村田諒太のタイトル奪回に思う事

 
 今夜大阪のエディオンアリーナで行われたWBAミドル級タイト
ルマッチで、元王者の村田諒太が王者ロブ・ブラントに2RTKO
勝ちして昨年10月に奪われたタイトルを奪回した。
 
 試合は1Rから前戦同様ハイペースの連打攻勢で攻めて来た王者
に対して村田はブロックしつつ1分過ぎから打ち返し始め、特に右
ストレートをボディや顔面に打ち分けて重戦車の如く王者をなぎ
倒す勢いでパンチを集める。
 
 とりあえず手数と軽いヒットでは王者だが明らかにダメージを与
えたパンチは村田という形で1R目が終わり、2Rに入ると村田のプ
レッシャーが王者のスピードを凌駕し左フックをボディと顔面に打
ち分けてよろめかせるたところに右ストレートをヒットしてダウン
を奪うと立ち上がって来たところに左フックから右ストレートで猛
攻を加え遂にレフェリーがストップ。
 
 試合前の予想は王者が断然有利だったし実際10月の負け方を見
ると、アメリカの中菱級の主流である忙しく動いて手数で圧倒する
スタイルに対する村田のボクシングは相性最悪に思われていた。
 
 しかも村田の年齢は33歳と伸びしろも期待できそうもないとい
うのが村田不利予想の根拠になっていたわけで、更に日本人王者達
の再戦でタイトルを奪回したのが輪島功一や辰吉丈一郎に徳山昌守
らと少ない事が拍車をかけていた。
 
 ただし個人的に村田の強みは学習能力の高さにあると思っていた
し、それがロンドン五輪前年の世界選手権の銀メダルから五輪での
金メダルに結び付いていたと思っていた。
 
 前回の敗戦はコンディション調整の失敗という陣営からのコメン
トが、今回ダウンを奪ってのストップ勝ちした事から証明された形
になるわけだから村田はまだまだ進化できるという事になるのでは
ないか。
 
 それと今回改めて思ったのが‘ボクシングでの1敗は重過ぎる’と
いう報道の仕方で、そういったロジックが村田のような学習能力
の高い選手のチャンスを奪う事になるし特に日本のメディアにそ
の傾向が強い。
 
 ボクシングの歴史を紐解くとモハメドアリやシュガー・レイ・レ
ナードにオスカー・デラ・ホーヤ、マニー・パッキャオら名だたる
王者達が負けを克服しているという事で、そういった選手の方がむ
しろ多いのだから日本のマスコミも世界戦で1敗したぐらいで手の
ひらを返したようにホープを引退に追い込むような報道をするべき
ではないと思うのだ。
 
 
 
 
 
 
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