岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

蝋梅の咲く歌:尾崎左永子の短歌

2022年09月26日 19時52分49秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・空を背に蝋梅咲けり目に見えぬ標(しめ)あるとき花の空間 「春雪ふたたび」所収。 標(しめ)とは、「目的・目印」の意。蠟梅が咲くのは春先。春の訪れである。作者はどこかの梅林にいるのだろうか。 そこで蠟梅が咲くのを見た。それが「春の訪れ」を目に見えない形で表している、と作者は感じ取った。「花の空間」。美しい響きだ。 情景が目に鮮明に浮かぶ。そして緊張感。ここに作者の独自性がある。 おそらく、梅林だが . . . 本文を読む