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【本】フロイト〈シナリオ>

1987年 人文書院 著者 J.P.サルトル 訳者 西永良成 サルトルが1958年にジョン・ヒューストンに頼まれ映画脚本として執筆した、フロイトの若き日の伝記。初稿は上映すると7時間以上にもなるので、推敲したらもっと長くなったとか。ヒューストンとの意見の違いも甚だしく、とうとうサルトルは、放り出してしまい、ほかの人が仕上げて、映画化された。題名は「フロイド、隠された欲望」1962でモンゴメリー・ . . . 本文を読む
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【本】失敗の愛国心

2008年 理論社(よりみちパン!セ) 著者 鈴木邦男 この何年かで読んだ本の中ではずば抜けて面白い。著者は「変り種の右翼」でこの頃時々TVに出ているらしいが、おぼえが無い。それほど、目立たない風貌なのだ。このシリーズは小中学生向けらしく、図書館のジュニアコーナーで発見した。河合塾の講師という著者の教育的情熱も感じる。数冊読んだ、かれの他の著書よりずっと熱がこもっていて、面白い。編集者の意図も加 . . . 本文を読む
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【本】小説永井荷風伝

著者 佐藤春夫 岩波文庫 2009年6月(初出1960年) 永井荷風(1879-1959) 佐藤春夫(1892-1964) このふたりは、作家と読者、師弟でもあったが何よりも詩人と詩人であった。 荷風の亡くなったことをラジオで聞いた4月30日、春夫の庭のマロニエは花盛りだった。彼は人に頼んでその高い梢の花を一枝折り、 「まろにえ 巴里の青嵐に黒き髪なびきけん  師が在りし日を われらしのび . . . 本文を読む
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【本】佛にひかれて

著者 丹羽文雄 中公文庫 1974年 (初出 1971年) 丹羽文雄(1904~2005)の作品を読むのは初めてだ。 67歳の時書いたこの自伝は、文庫本で150頁の薄いものだが、 父、母、祖母、姉など、家族の秘密をあらいざらいぶちまけている。 4歳で家を出た母は旅役者と恋仲になって以後、波乱万丈の人生を送る。 ずっと母を恨んでいた作者が、家出のそもそもの原因は母の実母と父の不倫にあったと、ずっ . . . 本文を読む
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花田清輝

花田清輝(1909-1974) 今年は花田清輝の生誕100年に当たる。私にとっては、40年前の友だちを思い出させる懐かしい名前であるが、読んだことはない。そこで立て続けに関係書を読んでみた。その挙句、何か書きたくなった。出来上がったのは、単に「花田清輝を読んだよ!」と叫んでいるだけの文であるが、ともかくアップする。 かれは21歳の時『七』でサンデー毎日の大衆文芸賞を受けて以来、文学・芸術活動に . . . 本文を読む
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【本】脂肪の塊(かたまり)

これまで縁遠かったモーパッサン(1850~1893)。 子供のとき「子犬のピエロ」「ジュール伯父さん」を読んだことがあるが、読後感は救いようもなく暗かった。その上、かれには先天性梅毒があり、自殺して精神病院に入院後1年して死んだ。肖像画にもどことなく狂気が感じられる。 こんど島根大学公開講座「フランス文化入門」を聴いた機会に、大学図書館で借りた。 「脂肪の塊」と「モーパッサン短編集」(岩波文庫 . . . 本文を読む
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【本】ゼロの焦点

作者・松本清張は、これを自分の代表作であり、自信作だといっている。 有名な割に、ちゃんと読んだのはこれがはじめて。 キーワードは、戦後の一時期、米国の占領軍との間にいた夜の女性達、 いわゆる「パンパン」で、あれほどいた彼女等が、その後10年あまりして、 どこへ消えたかを疑問に思った作者が、想像をめぐらし、きっとこうもあろうかと描いたという。この言葉は、私の小学3~4年生のころ、まだ生きていた。男 . . . 本文を読む
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【本】ひとりでも生きられる

著者はこの本を出して一年せぬうちに得度して瀬戸内寂聴となったが、当時はまだ瀬戸内晴美だった。青春出版社1973年の版であるが、わずか3ヶ月で74版というから、人気沸騰のベストセラーだったわけだ。今見るとずい分古ぼけて、表紙が擦り切れている。しかし、図書館の薄暗がりの中で、なつかしい文字が私をひきつけた。実際のところ、人は誰もひとりでは生きられないが、このタイトルがまるで福音のように力強くひびくのは . . . 本文を読む
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主婦あるいは主夫

「男子高生のための文章図鑑」筑摩書房1993年刊を読んだ。 「女子高生のための文章図鑑」と同じ棚に見つけたのだ。 中で目についたのが、村上春樹「グッドハウスキーピング」。 かれは若い頃、半年だけ、主夫業をしていたことがあるそうだ。 作った料理を並べる時、うまく出来なかったのや型崩れしたのを、 自分で取っていた。「魚なら、頭を相手の皿に乗せ、自分はしっぽの方をとる。これはべつに主夫として自分を卑下 . . . 本文を読む
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「明暗」と昭和初期の雑誌

きのう図書館から借りた筑摩書房の「女子高生のための文章図鑑」には 夏目漱石の「明暗」の抜粋があった。「明暗」は読んだことがないし、 この機会だからと、全集のその巻を引っ張り出してみた。 亡き伯父に貰い受けた漱石全集の第10巻「明暗」は、今回初めて開いたのだ。 と、はさんであった4枚の新聞記事が目に付いた。 昭和10年12月2日から5日の東京朝日新聞で、小宮豊隆の「漱石の恋愛」という連載記事が慌 . . . 本文を読む
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ビアンカ・ランブラン

プロフィールの続きはいつ完成するの?好奇心に溢れるビアンカさんってどんな方?というコメントを去年の8月末に頂きました。その日は「ランブリン」(これは私の読み違い)様への好奇心をそそられつつも、軽く受け流してしまいました。数日後、気づいたのは、Lamblinはランブラン。私のハンドルネームと結びつけるとなんと、「ビアンカ・ランブラン」となるじゃありませんか。著書が  『ボーヴォワールとサルトルに狂わ . . . 本文を読む
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私のおかあさん

1953年 講談社 「森永母を讃える会」が主催する全国小学校児童の作文図画コンクール 入選作の図画48点、作文63点を収録。 表紙は取れて紙は変色しているのをすこし前、実家で見つけた。 いま読み返せば、どれもこれも珠玉といえそうな内容だが、とりわけ ずっと脳裏に残っている文章がある。 この男の子は、PTAで着飾って下らないおしゃべりに興じるよその母親達の姿に嫌悪感を覚え、家に走って帰ると、 . . . 本文を読む
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【本】草の花

著者 幸田文 福永武彦 . . . 本文を読む
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【本】ちいさいおうち

原題 The Little House 1943 文と絵 Virginia Lee Burton 訳 石井桃子 岩波書店 定価 640円+税 2007年刊 初出 1954年 「むかしむかし、ずっといなかの しずかなところに ちいさいおうちが ありました」で始まるこの絵本は、動かない家が主人公なのです。まわりの自然、昼と夜、四季の移り変わりを6枚の絵で丁寧にたどった部分が素敵です。文明の発展と共に . . . 本文を読む
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【本】タオ・チーの夏休み日記

著者 シエ・ピンシン(謝冰心)岩波少年文庫 原題「陶奇的暑期日記」 1992年(初出 1957年)  市立図書館の児童コーナーで懐かしい本を見つけた。 主人公は北京に住むタオ・チーと言う5年生の女の子。姉・母・祖父母と同居している。お母さんは病院の勤務医、お父さんは作家で、お姉さんは中学生、 おじいさんは古典の教養があり、おばあさんは纏足(てんそく)のため歩行が困難。級友には親が金持ちの工場主 . . . 本文を読む
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