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廣津和郎全集 第1巻

発行所 中央公論社 発行年1988年娘・桃子の「父・広津和郎」に触発され、この一冊を手に取った。桃子がある日「お父さんは、優秀で魅力的かもしれないけれど、親としてどうなんだろう」と言い、和郎をひどく落ち込ませたという。父親の凸凹で複雑な人生を総括したような、子供ならではの鋭い評言。自分と兄が生まれる前後の事情を、「師崎行」「やもり」「波の上」から読んだのだろう。 片親で育ててくれた母への父の嫌悪感 . . . 本文を読む
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「泉へのみち」

著者 廣津和郎 出版社 新日本出版社 初出 1953年8月15日~1954年3月26日朝日新聞朝刊主人公は京子23歳、女子大を卒業して雑誌記者として働き始めている。彼女の周辺には、学者の高倉、同僚の金沢、かつて母と自分を捨てた父の笹川などの男性が登場する。そしてついに愛を発見する。冒頭で彼女は取材のため鎌倉を訪れる。かつて18年幸せに住んでいたのは鎌倉の鉄(くろがね)の井戸の近く。(題名の「泉」が . . . 本文を読む
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