Sideway

気のおもむくまま。たこやきの日記的雑記。

ネタ的共生生物学。

2005-11-12 | ネタとしての生物学
お久しぶりな「ネタ生物」。今回も適当にかっ飛ばします。
詳しく、正確なところが知りたい方、他で出す予定がある方は恥をかかないために、自分でちゃんと調べましょう。

共生。特に細胞内共生を扱った授業を受けている。
細胞内共生といって、一番ポピュラーなのはミトコンドリアと葉緑体ですね。
パラサイト・イヴを思い出した方も多いかも。
ですが、これ以外にも実はたくさん、生物の細胞の中に別の生物が共生している事例はあるみたいです。

授業を受けている先生が研究しておられる、ミドリゾウリムシ。まんま緑のゾウリムシらしいですが、もともとゾウリムシは葉緑体なんて持ってないから、緑ではない。その体内にクロレラが住み着いて、緑になるらしいです。
最近のニュースでいえば、ハテナとかも似た感じで。
そのうち緑色のマウスとか作って、光合成動物にするのが先生の夢だとか、違うとか……。
この辺も十分面白いですが、聞いてて「ネタになりそ~」と思ったのを一つ。

ヒメゾウリムシというゾウリムシの仲間ですが、これにあるバクテリアが共生すると、そのヒメゾウリムシは「殺し屋」になるんだそうです。
つまり、食べ物や住処を奪い合うライバルである、自分の仲間を殺す能力を持つらしい。これを持たないヒメゾウリムシは、殺し屋ヒメゾウリムシにやられて絶滅。彼らだけが生き残る。
これ、人間に当てはめたらホラーとかなんないかな~、と。
ある人々だけが特殊な能力を持って、その人たちが普通の人々を殺していく……とか、結構ベタですけど。でもそこに「共生」を入れてバイオチックにしちゃうと、面白いかな、とか。
理由なく選ばれるとか、幽霊が取り付くとかじゃなくて、感染するのですよ。バクテリアが。
どうでしょう?

あと、今昆虫に蔓延している、「感染するとメスになる」バクテリアとか。
母子感染(正確には垂直感染)するので、それまでオスだった奴が感染するとメスになる~、とかじゃないんですが、遺伝子はオスなのに、体は完全にメスで、ちゃんと卵も産める個体ができるそうです。
しかも、その偽メスからバクテリアを除くと、オスに戻るという……。
なんとも不思議な、無脊椎動物の「性」
高等脊椎動物になると、性別なんて変わらない絶対なもののような感じですが、生物全般だと結構そうでもないみたい。
このことは、また別の機会に。
あ、ちなみにメス化バクテリアの名前はボルバキア(Wolbachia)です。節足動物に感染。ただいま蔓延中で、その世界では大事だとか。

まあ、共生自体が、創作意欲をそそられる分野ではあります。
生物の中に生物が入り込んで、一つの生物になってしまう。
共生した生物同士を引き離すと、宿主も中のバクテリアも、それだけで生きていく事はできないそうです。
共生を始める前には、ちゃんとひとりで生きてられたのに。
一旦共生すると、別々では生きていけなくなってしまう。いつも先生が、実に楽しそうにこのことを紹介してくださいます。実際、興味深い。
細胞外の共生なら、人間の腸にだって山ほど大腸菌が住んでますけどね。

しかし、今日の内容で、アメーバ(アメーバプロテウス)とバクテリア(Xバクテリア 名前がまだついてないらしい・笑)の共生の事例が出てきたのですが、
どうもバクテリアがアメーバと共生すると、そのアメーバは体内で毒素を作るようになるらしい。で、バクテリアが抜けると、アメーバはその毒素で死ぬ……っぽい話だったんだけど、それ、宿主にナニかメリットが……?
質問し忘れました。謎。
もしメリットなしなら、すんごい凶悪な乗っ取り作戦というか、なんというか。
来週解説があることを期待しております。