うさとmother-pearl

目指せ道楽三昧高等遊民的日常

砂上のことば

2007年09月12日 | ことばを巡る色色
結構反省している。そうだ、世の中には、わたしが夏に溶けている間にも、ちゃあんとブログを毎日更新しているお方がおられるのだ。
秋風が吹き、茄子がおいしい今日この頃。ちったあ、真面目に、更新しようかなっと、思ってるよ、あたしは。

「HUCK」という文字を地元名古屋の名大生が鳥取砂丘に掘り込んでしまったというニュースを読んだ。この「HUCK」はどうも、ハックルベリーの始まりらしく、冒険系のサークルらしい名前の初めをとったものと推測される。
砂に書いた文字であるからいつかは風に吹かれてなくなるのだろう。しかし、見た人は「景観を損ねた」と思ったらしい。彼らは確かに、保護対象である砂丘を害したわけではあるが、彼らがもし、「HUCK」という、(スラングのスペルを間違えたお馬鹿さんが書いたのか?) って感じの名称でなければ、例えば、「はっく」とか、「ハック」とか、それこそ「八苦」とか書いていたら、と思う。そこが彼らの不幸ではなかったか?砂丘の「HUCK」を見た瞬間、きっと誰もが、(H)でないほうを思ってしまったろう(わたしもそうじゃ)その途端、お利口でない若者、嬌声、違法行為、なんてのがバアッて頭に浮かんでしまったろう。
砂上の言葉は、消えていくものなのに、与えたイメージは人の中で消えない。「HUCK」の意味を後から聞いても、あげた拳は下げられない。それゆえ、言葉は恐ろしい。

辞意表明の人の言葉の中の「テロ」「民意」も同じように聞こえた。(追い詰められる病)の人を冠に頂いたこの国の、今はまだ「首」である、その人の言葉も、砂の上のものだったのだ。
コメント (2)
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