夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

サウンドバーの対策その後2

2021-08-29 04:44:44 | オーディオ
ふと思った。
このサウンドバーの音はどの程度のモノなのか。
一応以前使っていたアクティブスピーカーとの比較は行ったが、他の通常のスピーカーでテレビ放送を聞いてみたことがない。
最近NHK+を申し込んだので、パソコンでもテレビ放送をネット配信で見ることが出来るようになった。
ヘッドフォンばかり使っていてなかなか出番のないデスクトップスピーカー、ケンウッドのLS-K731でテレビ放送を聞いてみるか。
以前ヘッドフォンアンプを使うためにモニターラックを入れたときにあわせて使い始めたもの。
スチール製のスピーカースタンドにセットしてある。
スピーカーケーブルはカナレ、インシュレーターはGX100を買ったときにおまけでついてきたキューブ型の木製。スピーカーとの接触面にタングステン片が貼ってある。
アンプは雑誌のおまけのデジタルアンプ。一応ラックスマン。
アンプには付属のACアダプターを使わず、アンプ本体の2倍ほどの大きさのアナログ電源を使っている。
このスピーカーでテレビ放送を聞いてみようと思ったのは、このスピーカーがウーハー+スーパーツイーターという特殊な構成で(だから買ったのだが)、
人の声はウーハーから出るようになっている。ウーハーの口径は11cm。
オラソニックのTW-D9HDMを導入するかどうかの判断には参考になりそう。

NHK+のコンテンツにあったスポーツ番組を聞いてみた。
結果としては、サウンドバーHT-S100Fの方が数段いい。聞き取りやすい。
実況は男性アナウンサーだったが、声の低い部分が強調され、「こもった」音になる。
このスピーカーはボーカルは得意なはずなのだが、そういえば聴いたのは女性ボーカルばかりで、男性ボーカルは聴いたことがなかった。
低めの声の男性ボーカル、しかも日本語の歌ってCDを持っていないかもしれない。

このスピーカーは密閉式ではなくリアバスレフ。音の傾向としてはキリッキリに絞り込んだ低音ではなく、ある程度の量感のあるゆるめの低音。
リアのバスレフポートが壁に近いので、遅い低音が過多な状態になっている。
スピーカースタンドが載っているPCラックにキャスターがついているので、
後ろの壁からもう少し距離をとってみると、ゆるい低音過多の状態が解消され、ボーカルの抜けがよくなる。
ってなことはLS-K731を使い始めたときに確認していたことだったが、今回そのことを改めて確認。
リアバスレフはセッティングが重要だね。
HT-S100Fは高さがないので、テレビ前に置く通常のセッティングだと、若干リアバスレフから出た音がテレビ画面に反射するかもしれないが、
テレビ下部に隙間があるのでスピーカー後ろ側の低音反射は避けられているように思う。
TW-D9HDMは、背面にパッシブラジエーターがあるので、音抜けをよくしたいのであれば、スピーカーの後ろになるべく空間をとった方がいい。
テレビ前方だとスピーカーにテレビ面が隠れてしまう上、テレビ画面への低音の反射も避けられそうにない。
TW-D9HDMを置くとすれば、やはり高さと自由度があるGX100の上になるだろうか。

現状でのHT-S100Fの音もテレビ用スピーカーとしてそれほど悪くないのを確認したので、
あともう一歩音抜けをよくすれば、及第点ギリギリのC評価から普通のB評価になるのではないか。
振動吸収系のVFEの効果があったので、もう少しその方向で攻めてみたい。
インシュレーターは金属を使ったスパイク系が全盛だが、振動吸収系といえばソルボセイン、ハネナイトあたりかな。
ということであまりお高くなく、振動吸収系の素材を使ったインシュレーターということでオーディオテクニカのAT6099を使ってみる。
6個セットなので5点支持のHT-S100Fにはちょうどいい。
HT-S100Fに効果がなければ、 LS-K731に使う予定。


届いたAT6099は真鍮を使っていることもあってと重い。
接地面にソルボセインが使われているようだが、これが癒着しやすく跡がつくのでスペーサーがついていた。
このスペーサーは本当にただの厚紙。
とりあえず今使っているVFE-2005は外して、スペーサーは使わずAT6099に置き換える。
直径はそれなりに大きいがスピーカーに接する側のハネナイトの面積が小さいので、HT-S100Fのゴム足にのせるには位置をぴったりあわせないといけない。
AT6099は6個セットだがHT-S100Fのゴム足は5つ。
AT6099が1つ余るが、HT-S100Fのセンターのゴム足の後ろにVFE-10152を貼っておいたので高さがちょうどよく、中央に縦並びで2個セットした。
不安があるとすれば1個5kgまでの加重がかけられるAT6099に対し、HT-S100Fの自重が2.4kgしかないところ。
平均すると1個当たり500gしか荷重がかからず、十分な振動対策になるかどうか。
まあ、今まで使っていたVFE-2005でも同じだが。

AT6099を6個ともセットしたので、音を出してみる。
結論から言うと音は変わる。音が変わったのがちゃんと分かるレベルで変わる。
問題はどう変わったかだが、変わったのは主に中高域。
音の輪郭がはっきりしたというか、スッキリした方向に変化して聞きやすくなった。
聞きやすくなっただけでなく、ソースのよしあしがはっきり分かるようになった。
テレビの音声といっても玉石混淆で、今だとオンラインでの識者のコメントというのがよく流れてくるが、この音声の悪さが際立つ。
逆に録音環境がはっきり分かるようになり、反響音がよく聞こえるので、ライブなのかデッドなのかがはっきりして、
ソースによって音声が前に出たり、奥に引っ込んだりして、平面的だった音声に奥行きが出るようになった。
中高域の不要な振動が抑制され、定位がよくなってきたというか音のピントが合ってきた印象だ。
ただ、肝腎の低音にはほとんど効果なし。鼻にかかったような声が改善はされていない。
やはり、低音のコントロールは難しい。
ただ、中高音の定位感がよくなったせいか、人の声のこもり感は以前と比較して多少気にならなくなった。
2、3日その状態で使ったが、低音については変化なし。
中高音はさらに抜けがよくなった感じを受ける。
ただべたつくと言われていたソルボセインは確かに棚にくっつく。
滑り止めとしてはいいのだが、癒着防止は必要なようだ。
あとやはりヤフオク電源ケーブルは太すぎてスピーカーが落ち着かない。
電源ケーブルのある右側の後ろがちょっと浮いた感じになっているので、KOJOの電源ケーブルに交換した方がいいようだ。
癒着防止にはAT6099付属の紙製スペーサーの代わりにVFE-2005をAT6099の下に敷いてみる。
VFE-2005は比較的低音よりに効果があったので、AT6099との複合効果を狙ってみた。
が、低音のこもり感がほんのちょっと改善されたかなという程度で、ほとんど変わらない。
ここまでで60点の評価が72点ぐらいになった。
ボイスモードはオンにする必要はあるが、夜はほとんど気になることはなくなり、朝のニュース番組ではやや気にはなるものの、
以前よりは音を気にせずにテレビを見ることが出来るようになった。

正直あまり期待していなかったAT6099の効果は結構大きかった。
オーディオ的にはVFE-2005よりもAT6099の方が確実に効果があった。
定番とはいえ、ベーシックなインシュレーターに替えただけで、
ソースの善し悪し、状態がかなりはっきり聞き分けられるようになったというのはちょっとした驚きだった。
不要振動が少なくなり、定位感がよくなった効果が大きい。
音量を上げてもうるさい感じにもならず、いい方向での変化である。
ただ、HT-S100Fはリスニングポイントによって聞こえてくる音がかなり変わる。
ちゃんとスピーカー中央で聞くと、「悪くない」ではなく「なかなかいいね」と感じられるところまで来た。
改めてHT-S100Fの紹介を読むと「高音域用のツイーター2基と中低音再生用のウーハー2基の2ウェイスピーカー構成(2.0ch)により、人の声がすっきりクリアに聞こえる。」とあった。
デフォルトではこうはいかなかったが、現状では「人の声がすっきりクリアに聞こえる」そういってもいいだろう。

TW-D9HDMに多少未練は残るが、しばらくはHT-S100Fでいけるような気がしてきた。
4Kテレビのスピーカー対策はここで一旦終わりにしよう。