岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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共謀罪「テロ等組織犯罪準備罪」の危険性(3)

2017年03月04日 23時30分43秒 | 政治経済論・メモ
共謀罪「テロ等組織犯罪準備罪」への各種団体の反対声明が相次いでいる。日弁連、新聞労連、日本ペンクラブ、日本劇作家協会、日本新劇製作者協会、国際演劇評論家協会、刑事法研究者40数名、各都道府県の弁護士会。「共謀罪 反対声明」で検索すれば数が多く迷うほどだ。


 特に注目しているのは、表現者が声をあげていることだ。共謀罪が言論の自由を脅かすおそれがたかいからだ。国会での法務大臣の答弁によると次のような問題がある。


「メールで共謀罪が成立する」「顔文字でも成立する」「草野球チームも対象になりうる」「これらを判断するのは捜査機関」「通信傍受法の対象はフェイスブックやライン」。


 これで一般の民間人が対象でないと言えるのか。各団体が反対する理由は大きく二つある。犯罪の実行以前の準備のさらにまえ、話し合っただけで逮捕の要件になる。芸術作品の検閲につながる可能性がおおきい。次に犯罪の対象の広さ。犯罪類型が700から277に絞りこんだ。しかし2007年の共謀罪は犯罪類型を128~162に絞り込んでおり、それをはるかに上回る。廃案になった法案より適用範囲が広いのだから、絞り込みの与党協議は形だけにすぎない。


 さらに法案に「テロ」「テロリスト」の規定はおろか文言もない。いかにテロ対策が単なる口実なのかわかるだろう。与党からは「テロ」「テロリスト」の文言を入れようという声があがっている。だが法案の問題点は文言の問題ではない。


 適用範囲が広い事、恣意的運用が可能なこと、ここにある。犯罪類型のなかでテロに直接関係ないものが150を超える。これでは思想弾圧、言論弾圧と考えて妥当だろう。

「共謀罪は平成の治安維持法」とは小泉元総理のかつての発言。治安維持法が制定されたのが1925年。満州事変が起こったのが1931年。戦争の前には言論統制が行われる。財界が「そろそろ戦争でもおきてくらないか。景気が悪くてしかたがない。」こんな発言が飛び出す状況だ。


 表現者が判断できないというのはあり得ない。歌壇はどう反応するのだろう。



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