オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

田舎の香水。

2008年04月18日 | Weblog
自宅近くを散歩していると畑では農作業の真っ最中である。

 春の風に乗って、プーーーーーンと芳しい匂いがしてくる。牛糞、鶏糞、馬糞などの家畜の糞の肥料の匂いである。発酵させて熟成されているので刺激臭ではなくて、えも言われぬ良い香りである。これを田舎の香水とか言って馬鹿にするが、立派な作物を育てるために必要不可欠なものである。有機野菜とかオーガニック野菜とか言って最近話題を呼んで珍重されているが、この田舎の香水から生まれるのがそのまま有機栽培、オーガニック栽培の最上級のものである。消費者に聞こえが悪いので、牛糞、鶏糞、馬糞などの言葉は一切出てこないが、これが本当の有機栽培の素である。

「organic」と言う言葉は欧米から輸入された。

 その言葉の訳として、「有機」という言葉を使ったが、本来は「生物から生じた」と言う意味である。organ とは生物の器官や臓器のことで、これから生じたものを利用して栽培したものが「オーガニック野菜」である。そして、オーガニック栽培は日本でも昔からなされており、反対に昔は全てが有機栽培で化学肥料や人工の農薬なんて使っていなかったのである。何か「有機栽培」とか「オーガニック栽培」と言うと、最近流行の最新鋭の栽培方法だと勘違いしている人達がたくさんいる。何でもかんでも欧米のものを無節操に本質を捉えないで取り入れている弊害だと思う。

街中の中流階級もどきの方達は、作物を育てる土壌に牛糞、鶏糞、馬糞などを撒いているのを見ると、目をひそめるだろう。

 下手をすると、「汚い」「不潔」「そんな野菜食べられない」と毛嫌いされるかもしれない。人間自身が造り出しているものも「有機物」であり、昔は人糞も肥料として使われていた。田舎に行くと肥溜めがあって、それこそ香ばしい香りを発していた。汚いと言う前に人間に一番親和性のある物質であるし、自分が造り出したものである。場末の公衆トイレに行くと清掃が行き届いていないのか時々耐えられないほどの刺激臭がすることがある。なんでこんなひどい臭いになるんだろうと不思議に思う。それに比べると昔の田舎の「便所」の臭いはこんなにひどい刺激臭はなかったし、かえっていい匂いがしていた。都会人が不健康になったのか、環境が微生物を殺してしまったのか、トイレの構造が悪いのか私には解らない。

私の鼻の奥には昔ながらの「田舎の香水」の匂いが残っている。

 汚い話で恐縮だが、トイレに行って自分の排泄物から昔の「田舎の香水」の匂いがするとホッとする。生活が乱れて消化器の状態が悪いとこの「田舎の香水」の匂いがしない。この「田舎の香水」の匂いが生じるのは、どうやら微生物の作用だと思っている。微生物が排泄物を分解し醗酵させてこの匂いを生じていると思っている。腸内で微生物が活発に活動している環境は消化器が健康な証拠でもある。街中のトイレから刺激臭しかしないのは、世間の人々の消化器が不健康な状態にあるのではないのかと心配になってくる。現代人は食生活が乱れているとよく警告されているが、自分の排泄物から「田舎の香水」の匂いがするような食生活に努める事が大事ではないかと思っている。

若い人は、昔の「田舎の香水」の匂いを知らない人もいるだろう。

 早い時期にこの匂いをいっぱい吸って、この匂いが「いい匂い」だと認識されるように祈るものである。そうすれば、本当の「有機栽培」「オーガニック栽培」の意味を理解して、肥料に牛糞、鶏糞、馬糞などを使うことも、ましてや人糞を使っても違和感を持たない健全な人達へと生まれ変わってくれると思っている。顔をしかめて鼻をつまんで「臭い」と言う前に、しっかりと生物と微生物の造り出した匂いを嗅いでもらって、この匂いと仲良くなってもらいたい。そうすれば無機質で潔癖症の生体反応の全くない人造人間みたいな人種はなくなるし、人間と人間の関係も人間と動植物の関係ももっと円滑で親和性のある社会が育つのではないかと思うこの頃である。

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