やはり多くの実戦こそがレベルアップへの道

 今週から夕刊フジで05年から14年までホークスの球団取締役を
していた小林至氏の連載が始まっているのだが、その中で扱われ
ている育成枠=3軍についての話がなかなか面白い。

 ご存じのように今年4年連続日本一を達成したホークスは千賀
滉大と甲斐拓也のバッテリーや盗塁王を取った周東佑京らが育成
枠出身という事が注目され始めているのだが、実は3軍を上手く
使いこなしているホークスについて書かれておりそこがアドバン
テージになっているのが分かる。

 つまりジャイアンツなども3軍を作っているものの練習に明け暮
れているのに対し、ホークスはウエスタンの試合以外でも独立リー
グのチームや韓国リーグのファームなどと対戦させる事により多く
の実戦を経験しているようだ。

 そう選手というのは試合に出ないとレベルは上がらないのである。

 コラムの中で氏が他球団の‘試合に出ても同じミスを繰り返す選
手は、練習漬けにするなどお仕置きがないと成長しない’と語って
いたように日本の指導者というのは練習至上主義に毒され多くの
試合をこなしていると‘それだけ試合をするといつ練習するのか’と
いう者が今でも多いのが現状だ。

 しかし投手がブルペンで投げ込みを打者が1時間打ち込み&千本
ノックこなしても、実際にマウンドで真剣勝負の打者に投げたり
生きた投手の球を打ち返し打者の打った打球などには及ばない。

 つまり度を越えた猛練習というのは自己満足以外の何物でもなく
実戦では役に立たないケースが多く、ブルペンエースなるMLBでは
見かけない代物を生み出す事になってしまう。

 やはり選手というのは実戦をこなしてこそ本当の自分の課題は分
からないわけで本来なら獲得した選手達に平等に実戦経験を積ませ
なければいけないのだが、1軍より2軍の方が試合数が少ないのだか
らドラフト上位の選手に優先的にチャンスが与えられるのに対して
下位指名や育成の選手にはロクにチャンスがもらえずに終わるとい
うのが多々ある。

 サッカーでは島原商や国見を全国レベルに押し上げた小峰忠敏氏
はマイクロバスで週末ごとに関東などに遠征して試合を重ねていた
し、基本的にサッカーの強豪校の年間の試合数は半端ないぐらいに
多いのが当たり前になっているのと比べれば試合より練習の方が重
要的といわんばかりのプロ野球関係者の考えとは対照的で結果を見
るとどちらが正しいか分かるだろう。

 逆に言えばホークスのようなスタイルが凄いという事を言ってい
る日本のプロ野球界が、いかに遅れているか分かるのだ。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (Bill McCreary)
2020-12-05 09:39:26
私もこの連載読んでいます。面白いですね。

小林氏の指摘で、2軍は調整が主で力を伸ばす場ではないというのが興味深いですね。これも指摘されているように、かつては社会人野球が実質3軍みたいな役割でしたが、今はそういう時代ではないので、積極的に育成をすることが必要です。3軍の運営費は3億円、これ1人の外国人を連れてくるのと同じくらいで、どっちが球団の役に立つかというのも「なるほどねえ」です。
 
 
 
ここまで具体的に (こーじ)
2020-12-06 23:17:37
>Bill McCreary様

 3軍の運営費が3億円で外国人選手だけでなく落合博満でも同じですよね。

 ここまで具体的に例えてくれているので、大いに分かりやすいですよ。
 
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