鈍感力満点だった大伯母

 今から40年前の春休みは前年の夏休みに続いてIKKO氏の地元に住んでいた
祖母の姉にあたる大伯母宅に3泊4日で遊びに行っていた。


 わりあい自然豊かな所で家も広かったので楽しく伸び伸びと過ごしていたのだが
改めて驚いたのは大伯母の薬の飲み方である。


 大伯母は退役軍人の大伯父と40日に1度ぐらいのインターバルで髪を染めに来て
いて、その時に夕食まで食べて帰っていたのだが2人とも当然のように薬を飲んで
いるのを見ると どうも怪しげな飲み方をしていた。


 つまり食前、食後に飲む薬が昼食時と夕食時では違うのだ。

 そこで大伯母宅に滞在中に飲んでいる薬をチェックしていると大きな煎餅の入れ
物に粉薬から錠剤からカプセルなど あらゆる種類の薬があって、しかもカバーが
変色している錠剤の入れ物まであるから今で言う消費期限切れのような代物だ。


 こういう薬を食前・食間・食後だけでなく寝る前や起きてすぐ飲んでいるのだが
傑作なのが食事をしながら薬を飲む時もあるから‘食べながら飲む薬があるのか’
と尋ねると‘食間に飲む薬’と言うではないか。


 食中といえば食事と食事の間に飲むわけだが、その旨を言うと‘食間というから
食べながらのむんたい’と反論するのだから凄いし飲んでいる薬も適当に飲んで
いるとしか思えないので‘それ何の薬?’と尋ねると‘そんな事 知るもんか、何でも
飲んでおけば体にいい’と言う。


 9年前に亡くなった母が18年前に膝の痛み止めの薬を服用した時に副作用で
薬疹が出て酷い目に遭ったように薬というのは飲み方を間違えると大変な事に
なるし、大伯母が飲んでいる薬は消費期限を大きく過ぎて数十年前のものとしか
思えないような代物なので今にして思うと‘よくぞ薬害に遭わずに済んだな’と
思うのだ。


 昔の人は こういうところに頓着しない人がけっこういたのだが、いわゆる鈍感力
満点な大伯母だった。


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