貴乃花は相撲協会理事長よりも

貴乃花親方、“第２の北の富士”阻むＮＨＫとの確執

　今週に入り元横綱の貴乃花親方が相撲界を引退するという発表を
してから蜂の巣をつついたような大騒ぎになっている。

　例によって貴乃花親方擁護派と批判派によるバトルが始まってい
るし、貴乃花親方の記者会見での話も真相は藪の中という感じで個
人的にはNHKの刈屋富士雄氏のアドバイスに従って欲しい気もする
一方で貴乃花は理事長には向かないのではないかと思ったりもする。

　というのも貴乃花のこれまでの言動を聞いていると、あまりにも
理想主義的過ぎるので周囲の者がどれだけ付いて来れるのかと思っ
たりしてしまう。

　昨年起きた日馬富士の貴ノ岩暴行事件にしてみても警察に通報し
弟子を守ろうとしたのは分かる一方で、その後を具体的にどうした
いのか？どこで矛を収めるのかが全く分からない感じになり収集が
付かなくなっていたのは記憶に新しい。

　つまり やっている事は素晴らしい事ではあるものの、その後に
どうやって収めたいのかが分からずに協会との間にしこりを残した
まま終わるという感じになっているのが何とも歯がゆいし支援して
くれている仲間も離れる事になるのは仕方ないだろう。

　広尾晃氏がブログで「意見の相違があっても大筋で合意する‘最
大公約数’的な考えができず、全ての考えが一致した‘最小公倍数’
しか同志にしなかった」と貴乃花親方について記しているように、
協会トップの理事長ともなれば清濁併せ吞む気概が必要だが貴乃花
は‘清’は愛しても‘濁’は絶対に拒否するタイプだから理事長が
務まるだろうかとは思っていた。

　そんな中で貴乃花は日本全国での子供の相撲の指導を希望してい
るとの事で、むしろ一途過ぎるタイプは子供相手に相撲人口の裾野
を広げるという作業の方が相応しいと思ったりする。

　純粋過ぎる貴乃花にはドロドロとした人間関係の伏魔殿で神経を
すり減らすよりも、子供達に相撲の楽しさや素晴らしさを教えなが
ら普及させていく事の方が生き生きとするのではないだろうか。