オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

出る杭は打ってはならない。

2008年07月02日 | Weblog

日本で言われる「出る杭は打たれる」ということわざは、

 欧米では理解してもらえない。欧米では出る杭は尊重されこれを大切に育てるのが教育だと思っている。反対に「出ない杭は捨てられる」と言った方が理解されやすい。出る杭が目立ちすぎてじゃまになるのではなく、まわりの杭が出てこないのが悪いという論法である。まわりの杭も努力して出てくれば何も問題ないのである。欧米ではみんなと同じことをする「人真似」は罪である。たとえまねであっても少なくとも自分の信念に基づいて結果的に同じになっただけで、最初からまねをするつもりなんか毛頭ない。


幼い頃、何でもかんでも相手のまねをする遊びをした記憶があると思う。

 まねをされる方は不快でたまらなくなり、最後は腹を立ててしまうが、これもまたまねされて最終的には遊びの相手から逃げ出して視界から消え去るしか手段がなくなる。遊びでやるなら許されるが、実生活でこれをやられると暴力である。ところが、日本においてはこれが蔓延している。人真似は恥ずかしいことで忌み嫌うべきことであり罪であるという認識が薄いのではないかと思われる事例をあちこちで頻繁に見ることができる。


日本は開国以来なりふり構わず国家をあげて「人真似」をしてきた。

 しかしこれは胸を張って威張れることではない。この「人真似」が国民の心の隅々まで浸透しているかもしれないが、これは即刻考え方を変え少しずつでも本来の姿に変えてゆかなければならない。それなのに、教育はかえってこれを助長するような方向を向いているし、社会の風潮はこれをますます煽る方向に流れているし、政治は「人真似」を推奨する施策を心がけているようである。当の国民そのものも「人真似」することに何のこだわりもない。その長年の成果が「国民総中流意識」ではなかろうか...。


発展途上国ほど「人真似」が蔓延している。

 「人真似」を何とも思わないし、効率的に成果を上げようとすれば二流以下は一流を真似するしかない。すべてが二流以下であればすべてが「人真似」になる。「人真似」は楽である。苦労して築き上げた人の成果を労せずに手にすることができる。そしてもっとひどい例は、苦労して築き上げた成果を拝借することに対する感謝の気持ちさえ忘れている。反対に「人真似の何が悪い」と居直る始末である。明らかに人真似する方が劣位で人真似される方が優位である。「人真似されるくらいでないと一流でない」という言い方もある。人真似する方は劣位にあることを認識して劣等感を持たなければならないのである。自ら努力することを怠って劣位に甘んじたままではいつまでたっても実力はつかないし向上もない。

「人真似」は個人の権利を侵す行為であり「罪」である。

 個人を尊重し、個人の主張や独創性を重視する社会では特許権、商標権、著作権、人権などを侵害する罪は重い。そして、そういう社会に住む人たちは「人真似」を恥として忌み嫌い、あえて「人真似」をしないように心がける。スキあらば「人真似」をしようと虎視眈々とねらっている人たちとは大違いである。個人を尊重し、個人の主張や独創性を尊重すればするほど「人真似」は許されない。少なくとも本人の承諾なしの「人真似」は個人の主張や独創性をないがしろにするものである。

日本人の「恥の文化」は、

 「みんなと同じことをしないと恥ずかしい」という文化であり、「一人だけ突出するのは集団の和を乱す」ということで「謙譲の美徳」を発揮してお互いに遠慮してしまう。このこと自体は問題はない。日本人の奥ゆかしさをあらわすすばらしいものである。しかし、一人だけ突出する者を集団の無言の圧力で抹殺するのは奥ゆかしさとは程遠い行き過ぎである。「恥の文化」でも「謙譲の美徳」でもなく、「足の引っ張り合い」と「陰湿なイジメ」になってしまう。日本の文化は基調として「恥の文化」であり「謙譲の美徳」であろうが、これを誤解と勘違いで扱っては文化も台無しである。「恥の文化」と「謙譲の美徳」を体現して奥ゆかしさを保ちつつ個性を発揮することは、傍若無人になりふり構わず周囲を無視して個性を発揮するよりもすばらしいことである。

世の中は変化し鎖国社会であった日本は世界に向かって拡大しているのである。

 いつまでも鎖国社会の日本のままでいては取り残されてしまう。日本の良さを生かしながら世界にも通用する「日本文化」を築き上げなければならない。「日本文化」に欠けているのは、リーダーシップ、責任と権限の明確化、科学的思考、個人の尊重、長期的な視野などであると思う。農耕民族から発した日本は世界の工業立国として名実ともに生まれ変わらなければならない。一流国を目指して...。

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