オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

日本食文化

2006年08月04日 | Weblog


戦後、日本人の食生活において国をあげた実験がなされているという。

 食事を和食から洋食に変えたら人体にどのような変化が生じるかという実験である。意図的に計画された実験ではなく皮肉を込めて強調した表現をしているわけであるが、戦後60年近くなってこの実験結果が徐々に出つつある。日本人の死亡原因の傾向が欧米化してきているそうである。反対に欧米では健康のため日本食が注目を浴びている。古来の和食はバランスのとれた健康食であったのである。しかも長い歴史の中で日本人に最も適した食文化が築き上げられていたのである。何故この伝統ある和食文化を切り捨ててしまったのだろうか。

この日本人の食生活の洋風化も戦前と戦後の文化の断絶のひとつである。

 従来の歴史的な文化を科学的な「栄養」と「カロリー」で一刀両断に切り捨ててしまった。戦後の食糧不足による「栄養失調」は古来の和食が原因ではなく、食糧そのものが極端に不足していたのである。その食糧不足を解決するために主要な栄養素とカロリーを効率的に摂取できるものを重点的に供給したのである。供給したのが当時の占領軍であったため、一挙に欧米の食文化が押し寄せ全国に波及することとなる。そして、古来の和食は時代遅れの粗末な食事となり、洋食は最先端の高級な食事という考え方が定着していったようである。

和食の主食は米である。

 そしておかずは一汁一菜が基本で、一汁とは通常みそ汁であり、一菜とは通常漬け物である。確かに粗食であるが、これで必要な栄養素とカロリーは十分取ることができる。この基本に旬の野菜の酢の物と魚料理を足せば洋食にも劣らない健康食となる。洋食との大きな違いは、「油」と「肉」である。そして何を隠そう、現代日本人の健康を害しているのはまさにこの「油」と「肉」なのである。欧米人は肉を主食とするが、日本人の消化器は肉食に適していないようである。腸の長さが欧米人より長く、食物が長く滞留するため健康を害してしまう。その点米食は日本人にとって理想的とも言える。

日本人の米の消費量が年々減少している。

 食の洋風化にともなって米を食べる機会が少なくなりつつある。そして科学的な栄養素神話があり、米を食べるだけでは栄養が偏ってしまうという思いこみがあるが、米は意外と栄養豊富で胚芽米であればこれだけで必要な栄養素を摂取できるという。どうしても見た目が栄養満点でカロリー十分の洋食に惹かれてしまうが、栄養満点とカロリー十分と思い込んでいる原因をよくよく考えてみると「油」である。本来の栄養素は素材そのものに含まれているのであり、調理法にはあまり関係ない。油をあまり使わない和食は健康食と言える。洋食のソースやマヨネーズ、ドレッシングは油がたっぷりだが、和食のみそ、醤油は大豆成分だけである。

栄養素は人工的な物だけでは補えない。

 栄養剤が売られているが、私は一切買ったことがない。病人になってある栄養素が欠落してしまったなら栄養剤も必要だろうが、健康な人には必要ないと思う。最も有効な栄養剤は新鮮な海と山の幸である。大地の栄養をたっぷり吸い上げた新鮮な作物や、海の栄養をたっぷり取り込んだ海洋生物は必要な栄養素をバランス良く含んでいる。そして科学でも分析できないような微量元素も含んでおり生命活動を支えている。自然な物が一番だと思う。自然な物を科学で作り出すことはどう考えても難しいと思う。自然な物が目の前にあり、健康な身体を持っているのなら何も科学に頼る必要はないだろうというのが私の持論である。

新鮮な食材はそのままでもおいしく食べれる。

 新鮮でないものは、油で炒めたり、味付けを濃くしたりしなければならない。食材の欠点を油や調味料でごまかすことになる。食材の風味を増す工夫として和食の「だし」がある。天然の海産物を使ったものであり、面倒がらずに天然の海産物から取っただしは料理を引き立ててくれる。栄養素としても各種ミネラルがたっぷり含まれており、だしが利いていれば塩分も少なくて調理することが可能である。しょっぱい味付けの料理は食材が悪いかだしが悪いと思わなければならない。いろいろとインスタントだしが売られているが、是非海産物そのものから直接とっただしを試して欲しいものである。海はミネラルの宝庫なんです。

徹底的に和食にこだわるつもりはない。

 和食と洋食のいいとこ取りをすればいいと思うが、日本人であればやはり中心は和食であり主食は米を主体とすべきである。ただし、日本人の体格が向上したのは洋食の文化を取り入れたためであり、肉食文化の賜である。良質のタンパク質を取り入れることは重要なことである。昔の日本人の体格が貧弱であったのは栄養状態が悪かった結果でもある。和と洋のいいとこを取り入れれば理想のものが手に入る。ただし、やり過ぎは自制しなければならない。和洋折衷が最も理想的なのだろう。肉も取りすぎれば毒となるのは西洋の反省から明らかである。




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