岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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帆走を終えた舟が帆を畳む歌:尾崎左永子の短歌

2022年09月07日 23時57分28秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・帆走を終へたる舟が春光を畳むごとくに帆をおろしをり 「春雪ふたたび」所収。 場所を明記していない。捨象されているのだ。帆船であるのはわかる。これはおそらく、江の島のヨットハーバー、あるいは横浜市のみなとみらい。どちらでも良い。帆船が帆を畳む一瞬に焦点をあてているのだ。 不思議なもので、「個別具体的なもの」を捨象すると情感が増す。佐藤佐太郎は「表現の限定」といい、尾崎左永子は「余剰に切り落とし」と . . . 本文を読む