昭和ボクシング世界戦、最大の死闘から50年

 今から50年前の今日71年10月25日に行われた世界バンタム級
タイトルマッチ、ルーベン・オリバレスー金沢和良戦は昭和の
バンタム級史上でも最大の激闘になった一戦だ。

 王者オリバレスは65勝(60KO)1敗1分という凄まじい戦歴を
持ち怪物王者と言われるのに対し、金沢は2年前に2RKO負けして
いる事もあり王者のKO防衛という予想でミスマッチの誹りを受け
かねないカードでもあったのだ。

 金沢側に希望があるとすれば1度対戦しているので対策は立てや
すかったというのと
、会場が6年前に絶対不利といわれながら黄金
のバンタムといわれたエデル・ジョフレからファイティング原田が
タイトルを奪取した愛知県体育館という要素ぐらいだったろう。

 ところが試合が始まると金沢の左がビシビシ当たり3Rには左が
ヒットして王者をグラつかせると、4Rには左フックでスリップダ
ウンまで奪うのだ。

 ここらあたりからエンジンがかかり始めた王者はプレッシャーを
強めると金沢のボディに的を絞って削り始めたのが功を奏し9Rには
ダウン寸前まで追い込むのだが、それでも金沢は負けずに打ち返す
展開でラウンドが進み11Rに王者は右繭をカットし出血し始める。

 迎えた13Rに王者の猛烈なパンチを受けながら打った金沢の右アッ
パーがアゴにヒットし今度は王者がダウン寸前になるのだが、何と
か耐えられ14Rに3度のダウンを喫して遂に力尽きた。

 しかしボディを効かされながらも立ち上がり絶叫しながら王者に
立ち向かう金沢の姿は鬼気迫るものがあり、正しく死闘という言葉
が相応しい一戦だった。

 敗れた金沢もだが勝ったオリバレスも腫れ上がってボロボロなの
が印象的で穿った見方だが、約1年半後に連載を終了したあしたの
ジョーで勝ったホセ・メンドーサがボロボロになっていた絵のイメ
ージはオリバレスではなかったかと思ったものだ。

 ちなみにこの試合当時は小2でボクシング好きの祖父や父と一緒
に見ていたので日本人挑戦者が負けた試合の中でも印象深いのだが、
今では動画サイトで見る事ができるのだからいい時代だし改めて見
直しても凄まじい試合だったという事を実感するのである。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (ochimochio)
2021-10-28 03:37:06
こんばんは。
この日に行われた日本選手の世界戦は、この試合とH2年の大橋ロペス戦だけだった気がします。
いずれもメキシコの高い壁に阻まれた試合でしたが、今後も記憶に残る世界戦が行われる日になってほしいものです。
 
 
 
なるほど (こーじ)
2021-10-28 21:10:58
>ochimochio様

 そうでした、平成では31年前の大橋ーロペス戦でしたね。

 こちらは2R以降はロペスの圧勝だったので頭が回りませんでした。

 最近は12月の年末世界戦が主流になってますから、10月の世界戦自体が珍しくなってしまってますね。
 
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