今日で閉店した地元の衣料品店の思い出は

　地元の商店街にある衣料品店が今日で閉店する事になった。

　この店が開店したのは私が幼稚園から小学校に上がる前後で当時
商店街の少し離れた場所にあったのが‘メンズショップ’、コチラ
の店が2階にも売り場がある事から‘ジャンボショップ’という呼
び方になりったのだった。

　鉄筋コンクリート造りだったからクレーンが鉄骨を組み立ててい
くのを見るだけで子供心に楽しく、地元の商店街で初めて上り専用
ではあるがエスカレーターが付いた店でもあった。

　エスカレーターといえば福岡や小倉に飯塚のデパートなどに連れ
て行ってもらった時にしか乗れない代物だったのが、一気に日常の
中で乗れる事になったのだから嬉しかったのは言うまでもない。

　日常になったという事は我々子供達の遊び場になるというわけで
上り専用のエスカレーターを下ったり、手すりの部分に小さなオモ
チャを乗せたりして遊んでいたため店の従業員から怒られたり止め
られたりする事もあったのだ。

　エスカレーターは上り専用だったので下りは階段を使うわけだが
階段の踊り場には当時珍しかった瓶入りコカコーラの自販機があり、
ここでファンタグレープを買って自販機の横にあるベンチに座って
飲むのを楽しみにしていたのだ。

　当時のジュースの自販機といえば20円を入れると出てきた紙コ
ップにオレンジかパインジュースが注入されるタイプがメインで、
コーラ系は瓶が基本だったしコーラの自販機というのは珍しかった
わけで30円を入れて瓶のロックが外れて引き出すスタイルだった
ため下手すると引き出しに失敗し引っかかって取れない奴がたまに
出てきていた。

　ちなみにコーラは炭酸がキツいため大人用と言われ子供はファン
タを飲む傾向が強いのだが、ここの自販機はオレンジがなくグレー
プばかりだったのでオレンジを飲みたい時は普通の店で買っていた
のだ。

　最近は商店街自体が厳しくなっていたので当初は2階を閉鎖して
営業を続けていたのだが今日で遂に閉店となったわけで、時代の流
れを痛感するし子供の頃から親しんだ店がなくなるというのは寂し
いものがある。