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映画「幸福なラザロ」

2018 伊 DVD鑑賞 監督アリーチェ・ロルバケル借りて来たDVDが面白く、久しぶりにアップする意欲がわいた。このラザロとはキリストのおかげで墓場から生還した聖書の人物だ。題名がうっとおしくて初めは敬遠していた。というのも、ラザロの聖書中の地位が、あまりぱっとしない。何しろ生きている間何を言ったりしたりしたのか何も書いてない。最初から死んで墓の中にいるのだ。キリストの超能力を証明すためにのみ登場 . . . 本文を読む
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「クリスマスの休暇」

サマセット・モーム著 中村能三訳 三笠書房1951年刊(原著1939年)ある英国の若者が、クリスマスの休暇にパリを訪れ、そこで出会った人々や事件を描いたもの。彼の英国的な良識や常識とは相いれない情熱的な恋愛とか犯罪を目撃したかれは、また英国の両親の待つ温かい家庭に帰っていく。ゲイとして、作者が、保守的な価値観を持つ家族や同国民に反発する気持は常にあり、生涯のほとんどをフランスなど外国で過ごした。そ . . . 本文を読む
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「女給」

広津和郎著 広津和郎全集第5巻 中央公論社(初出 1935年 婦人公論)この作品は、当時流行っていた「カフェ」に出入りする客とそこで働く女性のさまざまな生態を扱った小説だ。客の中には女給に入れあげ、ついには妻子を捨てて結婚を迫り、聞かれないと自殺を試みる男性がいる。世間の同情は男に集まり、女を凄腕の冷酷な女とみなし、遂には警察が検束するにいたる。作者は、女性に味方して、彼女は教養も学歴もあり、向上 . . . 本文を読む
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広津柳浪・和郎・桃子展 

副題:広津家三代の文学  柳浪(1861~1928)和郎(1891~1968)桃子(1918~1988)   1998年4月神奈川文学館で開催  編者 阿川弘之 中島国彦 橋本廸夫 松原新一   和郎の残存する唯一人の子、桃子が独身で子もなく、難病で急死したのは、70歳ではあったが遺言を残す暇もなかったので、彼女の手元にあった三代の貴重な文学的遺産もそのまま国庫に納 . . . 本文を読む
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広津和郎、娘桃子との交流記

亀山恒子著 2012年 図書新聞刊 著者(1918~2010)は今回初めて知った作家だが、彼女の師事した広津和郎のことばに気に入った箇所がたくさんあったのでメモしておく。★同時代作家評 問 「小林秀雄さんの文章は名文でしょうか」 答 「いや、名文とは思いませんな。あの人の文章を読むと、どうも、肩が張るようでいけない。人間はもっとバカなところがあっていい」「あの人は決して強い人ではないでしょう。自分 . . . 本文を読む
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