答無用、杓子定規に切ってしまうというのは、
どうなんでしょう。


おかげで、
昔は、この木の下を通り掛ったかなり多くの人が
足を止め、携帯で写真に撮っている姿を見かけましたが、
今日、私がカメラを向けていた十数分の間に立ち止まった人は、一人もいませんでした。

せっかくこんなにきれいに咲いているのですから、
偶然通り掛ることがあったなら、
ちょっと見上げてあげてくださいね。

なにしろ、
花の命は
短いのですから。




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お一つ、いかが?

2008-03-23 | つれずれ
昨日ぶらりと訪ねた岐阜県郡上八幡市は、



町の中を清流「吉田川」が流れ、


かつての「郡上八幡城」の城下町の面影を今に残す



歴史ある町ですが、

そんな静かな山間(やまあい)の町にしてはちょっと珍しい物も、
楽しむことができます。


たとえば、



見るからに新鮮な魚介類。


もちろん野菜類も、



獲れたてそのままです。


田舎風の



みたらし団子も、実にうまそうですよねえ。


いえ、
和風ばかりではありません。



あわてて食べると舌をやけどしそうな熱々のピザも、
私は好きです。


同じイタリア系なら、



スパゲティもありますよ。


そのうえ、



フルーツとスイートのデザート付きです。

お一つ、いかがですか?
私は、せっかくですが遠慮しておきますけど。

なぜ?

だって、
みんな、食べられませんから。

というのも、



ぜーんぶ「食品サンプル」、いわゆる「食玩」なんですから。



郡上八幡は、飲食店の店頭メニューでよく見かける「食品サンプル」の「発祥の地」であると、
観光協会が作ったパンフレットなどには書かれています。

でも、
ネットで調べてみると、
「発祥の地」と言い切ってしまうのは、ちょっと苦しいところがあるかも知れませんね。

大阪の薬会社に就職後、独立した岩崎瀧三さんという方が、
学校の教材に使われていた野菜などのロウ作りの食品模型を見て
これを飲食店などの店頭メニューに使うことを思い付き、
昭和7年に事業化するとともに、
その製造工場を、生まれ故郷である郡上八幡に造った――というのが経緯のようです。


とはいえ、
その後、下請け関連工場や、同業他社も何社か出来たことによって、
ここ郡上八幡市はいまや、「食品サンプル」生産では全国シェアの50%前後を占める有力な「地場産業」になっていることは間違いなさそうです。


さらに最近では店頭メニュー用だけでなく、
いわゆる「食玩ブーム」を背景に、



携帯ストラップやマグネットなども作られ、「面白グッズ」として人気を得ているようです。


誰かの机の上にそっと置いておけば、
そうと知らずに口に運んでしまいそうなカステラやロールケーキ、
お一つ、いかがですか?

私?
もちろん、
買わせて、いただきましたよ。



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潜在意識?

2008-03-22 | つれずれ
山間(やまあい)の町・岐阜県郡上八幡市へ、
ぶらりと行って来ました。


町の中を



清流「吉田川」が流れ、


山の頂から



城が見下ろし、


あちこちにまだ



城下町の面影を残す家並みが見られ、


7月半ばから9月初めには連続32夜も踊られる



盆の「郡上踊り」で賑わうこの町で、

例によって何枚もの写真を撮ってきました。


その中から、
今日も呆れるほどの「自己満足アルバム」をアップしよう――と、行く前には思っていたのですが、

やめました。


というのは、
町の四辻に建つ、
この1軒の家を見たからです。





何かのお店なのか、
それとも、
看板が見当たらないところをみるともう商売をやめたのかは、分かりません。

少し古いけれど、
ありふれた建物と言えば、そうです。

でも、
その2階の窓に「×」印、あるいは「米」印にテープが貼られているのが目に止まってしまったんです。


戦争当時を描いた日本映画でよく見かける光景です。

空襲で近くに爆弾が落ちたとき、
爆風で割れた窓ガラスが飛び散ってもケガをしないようにと、
家々のガラスというガラスには、こんなふうに紙が貼られました。

そんな時代を、私はリアルタイムで体験したわけではありません。
ただ、敗戦後の、
いま思えばですがとても貧しかった時代を知っているのはたしかです。


そんな当時の、辛さと言うほどではないにしても、侘しさ、切なさが、
こうして窓ガラスに貼られた「×」印を見たとき、
眠っていた潜在意識が目を覚ましたかのように、
私の気持ちを重くするのです。


佇(たたず)まいから察するに、この家の窓の「×」が当時のまま残っているものとは思えませんが、
もし階下のガラス戸の向こうに家人らしき人影を見かけていたら、
たぶん声を掛けていたと思います。
「なぜ窓に“×”印を?」と、理由を尋ねるために。


さすがに今回は、
自らガラス戸を開けるまでの勇気も図々しさもなかった私ですが、

でも、やはりその理由(わけ)が知りたくて、
おそらく機会を見ていつか、
再びこの家の前に立つことになりそうです。




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