2013年1月18日 於)東京会館
角川書店と角川学芸出版の主催で、短歌、俳句の新年会と賀詞交換会が行われた。内容は2部構成。「角川短歌賞」「角川俳句賞」の表彰式が、第1部。新年会、賀詞交歓会が第2部だった。
1、「角川短歌賞」「角川俳句賞」の表彰式
2012年度の「角川短歌賞」は「塔短歌会」の薮内亮輔が受賞した。初の平成生まれの受賞だった。選考過程は小島ゆかりが報告した。報告の中で注目された作品が紹介された。
・きらきらと波をはこんでゐた川が光を落とし橋をくぐりぬ・
・蛇口からほそい光を出しながらあなたは肺の苦しさを言ふ・
・日々に眠りは鱗のようにあるだらう幼き日にも詩に近き日も・
・右がはの後ろの脚がとれてゐる蜘蛛が硝子の空をわたるよ・
小島ゆかりの話では「表現と描写力に優れている」「奥深い所に心が届く」ということだったが、僕は個人的には口語と文語のバランスが崩れていると感じた。それに若いのになぜ旧かなで表現するのか分からない。受賞の言葉で「岡井隆の影響で、変な歌も歌いそうだ」と言っていたのが気になった。まだ作歌に当たってのスタンスが定まっていないのだろう。
第2部の新年会で薮内氏と直接会って話したときにこういった質問をぶつけてみても良かったのだが、新年早々「口角泡を飛ばす」必要もないと判断して、話さなかった。
2、新年会、賀詞交歓会
例年知り合いが増えるのだが、今年は「塔短歌会」の若い歌人とよく話した。
作品の評価を減点法で行うと、「可もなく不可もなく」の作品が残る。だが加点法だけでは「誉めっぱなし」になってしまう。
その作者、その作品のいいところを伸ばすのが重要である。
京大短歌の全員が「塔短歌会」に入る訳ではない。
3日後の「星座α」の新年会で、選者を務めることを打診されたので、非常に参考になることだった。
「角川短歌」の編集長と編集者とで「斎藤茂吉と佐藤佐太郎」(仮題)の出版についての打ち合わせをした。
また今回は若手の参加者が多く、昭和30年以降の生まれで、まだ歌集を出したことのない「若手」贈ったのだが、そのうちの何人かは会場に来ていた。広い会場で直接には会えなかった。
又、多くの人がこのブログとフェイスブックを読んでいるので、「フェイスブックでお世話になっています。」という言葉を名刺代わりにした。
最後にこのブログがよく詠まれているようだ。それを実感しただけでも出席してよかったと思う。