地元の尾張(名古屋)弁で言えば「どえりゃあ目に遇ってまったがね」。
通訳すると「とても大変な目に遇ってしまったじゃないですか」ということになりましょうか。
なぜなら、
すでに閉鎖中の拙ブログに過日、関西在住のleyさんからこんなコメントをいただいたからです。
「10月25日の日曜日。一宮モーニング博覧会に、やっぱカフェ通のuwanosora443さんは、行かれるんですか??」
そして
「写真付きレポートよろしく」とも。
「モーニング博覧会」?――ここで言う「モーニング」とは、喫茶店が午前中の早い時間帯に行う「モーニングサービス」のことです。
愛知県一宮市は人口に比べて喫茶店の数がきわめて多く、
また、喫茶店が始めた「モーニング・サービス」の「発祥の地」で、
さらに、各店が出す「モーニング・サービス」がとても豪勢であることで知られています。
ではなぜ一宮市には喫茶店が多く、
また、話題になるほど「モーニング・サービス」のメニューが豪勢なのか――
――それには、歴史的な背景が、ちゃんとあるのです。
それは、
愛知県一宮市とその周辺は、かつて日本最大の毛織物の産地だったことです。
親機あるいはその下請けの子機と呼ばれる毛織物工場が軒を連ねる町でした。
ガッチャン、ガッチャン、ガッチャン――と毛織物を織る織機の音が、町の至る所から聞こえていました。
そんな毛織物工場では
取引先の誰かが訪ねてきて商談しようとした時、工場内の事務所では騒音がうるさすぎ、ゆっくり話ができません。
そこで、
取引先が来ると、
お茶の接待をかねて近所の喫茶店まで出かけ、話をしたのです。
そこで市内のあちこちに喫茶店が増え、
増えた喫茶店が各々の固定客を確保するために始めた「モーニング・サービス」のメニューが
ライバル店との競争から少しずつ豪勢になり、だんだんエスカレートして行った
――そんな「モーニング」が、肝心の地場産業である毛織物産業が衰退してしまった現在も、まだ根付いたまま残っている、ということです。
一宮市の喫茶店業界が、その「モーニング」の豪華さを話題にしたイベントを3年前から始めていたことを、ほぼ隣市に住む私は、まったく知りませんでした。
それがなぜか関西の情報誌には載っていたらしく、
話題をわざわざ知らせていただいたわけですから、
たとえブログ閉鎖中とはいえ、無視はできません。
というので昨日の日曜日、
車を走らせてみたのです、
「第3回 一宮モーニング博覧会」に。
ところが、
軽い気持ちで出掛けたのが大誤算でした。
なぜなら――
「10時から」と聞いていたちょうどその時刻に会場付近に着いてみると、すでに長蛇の列。
「ホント、ずいぶん並んでますねえ」ですって?
いえいえ、上の写真は並び始めてから30分後経過後、
家並みの角を曲がってやっと半分を過ぎ、会場が見えてきてから写したんですから。
結局、会場に辿り着いたのはさらに30分後。
その会場も大盛況・大混雑で、
取材のテレビクルーを何組も見かけました。
今年の「博覧会」では、
エントリーした14店の「モーニング」を特設会場で出張販売し、
食べ終わったお客の人気投票で「モー1グランプリ」を決める、という趣向。
というので、
私も、会場で配られていたエントリー店のメニューの中から
こちらを選び、食べてみました。
この「モーニング・セット」で400円。
この会場の雰囲気ではともかくとしても、
実際にお店でこの値段、このモーニングなら、ちょっと嬉しいではありませんか。
というので、
機会があったら、
ぜひ「一宮モーニング」を試してみてくださいね――
――というレポートをお届けして、
「臨時開店」した当ブログを
再び、閉じることにしますね。
----------------------------------------------------------------------------