ワンツー・ストレートは、世界を制す

 2年前の昨日は、ボクシングの東洋王者だった越本隆志が
王者の池仁珍を2ー1の判定で破り、34年ぶりに世界フェザー
級王座を日本にもたらした日である。
 越本は、この時点で35歳だったのだ。
 輪島功一の32歳を大幅に上回る最年長奪取記録である。
 今回 越本を取り上げたのは年齢の事ではなく、ボクシングに
おける基本のワンツーパンチの効用をいかんなく知らしめた
事にある。


  というのが、越本は00年にWBA王者のフレディ・ノーウッド
挑戦前は、日本タイトルを6度防衛し直前まで3連続KO勝ちを
していた。
 ただノーウッドに9RでTKO負けして再起した頃に右肩の腱盤を
切ったようで、右フックやアッパーを打てなくなったらしい。
 00年4月の復帰戦から15連勝し、東洋も取るのだが15勝中KOは
4つしかなかったのは それが原因だろう。
 とにかく池戦までの越本は‘そこまでしなくても’というぐらいの安全
運転をしていたのだ。
だから判定勝ちがほとんどだった。
 基本的にサウスポーは、リードパンチの右フックで引っかけて
カウンターを狙う。左ストレートの返しパンチでもあるのだ。
 ところが右はジャブしか使えないので、ジャブからストレートの
ワンツーパンチだけのコンビネーションしか使えない。
 幸い長身でリーチも長く懐も深いので、ジャブからワンツーを
徹底的にヒットさせていけば相手はインファイトに持ち込めない。
 このスタイルは、倒せないけど打たれないというのが特徴だ。
 だからこそ35歳まで5年間ガマンできたのだと思う。

 そしてボクシングのコンビネーションの基本である、ワンツーが
いかに大事かを 知らしめたのが大きい。
 ちょうどこの頃、バ・カ○ダ一家のヤ○ザオヤジが‘ウチのボク
シングにジャブはいらん。あんなもん距離を計るだけでクロスを
かぶせられたりしてリスクが大きい。リードパンチならフックを
リードにすればええ’
などと放言していた。
 確かに、この一家のボクシングは頭から突っ込んでフックを
振り回すケンカのような戦い方だった。
 1発当たれば倒れるようなフックを振り回しても、当たり前のボクサー
相手には、倒す事は難しかった。 
 越本のスタイルは、その対極を行くものである。
 フックなど打てなくても、しっかりとしたジャブやストレートといった
基本パンチが打てれば、世界を獲れるという事を証明した試合でも
あった。 

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