岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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限りない軍拡が始まっている

2017年12月29日 01時00分06秒 | 政治経済論・メモ
限りない軍拡。これが始まっている。攻撃形戦闘機、自衛隊の中に海兵隊の役割をする部隊を作る。イージス機能を持った陸上のミサイル迎撃システムの導入、(イージス機能とは、多方面からの、攻撃に一瞬で対処できる高性能)、護衛艦の空母への改造、アメリカからの、空母の購入。かつてなかったことだ。

 問題の第一。先制攻撃の能力をつけはじめている。自衛隊は、今でも世界有数の軍事力を備えている。しかし、先制攻撃の能力は要らないはずだ。従来の「専守防衛」からも逸脱している。北朝鮮問題があるが、北朝鮮は国土の面積も、経済力も、鳥取県や島根県の一県相当しかない。アメリカと日本が先制攻撃しない限り、北朝鮮から先制攻撃することはない。朝鮮戦争は、ソ連のスターリンの了解のもと、中国が直接支援した。今は、中国もロシアも、北朝鮮をなだめる側だ。

 問題の第二。軍備の抑止力が平和に貢献するというのは、幻想だ。抑止論が有効ならば、アメリカ、イギリス、フランスは世界一安全な国であるはず。しかし、これらの国は、中東などで、戦争をしている。テロの標的になっている。武力抑止論は虚構だ。際限もない軍拡競争を招く。これは武力衝突の危険を高める。第一、「武力による威嚇」は憲法違反だ。

 問題の第三。軍事費が突出しているために、民政費が削られている。社会保障費が圧縮され、年金や生活保護費が、カットされているのは、そのためだ。貧困問題が広がり、日本の最低賃金は、生存のレベルを下回っていると、国連から批判されているほどだ。

 経済的格差も、かつてなく広がっている。「一億総活躍社会」というが、これでは「一億総貧乏」だ。今年91になった母が言う。「戦争前がそうだった。一億総貧乏だった」。また作家の瀬戸内寂聴が言う。「このままでは戦争になる」。

 歴史を見れば、70年おきに大きな戦争が起こっている。戦争体験者がいなくなるからだ。今年は戦後72年。国会議員の中にも戦争体験者がいなくなった。「キナ臭い」どころか、戦争が目の前に迫っているように感じる。

 こうした問題を、社会に問い続けたいと思う。



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