久しぶりに、連続ドラマを見ている。「チャングムの誓い」である。ご存知の方も多いだろうが、韓国後宮女官立身物語なのである。
わが町は韓国春川市と姉妹都市で、冬ソナストリート並木道があり、先ほど行われた韓国ウィークには、微笑む方に恋する淑女たちがたくさんお出でになった。経済効果抜群であったらしい(その並木も、そろそろ紅葉です。今が本当にいい時期です。淑女の皆さん、どうぞまた、お出でください)
ではあるが、私は微笑みの方にはあまり興味がなく、ドラマも見ていないし、「様」で呼ばれる方をテレビで見るたびに、「おお、微笑む、微笑む」と傍観している、冷めた態度であった。
しかし、チャングムは、今や週の終わりのお楽しみになっている。
この前の土曜に、チャングムは追っ手に傷つけられた男性の介護をしていたのだが、それがとても、丁寧で手際がよく、美しかった。
チャングムは後宮料理所の見習いで、お話の多くの時間が、お食事の用意を映す。それも、気持ちよい。ちゃっちゃと、調味料を混ぜ、素材を刻み、煮込み、蒸し、炒め、盛り付け、供す。
後宮の人々は、男性役人も、女官と女官のする仕事に敬意を払い、女性だからと軽んじることはない。王は家族を重んじ、皇女を愛し、皇女の具合が悪く食が進まぬときは自らも食を断とうとしてしまう。近くの人に愛を持ち、心を砕き、遠くの人の温情には、できる限りの礼を尽くそうとしている。毎日を「整えて暮らす」人々である。後宮の人の着ている服も美しい。王家の人々も、役人も女官も。
築かれ、整えられ、伝えられ、磨き上げられた生活。
以前韓国に旅行をしたときに、王宮を見に行った。偶然、ドラマの録画をしていた。それがチャングムであったかどうか、確かめるすべはないけれど、王宮は清らかな場所で、韓国人のガイドの方の言葉の中にも王宮を侵すべからざる場所であると考えていることがあらわれていた。
中国の思想の影響を受け、韓国・日本の後宮の作り方は似ている。周りをぐるりと塀が囲み、いくつかの、暗喩を持つ門が設けられている(架空の中国風後宮を舞台にした酒見賢一「後宮小説」という小説と照らし合わせながら王宮を見ると、とても興味深いのでお勧めである)王宮は、春夏秋冬と人の一生を暗示しながら営まれる。つまり、中国・韓国・日本の3国は、同じような王の居所を持っているわけだ。後宮はその民族や伝来文化の融合の中で作られ、果てしなくイマジネーションを見るものの中に喚起する。
私たちの国は、この美しい慣習を持つ国を属国にしようとしたんだなあと思う。
この美しい伝統の衣装、食事、道徳、王宮、習慣、言葉、名前を、全部、ぺろりと塗り替えようという、暴挙をしようとしたんだなあと思う。それって、美しく育った少女をさらっていって、自室に閉じ込め、自分だけのものにしようとすることのように、ひどいことだなあって思う。
わが町は韓国春川市と姉妹都市で、冬ソナストリート並木道があり、先ほど行われた韓国ウィークには、微笑む方に恋する淑女たちがたくさんお出でになった。経済効果抜群であったらしい(その並木も、そろそろ紅葉です。今が本当にいい時期です。淑女の皆さん、どうぞまた、お出でください)
ではあるが、私は微笑みの方にはあまり興味がなく、ドラマも見ていないし、「様」で呼ばれる方をテレビで見るたびに、「おお、微笑む、微笑む」と傍観している、冷めた態度であった。
しかし、チャングムは、今や週の終わりのお楽しみになっている。
この前の土曜に、チャングムは追っ手に傷つけられた男性の介護をしていたのだが、それがとても、丁寧で手際がよく、美しかった。
チャングムは後宮料理所の見習いで、お話の多くの時間が、お食事の用意を映す。それも、気持ちよい。ちゃっちゃと、調味料を混ぜ、素材を刻み、煮込み、蒸し、炒め、盛り付け、供す。
後宮の人々は、男性役人も、女官と女官のする仕事に敬意を払い、女性だからと軽んじることはない。王は家族を重んじ、皇女を愛し、皇女の具合が悪く食が進まぬときは自らも食を断とうとしてしまう。近くの人に愛を持ち、心を砕き、遠くの人の温情には、できる限りの礼を尽くそうとしている。毎日を「整えて暮らす」人々である。後宮の人の着ている服も美しい。王家の人々も、役人も女官も。
築かれ、整えられ、伝えられ、磨き上げられた生活。
以前韓国に旅行をしたときに、王宮を見に行った。偶然、ドラマの録画をしていた。それがチャングムであったかどうか、確かめるすべはないけれど、王宮は清らかな場所で、韓国人のガイドの方の言葉の中にも王宮を侵すべからざる場所であると考えていることがあらわれていた。
中国の思想の影響を受け、韓国・日本の後宮の作り方は似ている。周りをぐるりと塀が囲み、いくつかの、暗喩を持つ門が設けられている(架空の中国風後宮を舞台にした酒見賢一「後宮小説」という小説と照らし合わせながら王宮を見ると、とても興味深いのでお勧めである)王宮は、春夏秋冬と人の一生を暗示しながら営まれる。つまり、中国・韓国・日本の3国は、同じような王の居所を持っているわけだ。後宮はその民族や伝来文化の融合の中で作られ、果てしなくイマジネーションを見るものの中に喚起する。
私たちの国は、この美しい慣習を持つ国を属国にしようとしたんだなあと思う。
この美しい伝統の衣装、食事、道徳、王宮、習慣、言葉、名前を、全部、ぺろりと塗り替えようという、暴挙をしようとしたんだなあと思う。それって、美しく育った少女をさらっていって、自室に閉じ込め、自分だけのものにしようとすることのように、ひどいことだなあって思う。