オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

猫背

2008年01月25日 | Weblog

猫背は悪い姿勢だと言われている。

 猫背で悩んでいる人もいるし、猫背を矯正するための商品が通信販売などで売られている。医者も猫背の人は内蔵に負担をかけ新陳代謝を阻害し骨格に悪影響を与えると警告する。確かに町中を見回すと猫背の人が多い。みんなうつむいて前かがみ気味に歩いているし、背筋をシャンと伸ばして颯爽と歩いている人は数えるほどしかいない。特に冬場はその印象が強い。

しかし、猫背は運動の基本姿勢である。

 人間の祖先は四つ足で歩いていたし当然猫背であった。猫背は人間の基本姿勢で次の行動が迅速に取れる構えでもある。人間が最も落ち着く姿勢でもあると思う。人間は進化の過程で二本足で歩くようになったが、もともとは猫背の方が自然なのである。たまには猫背になって徹底して四つ足で歩いて見れば直立歩行の欠点を補正してくれるのではないかとひそかに期待している。

短距離走はほとんどが二本足で走る。

 両手を使った四本足で走ってはいけないというルールを見たことがない。四本足で走るトレーニングを徹底的にやったら、二本足の記録が塗り変られるのではないかと思ったりしている。二本足のストライドよりも両手両足のストライドの方が倍以上長い。短距離の新記録を持っているのは四本足のチーターである。人間も不可能ではないと思うがいかがだろう。

運動競技の練習をするとき、

 どんなスポーツにも猫背の姿勢が必要である。水泳、スキー、ゴルフ、ランニング、球技、格闘技などなどであり、基本姿勢は全てが猫背である。特に水泳は猫背の形で伸びる動作ができれば半分以上完成である。泳げない人は顔を上げて両手で万歳してしまうが、これでは下半身から沈むばかりで溺れてしまう。顔を水中につけて猫背の姿勢を取れば浮くことができる。あとは時々呼吸をするため顔を水面上に出してやれば溺れることはない。

スキーの時の猫背の姿勢は「かかえこみ」といって重要である。

 しかも膝を軽く曲げた状態で、あたかも寒さに震えて町中をトボトボ歩いているあの忌み嫌うべきしょぼくれた猫背の姿勢が最適である。この格好が一番安定するし、次の動作にスムーズに移りやすい。バトミントンやテニスやバレーボールの待機の基本姿勢も「沈み込み」といって猫背の姿勢をとるのはテレビなどでよく見る動作である。格闘技でも自然体は反っくり返っていないで猫背の姿勢をとる。ゴルフのスタンスも両手を伸ばした猫背の姿勢をとるし、ランニングも前かがみの猫背の姿勢である。

猫背は力を蓄える準備段階で最適の姿勢であるようだ。

 しかし、ずっと猫背であることはないし、力を蓄えている準備段階だけ猫背の姿勢で、そのあとに爆発的な力を発揮する前段階でもある。当然スポーツ選手は様々な動作の自由度を持って縦横無尽に力強くかつ迅速・確実に動き回ることができる。猫背が忌み嫌われるのはずっと猫背のままでいるからである。猫背のままで固定され自由度がないからである。力を蓄えたまま発揮しないもしくは発揮できない状態なのだと思う。内に籠もったままで悶々としている象徴なのだろう。

諸行無常と言われるように、

 世の中は川の流れのように常に流れている。常に流れているべきである。蓄えたエネルギーは発散し解消されなければならないし、それが自然なのである。猫背の人も肥満の人も鬱病の人も病気の人も犯罪を犯す人も嘘をつく人も人を騙す人も、どこかでこの流れが滞って鬱積している人達なのだろう。これをスムーズに流すことができれば、また流す術を体得できれば世の中安泰で住み易くなることだろうとつくづく考えるこの頃である。

スポーツにおける猫背の姿勢は次の動作の準備段階である。

 次の動作とは、外に向かって発揮される力である。そしてその動作は外に向かって影響を与え一つの有効な仕事を成す。人間も同じで、最終的な目的は外に向かって有効な仕事を成すことである。大人になるとは、「自分のためにやって貰う」段階から「他人のためにやってあげる」段階に移行することである。それが少しでもできるようになれば大人と言える。1月14日は成人の日だったが、どれだけの人が大人の資格があるかじっくりと考えて見るのも一興だと思う。


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