名城、返り咲きならず=暫定王座決定戦で敗れる―WBA・Sフライ級(時事通信) - goo ニュース
昨日タイのナコンラチャシマで行われたWBA暫定Sフライ級タイトルマッチは
5位で元王者の名城信男が4位で元フライ級王者のデンカオーセン・クラティン
デーンジムに1-2の判定負けを喫し2度目の世界王座への返り咲きに失敗した。
試合前の予想通り前半デンカオーセンが攻め込んで後半に名城が追い上げる
展開になったようだが、例によって名城の手数の少なさがポイントに影響した
ようで後半スタミナ切れしたデンカオーセンの一発ヒット&クリンチの前に決定打を
奪えずズルズルとラウンドを重ねてしまったらしい。
昨年9月にテーパリット・ゴーキャットジムに挑戦し同じような試合ぶりで判定負け
した名城は引退を表明していたが、10月に行なわれたノニト・ドネア-西岡利晃
戦を現地で観戦してカムバックを決意し今回の世界戦に臨んでいた。
年齢的に31歳と決して老け込む年齢ではないし辰吉丈一郎同様8戦目で世界を
奪取しているので、こなした試合数も多くはないからカムバックには賛成だった。
ただし一発強打型でジャブも あまり打たないスタイルではラウンドマストシステム
で行なわれる世界戦は採点上不利になりやすく、実際に敗れた世界戦のトマス・
ロハス戦やテーパリット戦など僅差の展開になったものの相手にポイントが流れての
判定負けだった。
それを考えるとカムバックするなら少なくとも しっかりジャブを出して戦うような
スタイルに変えないと厳しいと思っていた。
しかも枝川会長は‘復帰するなら日本タイトルや東洋太平洋タイトルから やり
直させる’とコメントしていたので、少なくとも1年以上は世界戦をやるべきでは
ないと思っていたのに先方から巡ってきたチャンスかもしれないが やはり安易な
感が拭えない。
名城が引退を翻意する原因になった西岡は04年3月にウィラポンへの4度目
の挑戦も失敗した後、08年9月にタイトルを奪取するまで4年半の間に8試合も
海外を含めて戦い腕を磨いた。
その間に左ストレート一発で倒す反面、積極性に欠けるといわれたスタイルを
変えたのが世界を取っただけでなくメキシコでジョニー・ゴンサレスをKOし、
ラスベガスでラファエル・マルケスに完勝できた原因だろう。
一方の名城は世界挑戦に失敗するとタイやフィリピン人選手を中心に再起戦&
前哨戦を戦い、再び世界戦という流れだから正直言って大したモデルチェンジを
しなくても勝ててしまうが世界戦になると倒せずに判定勝負になり惜敗という
パターンだ。
こういう負の連鎖を断ち切るにはメキシコやアメリカなどで世界ランカーと対戦
してラウンドマストシステムでも判定勝ちできるスキルを身に付ける必要があるし、
それをやらずに これまで通りのやり方を続けても世界への返り咲きは厳しいし
運よく奪取しても短命王者で終わるのではないだろうか。