オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

「植物性」の神話

2009年01月12日 | Weblog

あちこちで「植物性」の商品が売り出されている。

 食用油、マーガリン、シャンプー、石鹸、洗剤、化粧品等々である。同じ油であれば植物性でも動物性でも鉱物性でも同じだと思うがどうやら違うらしい。そして、何が何でも「植物性」の方が身体にいいと言うことらしい。「動物性」の製品ですよ、身体にいいですよという宣伝を聞いたことがない。しかし、魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は身体にいいという話があちこちで聞かれる。これは動物性の油脂に含まれる成分ではないのかと思う。首尾一貫していない矛盾を感じる。植物性がいいならみんな植物性にすればいいが、相変わらず「動物性」もあるということは「動物性」も必要であり、身体には不可欠であることになる。

「植物性」であろうと「動物性」であろうと油脂の摂りすぎは身体に悪い。

 肥満の原因にもなるし、心臓病や脳血管障害の原因にもなる。油脂そのものは植物性も動物性も変わりはない。それではなぜ「植物性は健康にいい」という定説が流布しているのだろうか。それは油脂そのものではなく、製造の過程で油脂に溶け込む成分(不純物でもある)のことである。いくら原料が「植物性」であっても「身体にいい」成分が含まれていなければ「身体にいい」とは言えない。反対に動物性油脂にも「身体にいい」成分が立派に含まれているのである。こう考えると前述の矛盾はなくなり首尾一貫することになる。

「身体にいい」かどうかは含まれる成分で判断しなければならない。

 原料が動物性か植物性かではない。原料が植物性であれば植物性の身体にいい成分が溶け込んでいるのではないかという気もするが、それは製造法によるのであって、製造法によってはその成分が全て脱落してしまうことになる。現代の抽出技術と分離精製技術を駆使すれば不純物なしの純粋な油脂を製造することは容易である。どちらかというと、市場に出回っている大量生産の製品は「純粋な油脂」を使ったものがほとんどであると思う。効率的な抽出をすると必要な成分も脱落してしまうし、不純物があると安定した均一な品質を確保して大量製造できないことになる。ということは「植物性」であろうと「動物性」であろうと「身体にいい」成分はすでに脱落してしまっていることになる。これでは「植物性」が身体にいいとは言えない。

「身体にいい」成分を体内に取り入れるためには食品から直接取り入れればいい。

 原料から抽出し分離精製した純粋な油脂から「身体にいい」成分を摂ることはどう考えても効率が悪い。例えば、市販のごま油から「身体にいい」成分を摂ることを考えずに、「ごま」そのものを摺って食べる習慣をつける方が「身体にいい」ことになる。「植物性は身体にいい」という幻想から安心して植物性油脂を大量に摂取することの方が恐ろしい。植物性でも動物性でも油の摂りすぎは健康に悪いのである。しかも、高温で酸化した油はさらに身体を傷つけることになる。私がインスタント食品や缶詰、既製の惣菜などを食べると時々胸焼けがする原因の一つはこれかも知れない。台所の換気扇の油汚れを見てもらいたい。食料品の惣菜売場で、居酒屋で、焼鳥屋で、ラーメン屋で、油特有の臭いで気分が悪くなった経験はないであろうか。身体は敏感に反応しているのである。

昔と今で食生活が変わった原因の一つは「油」である。

 昔は「油」は貴重品であった。大量の原料を使用してわずかの「油」しか作れなかった。ところが、工業化によって効率的に安価に大量に「油」を提供することができるようになった。昔は油は原料を絞って抽出していたが、現在は溶剤で油だけを原料から溶け出さした後に分離精製する。昔の方法は効率が悪く現在の製造法の4分の1くらいしか抽出できなかったことになる。ということは4倍高価だったことになり、昔の人は現在の4分の1しか油を使っていなかったことにもなる。しかも、昔は石油がなかったので、油は食用だけでなく照明用その他にも使われていたのである。油に関して言えば昔の人の方が健康的であった。そのために現代人は心臓病や脳血管障害に悩まされている。

昔の絞った油は不純物をたくさん含んでいた。

 この不純物に「身体にいい」成分が大量に含まれていたのである。「身体にいい」エキスが豊富に含まれていたのである。原料そのものを大量に食べるよりも効率的に「身体にいい」成分を摂取することができたのである。薬に近い効能を持っていたと言っても過言ではないと思う。その不純物の証として絞った油は茶色でどろっとしていて原料独特の香りと風味がある。しかし、現在の大量生産され店頭で売られている油は透明でサラサラして独特の香りも風味もあまりない。ほとんど不純物が取り除かれていると言っていい。と言うことは「身体にいい」成分も取り除かれているのである。

「身体にいい成分」の実体は何であろう。

 私はその道の専門家でもなく詳しいことはわからないし、科学的にも詳細に解明できていないのが実体である。私の知る限りでは身体にいいと言われる油はリノール酸を含んだ油とα・リノレン酸を含んだ2種類があり、どうやら後者が本当に「身体にいい」ようである。「身体にいい」具体的な効能は血液をサラサラにし血栓を防止することである。これにより心臓病や脳血管障害、循環器障害、痴呆症などの予防にもなる。しかし、勘違いしてもらって困るのは「身体にいい」のはα・リノレン酸であって油そのものではないことである。そして、α・リノレン酸は野菜や海草そして魚(EPA、DHA)にも多く含まれている。本当に「身体にいい」ことをするためには植物性精製油に頼るのではなく、野菜や海草や魚(鯖、鰯)を食べることを心がけた方が格段にいいことになる。余計な油を摂取する必要もない。

α・リノレン酸は身体にいいらしいが、リノール酸とは競合関係にあるらしい。

 現在売られている植物性の食用油はほとんどがリノール酸系のコーン油やサフラワー油であり、いくらα・リノレン酸を摂取しても同時にリノール酸をたくさん摂ると効き目はなくなってしまうそうである。いずれにしても油の摂りすぎは身体に悪いことに変わりはない。α・リノレン酸の効き目を発揮させるためにも油は控えめにしなければならない。人間の身体に油脂は不可欠であるが、これらの油脂は精製油から摂るのでなく努めて油脂を含む食品から直接摂るのが健康にはいいことになる。健康のために天ぷらやフライや炒め物を一切やめなさいとは言わないが控える必要はありそうである。おいしいことは身体にもいいことであるが、油が安くてふんだんに使え、おいしいからと自然に反して精製油をたくさん摂るのは考え物である。

「油」は健康に良くないと目の敵にされるが、

 「油」にも利点がたくさんある。たとえば、ドレッシングに油が使われ「サラダオイル」と名称がついているのは何故だかわかりますか?油は様々な栄養分を食品から溶け出させる役目がある。野菜だけを食べるのと、野菜と油を一緒に食べるのでは栄養分の吸収率は6倍くらい違ってくるそうである。油の中に野菜の栄養分が溶けだし吸収されやすくなることになる。よって野菜サラダと油は昔から切っても切れない関係にある。茹でた野菜より油で炒めた野菜のほうが栄養的には無駄がなく吸収しやすいことにもなる。ご存じだったでしょうか。ノンオイルのサラダドレッシングが売られているけれども、その辺のところも考えて購入することをお薦めする。「油」を徹底して目の敵にするのも考え物である。

「油」は最も効率のいいエネルギー源であり、

 身体の中では文字通り「潤滑油」の役目を果たし、体表面や粘膜を保護する役目も持っている。「油」を目の敵にするのは間違っている。悪いのは「油の過剰な摂りすぎ」であって、「油」そのものが悪いわけではない。必要量を摂取するとともに「良質の油」を摂る努力をすれば何も問題ないのである。女性の方は肌荒れやしわが気になるだろうが、これを左右するのも「油」である。人間には自然の高級栄養クリームを体表面に分泌する機能を生まれながらに持っている。この栄養クリームのもとが「油」である。この油が不足すると肌荒れやしわに悩まされることになる。そして、高価な高級化粧品の栄養クリームで外部から油を供給することになる。外部からの油に頼ると言うことは、体表面の油の分泌が抑えられ退化して行くことでもある。素肌はだんだん荒れてくる。何か悪循環のような気がしてならない。身体の中から美しくなる努力をしたほうがいいと思うが、女性にとっては化粧は楽しみでもありやめるわけにも行かないようである。

食用油を中心に話をしてきたが、

 シャンプー、石鹸、洗剤、化粧品も同じである。いくら原料が植物性であっても、大量生産の製品は製造の過程で「身体に優しい」「自然に優しい」成分は抜け落ちてしまっているのがほとんどである。また不純物を残したままで大量生産、工場生産のラインに乗せると安定した均一な製品を製造することができない。そのために使っている原料は確かに「植物性」だが製造の過程で使われる原料は自然の有効成分を不純物として取り除いてしまったもので、当然出来上がった製品は「身体に優しい」「自然に優しい」成分はほとんど抜け落ちていることになる。それではまずいので後から「身体に優しい」「自然に優しい」成分を付け加えることになる。しかし、これは抽出エキスではなく後から付け加えただけである。しかも植物本来のもつその他の有効成分はみんな抜け落ちているのである。

市場に出回っている製品が欠陥商品であると言っているつもりはさらさらない。

 誤解のないように・・・。昔に比べれば製品の質も量もむしろ大幅に向上しているし、安価にかつ容易に手に入れることができるようになった。工業化、大量生産、製造技術、科学技術に大いに感謝しなければならない。ただ疑問に思っているのは、あちこちに出回っている「植物性神話」である。これを大々的に宣伝し、一般大衆が誤解している現状は何とかしなければならないと思うことしきりである。「植物性が身体にいい」と言うのは全くの嘘ではないと思うが、植物性であっても身体に有害な毒を持つものはたくさんある。正確には「植物性の原料には身体にいい成分も含まれているが、この成分が製品に丸ごと含まれているかは別である」ということになる。実体をつぶさに観察すると「嘘」であり「詐欺」でもある。百歩譲っても「正確な情報を伝えていない」とは言えると思う。一般大衆の我々も幻想に惑わされないようにしなければならない。(眉唾、眉唾、桑原、桑原・・・・・・・・・・・)


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