goo

【映画】夫婦善哉

1955年 監督:豊田四郎 原作:織田作之助   出演:森繁久弥 淡島千景 山茶花究  DVDで鑑賞     めおと・ぜんざい。大阪の法善寺横丁にあるぜんざい屋では、1人前を2杯に分けてそれを夫婦に見立てているのだそうだ。いつか入ってみたいのだが・・・ 大店の若旦那で、世間に対しては押しが弱くて生活力はなく、女とうまい物が好きな、男性としては全く頼りにならない柳吉と、甲斐甲斐しく彼に尽くしとお . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

吉原スズメ

この表現を知っている日本人は、今はもう、少なくなっているだろう。 正確かどうか知らないが、遊郭「吉原」の大通りを、登楼せず、冷やかして回る連中のことをさしていたのでは無いかと思う。 それにしても、この場合、他の鳥や獣ではなく、なぜスズメなのかが引っ掛かっていた。ところが最近、自然豊かな町、松江に来て、はたと気づくことがあった。 水辺に生えるアシ、あれを別名ヨシともいう、つまりヨシとアシが同じも . . . 本文を読む
コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )

ユースホステル

31歳でYHつまりユースホステルを初めて体験し、それからしばらくは夢中になった。日記を見ると、最初の1ヵ月足らずの間に6回もYHの旅をしている。 大阪(長居)鹿児島(えびの)宮崎(日南)山口(山口)福井(永平寺)東京(御嶽と市ヶ谷)東北(毛越寺・福島) と、東奔西走もいいところだ。住居は東京にあったが、当時の私は仕事もなく、学校にも行かず、未婚で、糸の切れた凧のように空中に浮んでいたから出来た . . . 本文を読む
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

3つの注意

朝酌川添いの土手を散歩していると、国道431号線にぶつかる。 松江では道路は車のためにあり、歩行者の便宜は2の次なので、横断歩道は数も少ないし、トンでもない場所にある。この地点でも、100m程離れた信号を渡るのはよほどの物好きか事情を知らない者の仕業で、車の途切れるのを見計らって横断するのが、一般的だ。松江に来て1年10ヶ月、そうやって一度も危険を感じること無くこの箇所を渡って来た。 ところが先 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

【本】脂肪の塊(かたまり)

これまで縁遠かったモーパッサン(1850~1893)。 子供のとき「子犬のピエロ」「ジュール伯父さん」を読んだことがあるが、読後感は救いようもなく暗かった。その上、かれには先天性梅毒があり、自殺して精神病院に入院後1年して死んだ。肖像画にもどことなく狂気が感じられる。 こんど島根大学公開講座「フランス文化入門」を聴いた機会に、大学図書館で借りた。 「脂肪の塊」と「モーパッサン短編集」(岩波文庫 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

アメリカに旅立つ姪

日曜の夜、義母や義弟の一家と会食した。松江の市立中学に通う姪が、夏休みに大叔母の住むアメリカに行くという。年の行った両親から生れたひとり子で、まわりの皆から甘やかされて育った娘だ。わずか13歳で外国? 私がその年齢で経験したのはせいぜい、東京だったけれど。夫に至っては、23歳まで東京も見ていないし。 その姪に、はなむけと称して、1万円やると、伯父つまり私の夫が主張する。進級祝も含めて3万円渡すと . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

【本】ゼロの焦点

作者・松本清張は、これを自分の代表作であり、自信作だといっている。 有名な割に、ちゃんと読んだのはこれがはじめて。 キーワードは、戦後の一時期、米国の占領軍との間にいた夜の女性達、 いわゆる「パンパン」で、あれほどいた彼女等が、その後10年あまりして、 どこへ消えたかを疑問に思った作者が、想像をめぐらし、きっとこうもあろうかと描いたという。この言葉は、私の小学3~4年生のころ、まだ生きていた。男 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「難易度が高い」とは?

フィギュアスケートなどでよく耳にするこの表現はどういう意味か? 1.難度が高い=難しい はすぐわかる。次に 2.易度が高いという用法は聞いたことがないが、しいて「易しい」とする。 「難易度が高い」とは、「難しく同時に易しい」ということか? そんなことは普通ありえない。 あっさりと「難しい」でいいところを、賢そうに言うから間違える。 ここで思い出すのは、もう十何年前になるだろう、樋口可南子が婚 . . . 本文を読む
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

【映画】蟹工船

1953年 監督・脚本 山村聡 出演 山村聡 森雅之 河野秋武 110分松江スティックビルにて鑑賞初めに最近驚いた発見を記しておこう。年齢も近いし、顔つきもどことなく似ているしで、私は時々区別がつかなくなる二人の俳優だが、佐分利信と山村聡が、1950年代、40代半ばで、共に映画監督をやっていたのだ。おっとりした中流の知識人といった趣の山村聡が「蟹工船」を、佐分利は二二六事件を扱った「叛乱」を映画化 . . . 本文を読む
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

【映画】赤い風船、白い馬

白い馬  1953年 40分 赤い風船 1956年 36分 仏国製、監督はアルベール・ラモリス、息子パスカルが出演している。 島根県民会館で、28年ぶりに大きなスクリーンで見た。 戦後間もなく、生活は貧しく海外渡航も夢物語、まだTVもビデオも無い頃の映画、画面は小さく「白い馬」は白黒だが、欧米特にフランスへの憧れが日本人の胸を満たしていた頃、この映画がどれほど愛されたか、あの遠い昔の心臓のとき . . . 本文を読む
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

アガパンサス

いまの時期になると決ってこの花が登場するブログがある。初めは名前のユニークな珍しい花だとのみ思っていたが、しだいに自分の周りでも見るようになって、見つけると今年もそろそろだと思い、写真にとったりしているうちに、自分でも載せたくなった。もう一つは、石見の旅で故障し、ついに終焉を迎えた私のデジカメの晩年の作ということで、下手な腕前を披露することをお許し頂きたい。撮ったのは朝酌川沿い。繁殖力が強い花らし . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

故郷の空気

異郷で同郷人に出会うのは、うれしい時もうっとおしい時もある。 先日、外出しようとしたら、若い男女に「こんにちわ」と声を掛けられた。彼らは二人で自転車を磨いていた。自転車と若いカップルとあいさつ。この取り合わせは珍しい。異郷の香がぷんぷんする。ここは半分は転勤族だ。 「最近越してこられましたか」と聞く。「はあ、半年前。お宅は」 「もうすぐ2年です。松江の人は余り自転車に乗りませんでしょう」「ええ . . . 本文を読む
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

珍しい名前

このあたりでは聞きなれない名詞によく出会う。 例の「カンド」さんは「神門」さんだと分った。よく見ると看板にあった。 その近くに 売豆紀(メツキ)神社もある。 似た音で「目次」と言う姓もあり、「メツギ」と発音する。 山陰線の江津と浜田の間の駅で「敬川」は「ウヤガワ」、「波子」が「ハシ」、「下府」は「シモコウ」だ。 漢字読み書きテストで難解地名に出題されたら、今ならもっと点が取れそうだ。 物持 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

石見への旅

数ヶ月来の規則的な日々にうんざりして、衝動的にひとり旅に出た。準備に2日しかなくて、JRの切符を買うやら、ホテルを予約するやら慌しいこと。目的地は島根県の西方、益田と津和野。益田は昨春、石見美術館の「モダンガールズあらわる」のポスターを見てから、素敵な近代的な町のように想像し、いつかはと思っていた。 着いてすぐ、暑い盛りに日傘をさしてグラントワ(県立石見美術館)へ。今は6月の中尾彰展と7月の黒田 . . . 本文を読む
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )

「切り回し」と「切り盛り」

もう長年、気になっていることがある。 それは「切り盛り」という表現が世の中に溢れていることだ。 「夫婦で店を切り盛りする」「美人女将が切り盛りする旅館」はよく聞く。 「切り盛り」は「新明快国語辞典」によると ①決まった分量の食べ物を人数に応じて程よく盛り付けること。 ②収入の範囲内でうまく処理すること。「家計の切り盛り」などと使うが 企業の経営には、相応しくない。ここは本来「切り回し」ではないの . . . 本文を読む
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )