村田諒太は令和版・輪島功一になれるか?

 
 早いものでロンドン五輪ミドル級金メダリストで元WBAミドル
級王者・村田諒太が、王者ロブ・ブラントに対する再戦が明後日に
迫っている。
 
 昨年10月に村田はラスベガスで1位のブラントとの対戦に臨んだ
のだが絶対有利という予想を覆し1Rから攻勢に出るブラントから
打ちまくられ、5Rに右をヒットさせてグラつかせペースを奪い返
したかに思われたが終盤もブラントの動きは落ちずに大差の判定負
けを喫しタイトルを失った。
 
‘勝てば次は東京ドームでゲンナジイ・ゴロフキンとのビッグマッ
チを’などと試合前から村田の勝ちを前提にした景気のいい話ばか
りが騒がれていたのだが、全くいいところなく完敗した事により
村田限界説が垂れ流される形になっていた。
 
 その後ブラントは今年2月に初防衛に成功するなど王者になって
更に自信を付けているようだし、村田は33歳と年齢的にも高齢の
ため‘負ければ引退’的な報道が目立つようになった。
 
 しかも10月の一戦は村田の完敗で全くいいところがなかった事
から今回も村田不利の予想の方が多いのだが、そこは何が起こる
か分からないのがボクシング。
 
 今回の再戦はフジTVが中継する事になっているのだがフジTVが
中継する世界戦でリベンジといえば、76年2月に行われたWBA:J
ミドル級タイトルマッチの柳済斗―輪島功一を思い出す。
 
 輪島も当時32歳の年齢で前回は3R終了後の反則パンチのダメー
ジを引きずったとはいえ完膚なきまでに叩きのめされていたので
試合前の予想は‘輪島絶対不利’だったのだが、輪島は見事な試合運
びを見せて最終ラウンドにKO勝ちして返り咲いた。
 
 試合の後に輪島は‘柳のゴング後の加撃が最大の敗因とみんなが
言ってくれていたけど、オレも一緒になって言ったところで負け
犬の遠吠えにしかならないのだから勝つ事によってゴング後の加
撃が敗因だったと証明できる’と言っていたのを思い出す。
 
 村田陣営は‘前回の敗戦は完全な調整ミス’と話していたのだが、
今回再戦で勝てば調整ミスによる取りこぼしと世間は見る一方で
負けると完全にトップ戦線から脱落してしまう事を意味する。
 
 村田はロンドン五輪の前の年に行われた世界選手権の決勝で敗れ
銀メダルだったのだが、本番の五輪ではしっかり勝ち切って金メダ
ルを獲得しているのだから再戦には強い方だと思う。
 
 そういう意味で村田の修正能力がどこまであるのか?‘引退をか
けた大一番’などという陳腐なキャッチフレーズを完全に無視し、
アメリカのミドル級上位の選手相手に村田のパワーボクシングが
どこまで通じるのか楽しみではある。
 
 
 
 
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