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乱鳥の書きなぐり

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『ギリシア神話』3  カッサンドラーの悲鳴  クリュタイムネーストラー

2021年04月08日 | ギリシア神話

『ギリシア神話』3  カッサンドラーの悲鳴  クリュタイムネーストラー

 

 

『ギリシア神話』(高津春繁著 岩波新書)によると、アガメムノーンが自分の妃とその情夫であり、従兄弟であるアイギストスによって殺されたようとした、まさにその時、

「わたしのまわりで、あり余る富と権力のある男の館で、結婚や自弁の会食か招待の盛んな宴席で、される白い牙が豚のように、相次いで一人残らず殺された。・・・・・われらが酒や甕の上に盛られた食卓のまわりに、広間で横たわり、床はどこも血にまみれているさまを・・・・・中でも哀れであったのは、プリアモスの姫 カッサンドラーの悲鳴であった。・・・・・だが、あの売女目(クリュタイムネーストラー)は、あの世に行こうとしているわたしの目をつぶらせようとも、口を閉じてくれようともしなかった。」

 

 カッサンドラー

 カッサンドラー(ラテン語: Cassandra)もまた、神話上に人物。

 ギリシア神話に登場するイリオス(トロイア)の王女である。

 悲劇の予言者として知られる。

 

 カッサンドラーは、プリアモス王とヘカベーとの間に生まれた。

 長兄にイーリオスの英雄ヘクトール、兄に「パリスの審判」で知られイーリオスに戦乱(ひいては滅亡)をもたらしたパリスを持つ。

 同じく予言能力を持つヘレノスとは双子だという。

 アポローンに愛され、アポローンの恋人になる代わりに予言能力を授かった。

 しかし予言の力を授かった瞬間、アポローンの愛が冷めて自分を捨て去ってゆく未来が見えてしまったため、アポローンの愛を拒絶してしまう。

 

 憤慨したアポローンは、

「カッサンドラーの予言を誰も信じないように」

という呪いをかけてしまった。

 カッサンドラーは、パリスがヘレネーをさらってきたときも、トロイアの木馬をイリオス市民が市内に運び込もうとしたときも、これらが破滅につながることを予言して抗議したが、誰も信じなかった。

 イーリオス陥落の際、小アイアースにアテーナーの神殿において凌辱された。

 小アイアースは、これによってアテーナーの怒りを買い、ギリシアへの航海の途中で溺死させられた。

 カッサンドラーはアガメムノーンの戦利品となり、ミュケーナイにつれてゆかれた。

 そして、アガメムノーンと共に、アガメムノーンの妻クリュタイムネーストラーの手にかかり、命を落とした。

 

 

 クリュタイムネーストラー

 クリュタイムネーストラー(英語: Clytemnestra, Clytemestra)は、ギリシア神話の女性である。

 長母音を省略してクリュタイムネストラとも表記される。

 ミュケーナイ王アガメムノーンの后。

 父親はスパルタ王テュンダレオースで母親はレーダー、兄は英雄カストール、異父兄弟(父はゼウス)に英雄ポリュデウケースとスパルタ王妃ヘレネーという名家の出。

 

    娘にイーピゲネイアとエーレクトラー

    息子にオレステース

 姉妹のヘレネーがパリスに誘惑されトロイアへ逃げた間に、置き去りにされたヘレネーとメネラーオスの娘ヘルミオネーを養育した。

 本来の夫はアガメムノーンの従弟タンタロスで、死別後(実際には謀殺)アガメムノーンと再婚、トロイア戦争中にアガメムノーンの従弟で先夫タンタロスの実弟アイギストスを情夫とした。

 父アガメムノーンを彼女に殺された息子オレステースが彼女を殺害する。

 

 

 

『ギリシア神話』 高津春繁著  岩波新書 参考

 ウィキペディア参考

 

 

 

『ギリシア神話』1  オレステース

『ギリシア神話』2  アガメムノーン

『ギリシア神話』3  カッサンドラーの悲鳴  クリュタイムネーストラー

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『ギリシア神話』2  アガメムノーン

2021年04月08日 | ギリシア神話

 

『ギリシア神話』2  アガメムノーン

 

 

『アガメムノーン』(羅: Agamemnon)は、アイスキュロスによるギリシア悲劇の1つ。

「オレステイア」三部作の中の一篇。

 

『ギリシア神話』(高津春繁著 岩波新書)では、アガメムノーンはヘーラの手により助けられたが、突風がふき船が近づけない。アイギストスはアガメムノーンを助け招くが如く態度を示したが、良からぬ企みをしていた。アガメムノーンは、自分の妃とその情夫であり、従兄弟であるアイギストスによって殺された(要約)とある。

 

 文字通り、トロイア戦争におけるギリシア側の総大将であるミュケーナイのアガメムノーンを題材とした作品。

 彼の帰還から死の直前までを、殺害者である妻クリュタイムネーストラー等の言動を中心に描く。

 紀元前458年のアテナイにおけるディオニューソス祭にて、「オレステイア」三部作の他の二篇、およびサテュロス劇『プローテウス』と共に上演された。

 

 ミケーネ(ミュケーナイ、ミキネス)は、ギリシャ・ペロポネソス地方アルゴリダ県アルゴス=ミキネス(英語版)市の古代都市。

 ペロポネソス半島東部に位置し、ミキネスの2km西に位置する。

 1872年に、ハインリヒ・シュリーマンによって遺跡が発掘され、古代ギリシア以前の文明が発見された。これは、この地の名をとってミケーネ文明と呼ばれる。

 近隣の都市としては、約30キロ北東にコリント、10キロ南にアルゴスが位置している。

 ミケーネの遺跡は、獅子門、円形墳墓A、王室、アトレウスの墳墓が有名で、そのいずれも巨大な切り石を用いた建築である。ミノア文明のものに比べ、これらは非開放的で求心的、かつ重装備。

 

 トロイア戦争

 トロイア戦争(トロイアせんそう、英語: Trojan War)は、ギリシア神話に記述された、小アジアのトロイアに対して、ミュケーナイを中心とするアカイア人の遠征軍が行った戦争。

 トロイ戦争、トロヤ戦争とも言う。

 トロイア、あるいはトローアスという呼称は、後の時代にイーリオス一帯の地域につけられたもの。

 この戦争の記述から、古代ギリシアにおいて、

   『イーリアス』(ホメーロスの英雄叙事詩)

   『オデュッセイア』

   『キュプリア』

   『アイティオピス』

   『イーリオスの陥落』

などから成る一大叙事詩環が派生した。

 

 トロイア戦争の原因

 この戦の起因は、『キュプリア』に詳しい。

 大神ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するために、ヘーラーとは別の妻でもある、秩序の女神・テミスと試案を重ね、遂に大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意を固めた。

 オリンポスでは人間の子ペーレウスとティーターン族の娘テティスの婚儀が行われていた。

 争いの女神・エリスのみはこの饗宴に招待されず、怒った彼女は、「最も美しい女神へ」と書かれた、ヘスペリデスの黄金の林檎(不和の林檎)を神々の座へ投げ入れた。

 この供物をめぐって、殊にヘーラー、アテーナー、アプロディーテーの三女神による激しい対立が起る。

 ゼウスはこの林檎が誰にふさわしいかをトロイアの王子パリスにゆだねた(パリスの審判)。

 三女神はそれぞれが最も美しい装いを凝らしてパリスの前に立ち、なおかつ、ヘーラーは世界を支配する力を、アテーナーはいかなる戦争にも勝利を得る力を、アプロディーテーは最も美しい女を、それぞれ与える約束を行った。

 パリスはその若さによって富と権力を措いて愛を選び、アプロディーテーの誘いによってスパルタ王メネラーオスの妃ヘレネーを奪い去った。

 パリスの妹でトロイアの王女カッサンドラーのみはこの事件が国を滅ぼすことになると予言したが、アポローンの呪いによって聞き入れられなかった。

 メネラーオスは、兄でミュケーナイの王であるアガメムノーンにその事件を告げ、さらにオデュッセウスとともにトロイアに赴いてヘレネーの引き渡しを求めた。

 しかし、パリスはこれを断固拒否したため、アガメムノーン、メネラーオス、オデュッセウスはヘレネー奪還とトロイア懲罰の遠征軍を組織した。

 この戦争では神々も両派に分かれる。

   ヘーラー、アテーナー、ポセイドーンがギリシア側に味方。

   アポローン、アルテミス、アレース、アプロディーテーがトロイア側に味方。

 

 ボイオーティアのアウリスに集結したアガメムノーンを総大将とするアカイア軍は、総勢10万、1168隻の大艦隊であった。

 アカイア人の遠征軍はトロイア近郊の浜に上陸し、アキレウスの活躍もあって、待ち構えたトロイア軍を撃退すると、浜に陣を敷いた。

 トロイア軍は強固な城壁を持つ市街に籠城し、両軍は海と街の中間に流れるスカマンドロス河を挟んで対峙した。

『イーリアス』の物語は、双方に犠牲を出しながら9年が過ぎ、戦争が10年目に差し掛かった時期を起点に始まる。

 戦争末期の状況については、『イーリアス』のほか、『アイティオピス』や『アイアース』において語られる。

 トロイアの勇将ヘクトールとアカイアの英雄アキレウスの没後、戦争は膠着状態に陥った。

 しかし、アカイア方の知将オデュッセウスは、巨大な木馬を造り、その内部に兵を潜ませるという作戦を考案し(『小イーリアス』では女神アテーナーが考案し)、これを実行に移した。

 この「トロイアの木馬」の計は、アポローンの神官ラーオコオーンと王女カッサンドラーに見抜かれたが、ラーオコオーンは海蛇に絞め殺され、カッサンドラーの予言は誰も信じることができない定めになっていたので、トロイアはこの策略にかかり、一夜で陥落した。

 

 

 

『ギリシア神話』 高津春繁著  岩波新書 参考

 ウィキペディア参考

 

 

 

『ギリシア神話』1  オレステース

『ギリシア神話』2  アガメムノーン

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『ギリシア神話』1  オレステース

2021年04月08日 | ギリシア神話

 

『ギリシア神話』1  オレステース

 

 

 オレステースは、ホメーロスの叙事詩『イーリアス』に登場。

 ギリシア軍の総大将アガメムノーンの息子。

 ミュケーナイの王子。

 長母音を省略してオレステスとも表記される。

 

『ギリシア神話』(高津春繁著 岩波新書)ではオレステースはの話は長く、オレステース家 数代に渡ると記されている。

 話の一つを短く断片で言うと、オレステースは弟ともめ、弟の子を料理にして、実父に食させたとある。

 実に呪と殺人の話である。

 

 殺伐とした復讐譚『オレステイア』の主人公。

 トロイア戦争をめぐる因果応報を清算する人物として描かれている。

 

 オレステースの生涯

 子供の頃に母クリュタイムネーストラーとその情夫アイギストスによって父アガメムノーンを殺され、自身も命を狙われる。

 姉エーレクトラーの手引きで脱出。

 成長したオレステースは従兄弟のピュラーデスを伴い父の仇であるアイギストスを殺し、次いで息子に命乞いをする実母クリュタイムネストラーを手にかけた。

 この後、母殺しの罪によって復讐の女神たちの呪いを受け狂人となってしまう。

 アポローンの助けを借りたエーレクトラーによって正気を取り戻す。

 

 オレステースは自分の犯した殺人の正否を問うため、アレオパゴスの丘で神々の裁判を受ける。

 神々の意見は二つに割れたが、アポローンとアテーナーがオレステースを弁護したため無罪となる。

 神々の許しを得たオレステースは、さらなる復讐の旅に出かける。

 まず自分の義理の伯母でありトロイア戦争のきっかけとなった美女ヘレネーを殺した。

 殺害理由は、『父アガメムノーンを10年に及ぶ戦争に連れ出し、家族崩壊の原因を作った不義の女を成敗する』というものだった。

 さらに、幼少時の自分の恋人であったヘレネーの娘ヘルミオネーがアキレウスの息子ネオプトレモスに嫁いでいることを知ると、彼に決闘を申し込み殺した。

 ネオプトレモスは、トロイア戦争でトロイアの王プリアモスを殺し、勇将ヘクトールの遺児アステュアナクスを寡婦アンドロマケーの手から奪い城壁の外に投げ捨て惨殺。

 アンドロマケーを戦利品(奴隷)にした人物である。

 そのため、ヘレネーと同様にトロイア戦争での行いの報いを、オレステースの刃によって受ける形になっている。

 その後、オレステースはミュケーナイに戻り王となり、スパルタの王である義父メネラーオス(ヘレネーの夫)の死後はスパルタ王も兼任した。

 

 オレステースを題材とした二大悲劇

    オレステイア - アイスキュロスの悲劇。

    オレステス - エウリピデスの悲劇。

 

 

ホメーロスの叙事詩『イーリアス』

『イーリアス』(英: Iliad)は、ホメーロスによって作られたと伝えられる長編叙事詩。

 最古期の古代ギリシア詩作品。

 

ホメーロス(英: Homer)

 紀元前8世紀末のアオイドス(吟遊詩人)であったとされる人物。

 ホメロスとも。西洋文学最初期の2つの作品、『イーリアス』と『オデュッセイア』の作者と考えられている。

「ホメーロス」という語は「人質」、もしくは「付き従うことを義務付けられた者」を意味する。

 現在のギリシアではオミロスと発音されている。

 古代人はホメーロスを「詩人」というシンプルな異名で呼んでいた。

 今日でもなお、ホメーロスが実在したのかそれとも作り上げられた人物だったのか、また本当に2つの叙事詩の作者であったのかを断ずるのは難しい。

 

 当時の叙事詩というジャンルを1人で代表するホメーロスが古代ギリシア文学に占める位置は極めて大きい。

 紀元前6世紀以降、『イーリアス』と『オデュッセイア』はホメーロスの作品と考えられるようになり、また叙事詩のパロディである『蛙鼠合戦』や、ホメーロス讃歌の作者とも見做されるようになった。

 主にイオニア方言などからなる混成的なホメーロスの言語(フランス語版)は紀元前8世紀には既に古風なものであり、テクストが固定された紀元前6世紀にはなおのことそうであった。

 両叙事詩は長短短六歩格(フランス語版)(ダクテュロスのヘクサメトロス)で歌われており、ホメーロス言語はこの韻律と密接に結び付いている。

 古代において、ホメーロスの作品に与えられていた史料としての価値は、今日では極めて低いものと見做されている。

 このことは同時に、西洋において叙事詩というジャンルを確立した文学的創造、詩としての価値をさらに高めた。

 

 

 

『ギリシア神話』 高津春繁著  岩波新書 参考

 ウィキペディア参考

 

『ギリシア神話』1  オレステース

『ギリシア神話』2  アガメムノーン

 

 

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