オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

グレーゾーン

2023年01月18日 | Weblog

善悪の判断基準は難しい。

 誰が考えても善の領域があり、誰が考えても悪の領域がある。そして、その中間に善でも悪でもないグレーゾーンがある。きっちりと判断がつく善と悪は何も問題ないし、悩むこともない。問題はグレーゾーンなのである。それなのに世の風潮はグレーゾーンを悪いものとして切り捨てようとしている。グレーゾーンにあるものを善か悪か個人個人で見極めて判断して行動することが重要なのに、その努力を怠って、悪いものとして片付けてしまう、もしくは無視して何もしようとしない。

排除しようとしているのは、悪である。

 悪を含むグレーゾーンは悪で片付けてしまうほうが簡単である。しかし、よく考えてみると、善の部分も切り捨てている。本当に大切なものは、グレーゾーンの中にある善の部分であり、ここに新しい善を見つけてゆくことが創造的、挑戦的活動を支えているとも言える。善と思ってやってみたら結果として悪であるかもしれない。その試行錯誤の繰り返しが人生かもしれない。わかりきった善や悪の中には真新しいものは何もないし、思考を発展させることもない。しかし、最低限この善悪判断の基準だけでも体得させなければ社会生活はままならない。

大切なものはグレーゾーンに存在する。

はっきりとした善はそのままで何も問題ない。はっきりとした悪は犯罪として取り締まらなければならない。犯罪未満のグレーゾーンは個別に善悪判断を議論していかなければならないのである。ところが、グレーゾーンを一つの言葉で片付けてしまい、悪いものとして切り捨ててしまう。切り捨ててしまえば、犯罪未満の悪をなくすことができる。と同時に善であるものも切り捨てられる。善であるにも関わらず悪として片付けられてしまう。その隠れた善こそ貴重な新しい概念であり、これを積み重ねることではっきりした善の領域が広がってゆくのである。

悪についても同じである。

 何も考えないでグレーゾーンの中の悪を切り捨てても何も進展はない。悪も本当に悪なのか、もしかしたら善ではないのかと深く探究することにより、悪が確定し、はっきりとした悪の領域が確定されてゆく。この悪を詳細に見直す行為がなければ反省も教訓も改善も生まれない。悪は悪のままで放置したままになっている。もしかしたら悪の中に新しい創造的な価値が見出されるかもしれないのである。悪も捨てたものではないし、ひっくり返せば善になるし、反面教師としての教訓が得られる。どこを矯正すれば善に向かうのかも見つけ出さなければならない。

ぐだぐだと変なことを述べたが、

 たとえば、「セクハラ」「パワハラ」「いじめ」「虐待」などのことである。これらの言葉は犯罪未満の隠れたグレーゾーンの悪に焦点を合わせ注目させたことに意義があるが、言葉ばかりが感情的に先走りして中身が追いついていない気がする。「正しいセクハラ」「正しいパワハラ」「正しいいじめ」「正しい虐待」もあるはずだと思う。特に学校や家庭や職場でのしつけ教育や社会教育や精神教育や道徳教育やコミュニケーション教育等において、被害者からの一方的な主張に引っ張られて一括りで片付けられると積極的に作用しようとする側は何もできなくなる。

教育の場でこのような考えが蔓延すると、

 絶対に正しいことだけを教えて、絶対に悪いことを拒絶することしか教えられなくなる。正しいことと悪いことの値踏みもできないままに知識として習得するだけになる。実体験が不足するのである。実体験の素材はグレーゾーンの中にある。これを切り捨ててしまっては何のための教育なのかと疑ってしまう。この部分をしっかりと教育するのが本当の教育だと思う。「教育」という言葉「教えて育てる」があまり良くないが、個人の能力をいい方向に引き出してやるのだと思う。一方的に教えるだけではただの善悪判断基準を強制するだけになってしまう。

なぜグレーゾーンが生じるのか?

 善の領域に悪が入り込むからグレーになってしまう。グレーゾーンをなくしてしまうことはできないが、惟一できることは、はっきりした悪については厳格に取り締まることだと思う。はっきりした悪を見過ごしたままにするからグレーゾーンが広がってゆく。取り締まるというと警察任せになってしまうが、我々一般人も社会的な教育の一端を担っていることを肝に銘ぜなければならない。我々の一言が悪の方向に走る心のブレーキになるのかもしれない。先輩から後輩へ、上司から部下へ、先生から生徒へ、親方から弟子へ、色々とあるだろうが、「セクハラ」「パワハラ」「いじめ」「虐待」だと言う言葉に臆しないでバリバリと自己の信念に基づいて善導してもらいたいものである。


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