うさとmother-pearl

目指せ道楽三昧高等遊民的日常

トーキョー名建築巡り 美あるいは俗

2022年12月04日 | ことばを巡る色色
諸用あり、お江戸に参り、建築巡礼。
目黒、朝香宮邸東京都庭園美術館。アールデコの館。


ラリックやら


宮のために公がお造り申し上げた幻のように端正なおうち。

同じく目黒、雅叙園百段階段。笑けてくるほどの過剰な、どこか廓の楼閣の迷宮のお茶屋めいた宴室の色々。



最上階の鏑木清方で息をつく


初代当主は商いで得た金でこれを造り、また成功を収めた。商売人の建てた楼。

そして、伊東忠太の築地本願寺。どなたが彼に信心の器を注文したのか。






築地場外の喧騒は見えるが聞こえず、異国伝来の南無阿弥陀仏を異国様な生き物が静かに、あるいはさざめきながら守っている。伊東忠太の本堂が手を広げて帝都を守っている。

再び目黒雅叙園、渡風亭


創業当時を移築したという、絢爛な酒席。
今宵は酉の市。大鳥神社も市がたつ。





雅叙園と酉の市、似ているんだね。

岩崎弥太郎の明治生命館を背にして


皇居、幕府の江戸城。





東京ステーション、明治政府は都の入り口を辰野金吾に発注。




建物は容れ物でしかないけれど、造った当初はそれがいつまで残るかとか分かりもしないけれど、発注者の審美の選択は時を超えて、時が過ぎるからこそ、審美をあからさまにする。建物は、商の、公の、教の、国の、威光を示すものだけれど、美を見る力がいかほどのものであったかを露わにするのだな。芸術などを目指すものでない故に、美と俗は建物の中で交錯している。そんなこと素知らぬ顔で建物は立ち続ける。
お江戸の建物は、だからオモシロイ。












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