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【本】三四郎

夏目漱石 1908年著 これは、一言で言えば、九州から上京した学生・小川三四郎が、「新しい女」を地で行く才気煥発な里見美禰子(ミネコ)に一目ぼれして、さんざん振り回されて・・・、という話だが それがわかったのは、十年いや何十年かあとで、それまではずっと解らずに読んでいた。それでも、「三四郎」は私の大好きな小説のひとつだった。 . . . 本文を読む
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【本】吾輩は猫である

 夏目漱石 1905年著 題名を知らない人はいないが、実際に読んだ人は少なく、読み通した人はもっと少ない、そんな小説だと思う。どうも、好悪が極端に分れるみたいで、口を極めてこき下ろす人もいるし、絶賛し中毒症状を呈する人もいる。茂木健一郎氏は、いつどこでも発作的に読みたくなって、買ったのが十冊になってしまったそうだが、私は全二冊、それも数年前に買った岩波文庫588円と、今年の正月に手に入った伯父の . . . 本文を読む
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【本】今日の芸術

著者 岡本太郎 発行者 光文社 1999年(初出1954年) 芸術には無縁な私だが、岡本太郎という人には、いつも惹きつけられた。 彼の芸術作品に、というわけではなく、彼という人間自体に・・・ TVで語ることばに熱があり、衝撃的で忘れられない。 「今日の芸術はうまくあってはならない、キレイであってはならない、心地よくあってはならない。」 さらに「芸術はいやったらしい」はこの本で初めて知った。ナ . . . 本文を読む
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【本】鶴は病みき

芥川龍之介 晩年の像   岡本かの子の1936年のデヴュー作。かつて、鎌倉でたまたま同宿した芥川龍之介への20日間の見聞を元に、自殺した彼を悼んで書かれた作品。 かの子については長年、岡本太郎の母であることしか知らず、異様に白粉が濃く肥った女性という印象だった。が、初めて読んで、文章力に驚き、関連書を次々と読んで分ったのは、夫・一平や息子・太郎との関係が常識をはるかに超えていて、 一平・かの子 . . . 本文を読む
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【本】黒薔薇(くろしょうび)

著者 吉屋信子 初出 1925年 発行者/年 河出書房新社/2006年  吉屋信子の月刊個人雑誌というより冊子で、わずか8ヶ月、8号で終ったが、当時1万5千の予約購読者がいたとか。 この本は偶然、松江市立図書館で見つけた。茨の絡みつく十字架の前に膝まづく少女(松本かつぢ・表紙絵)が国籍不明の背景に描かれなんとも不思議。十字架の上に誰もいない。これは、キリストは頼むに足りず、自分自身が、茨と十字 . . . 本文を読む
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【本】花いちもんめ。

著者 松田寛夫 発行 1985年 講談社 松江城や宍道湖など親しみある地名が出てくるということで手に取った。 出版後たちまち再版、三版を重ね、同じ年に千秋実、十朱幸代主演で映画化もされた。 アルツハイマーと診断された松江在住のもと大学教授(72才)が主人公。 まず診断がつくまでが長い。物忘れがひどいので、妻の勧めでしぶしぶ旧知の医者にいくのだが「年をとれば誰だってそげですが。私だってしょっちゅ . . . 本文を読む
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【本】旧友芥川龍之介

著者 恒藤恭(つねとう・きょう)1984年日本図書センター 初出1949年朝日新聞社恒藤恭 1888(明21)-1967(昭42)芥川龍之介1892(明25)-1927(昭2)「新潮日本文学アルバム」の一枚の写真。高校の制服と制帽でいかにも知的な顔つきの芥川龍之介、その傍らに立つ、温厚篤実な風貌の恒藤恭なる人物は何物かと、40年ほど前に見た時から気になった。二人が親友というにはどこか不釣合いに見え . . . 本文を読む
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【本】女学校と女学生

著者 稲垣恭子 発行2007年 中公新書 著者は1956年生まれ、戦前の女学生の日記・手紙などの資料から、女学生の姿を捉えようとしている。アンケートでは女学生は国語が好きで裁縫が嫌いという傾向があったそうな。意外に良妻賢母型でないので、嬉しくなってしまう。 私自身はずっと共学だったが、周りには母・姉・友人などの経験者がいるので、「女子校」は全く未知の世界とはいえない。(戦前の女学校を戦後の女子 . . . 本文を読む
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【本】天璋院篤姫

著者 宮尾登美子 発行 1990年 講談社文庫 (上下巻)各700円 普段は見ないNHK大河ドラマだが、今回の「篤姫」は楽しみに見ている。※ ヒロインは薩摩・島津家の出で、徳川13代将軍家定に嫁し皇女和宮の姑にあたる。 ここで不思議なことは、私は幼稚園から高校まで鹿児島だったが、家でも学校でも、彼女の名前を聞いたことがない。郷土の先達が尊ばれる町にしては妙なことだ。ただ、姫の乗っていた豪奢なカゴ . . . 本文を読む
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【本】植田正治「僕のアルバム」

モデルは初々しい新妻 2007年12月10日 求龍堂刊 植田正治(うえだ・しょうじ)1913-2000 写真家 鳥取県境港出身。 東京のオリエンタル写真学校(3ヶ月)卒業後 19歳から郷里の写真館を経営しつつ 写真雑誌の月例の常連入選者として活躍。 砂丘での演出写真は「UEDA CHO(植田調)と呼ばれ、世界的に高い評価を得る。 この人のことはかなり前まだ東京にいる頃に知ったのだが、最近、 . . . 本文を読む
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【本】ニュースキャスター

副題 エド・マローが報道した現代史 著者 田草川(たさがわ)弘  中公新書 1991年 Edward R. Murrow(1908~1965) 先日、たまたま、エド・マローとマッカーシーを特集したCBSの番組「sixty minites」(2005)を見た。 本人の姿と声に触れて思うのは、映画「グッドナイト&グッドラック」のデヴィッド・ストラザーンのような秀麗な2枚目というより、ニクソンが面ヤ . . . 本文を読む
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【本】自轉車日記

漱石全集第15巻(初期短編と詩歌)にある。が、残念な事に、ブログを書いている最中、本の背表紙に亀裂が入ってしまった。ひびが広がりそうであまり開けないので、想いつくままに。 漱石が30代前半1900~1902年、熊本第五高等学校の英語教授のまま、文部省令で英国に留学した。カルチュア・ショックにおそわれる中、責任感が強く真面目な性格なので、成果を挙げねばと留学費用のほとんどを書物に注ぎ込み、生活を切 . . . 本文を読む
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虞美人草(ぐびじんそう)

漱石全集(第4巻) 他人はどういうか、この小説が大好きである。 主役「甲野欽吾」が素敵な27歳なので、10代の頃は憧れて「哲学者」になりたいと思ったこともある。妹・藤尾も大層魅力的に見えた。「悪い人なのよ」と母が呆れて笑っていた。 漱石がプロの作家になる、新聞連載の第1号なので、今見てもおかしいほど、気合が入っている。きらびやかな言葉遣い、勧善懲悪の筋立てとで、文学的価値は疑問視されており、 . . . 本文を読む
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【本】ふうらい坊留学記

著者 ミッキー・安川(安川実) 発行所 サンケイ出版 1980年(初出 1961?光文社) この人は後に俳優、タレントとして活躍しますが、1952年18歳のとき渡米し、4年間の滞在中、現地の小学校から始め、ついに大学院まで行っています。地を這うような苦労を根性と度胸で乗り切って生きぬいた人。これは痛快というか無謀というか破天荒な留学記です。 新聞広告の「ジェームズ・ディーンと遊んだ」の一行に、 . . . 本文を読む
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【本】黙想ノート

著者 正田昭(しょうだ・あきら) 発行所と年 みすず書房 1967年 私が正田昭を知ったのは、20代半ば、たまたま手にした「あけぼの」という宗教団体の定期刊行物からで、不思議なトーンの文に即座に心引かれました。 かれは、1953年7月、24歳の時、新橋のバー・メッカで知人の証券ブローカーを殺して金品を奪い、死刑判決を受けていました。 私は図書館で10数年前のメッカ事件の記事を出来るだけ沢山探 . . . 本文を読む
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