うさとmother-pearl

目指せ道楽三昧高等遊民的日常

近江にいく-MIHO MUSEUM

2006年10月20日 | お出かけ
守山の佐川美術館を出て向かったのは、信楽のMIHO MUSEUM。「青山二郎の眼」展を見に行くためだ。途中、栗東の道の駅でサービスランチをいただき、付いてきたお豆腐がとてもおいしいので、2丁買い求めた。「まるっぽ豆腐」というそうな。
道の駅の元気なおばちゃんに教えられたとおりの道を行くと、とにかく山の中。「山道だけれど、車はすれ違えるから大丈夫」とおばちゃんは言ってたけれど、前からはとにかくどんどんどんどん観光バスがやってくる。こんな山中の美術館になにゆえ大量の観光バス?ひょうっとして、私はいけない日を選んできてしまったのか?この美術館はとある宗教法人の持ち物。あらかじめ見ておいた美術館のサイトに宗教色はまったくないけれど、自然食品を推奨していてレストランでも饗せられているらしい。とにかく、山の中なのだ。どれだけ行っても人家がない。信号もない。人口密度ゼロ地帯。と、開けたところに出ると、はるか丘の先にお社のような現代建築と鐘楼のようなモニュメント。そうして何台も停車中の観光バス。しかし、美術館はまだまだ先のようだ。やっとのことで辿り着いてみても、駐車場には観光バス。やはり、「いけない日」だったようだ。駐車係のおにいさんは丁寧に美術館への道を教えてくれる。昨今には珍しく、心のこもったご案内振り。「随分混んでいますね。今日は何かの日ですか?」「はい、友の会の方々の団体さんがいらっしゃる日なんですよ」・・・「友の会」なんですね・・・
美術館のエントランスと思っていったところは、実は入り口にあるレストランでしかなく、そこから電気自動車に乗り込んで美術館本館へと行く。
・・・橋だ・・・トンネルだ・・・これ、美術館のためだけの橋で,トンネルで、だよね。いったいいくらかけて作ったのだろう、この、山の中の橋あり、トンネルありの美術館。大体、これだけの土地を持っていれば、わざわざ橋架けたり、トンネル掘ったりしなくても建物は建つはず。とにかく?なところ。
数分の乗車の後についた美術館は社寺をかたどった巨大なガラス張りの建物。エントランスを入り、中階段を上ると、山々が見渡せる大きな窓に出る。そうしてさっき見た、お社と鐘楼のモニュメントが山の中にマチュピチュのように浮かんでいる。この景色を作るための橋であり,トンネルであったのだろう・・・とにかく言葉を失った。
「青山二郎の眼」 白洲や小林秀雄と茶碗を集めた天才遊び人。ただ「美」を見ることだけをした彼。
そうして、常設展。世界のあらゆる古代文明の逸品が並べられている。完品ですごい物ばかりなので、かえって「ニセモノ?」と思えてしまう不思議。美術館の中は「友の会」の人々で溢れ、関西言葉の和装のご婦人や、スーツの「ですたい」と語る人や、若くして杖をついた何人もの足のご不自由な方が観覧をされており、なんだか「見に来てしまって申し訳ありません」という気になる
どうやら、この美術館、建物500億、蒐集品500億であるらしい。
えっと、10,000,000,000えん、なのだ。 

とにかくすたこらさっと山を降り(いやぁ、美術館としてはステキでしたよ、はい、ホントに)宿泊先八日市へ。今回はビジネスホテルに泊まったのだけれど、内職を前日までに片付けられず、ホテルでビジネスする羽目になってしまったけど。

佐川は企業的美術館、MIHO MUSEUMは宗教的美術館。作った者の思惑はどうであろうと,そこに収まっているものたちは、そこを安住の地とし、ニュートラルに美しい。「物」は、それ自体でその「物」であるのだ。美術館に置かれた、屹立するもの。持ち主の名は書かれておらず、自らの美しさのみで、それは立っている。私は、それを見に行く。
ということで、次回は、近江2日目のお話。
コメント (11)
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