モスクワで開催されたフィギュアスケートの世界選手権が昨日終わり、注目の
男女シングルの日本勢は男子は小塚崇彦が2位に入り、女子は安藤美姫が
優勝した。
本来なら3月に東京で行われる予定だったのが震災と原発事故の影響を受け
1ヶ月遅れでモスクワで代替開催という形になり、震災当事国の日本勢の成績が
心配されたのだが ある意味 大健闘といえる。
今回のフィギュアスケートを見て感じたのが2014ソチ五輪への流れ。
男子は日本勢のライバル:パトリック・チャンがSP・フリーとも4回転ジャンプを
成功させて高得点をたたき出し、2位の小塚もフリーで4回転を決めるなど4回
転を成功させないと勝負にならないというのが証明された。
一方の女子は高難度の2連続3回転を回避し、難度を落とした3回転-2回転を
確実に決めるなどノーミスで滑り、トータルでプログラムをまとめ上げた安藤美姫
が優勝した。
この傾向を見るとフィギュアスケートも体操と同じ流れになっていると思う。
つまり男子の体操が難易度が どんどん上がる傾向が強くE難度からF難度の技を
入れないと勝てなくなっている事と同様、男子フィギュアも‘4回転ジャンプという
難度の高い技を決めてなおかつ・・・’という段階に入って来ているだろう。
女子は難易度の高いトリプルアクセルは大事だが それを生かすプログラムを
しっかりまとめ上げる能力が必要だろう。
金妍児が強かったのはプログラムをまとめ上げる表現力と、3回転-3回転を
安定的に決められたからなのだが、そういう流れが主流になるのではないか。
ちょうど女子の体操が男子並みの難度の高い技を決めまくっていた時代から、
女性ならではの美しさの表現力が重視されるようになったように。
ちなみにSP1位から逆転されて2位だった金妍児。
1年ぶりの実戦復帰というブランクは大きいし、実戦を全くこなさず ぶっつけ
本番で臨んでも勝てないというのが証明されたのではないだろうか。