正統派特撮ヒーローとは？

　時代劇や西部劇では正統派と、アウトロー派の作品がある。
　正統派は時代劇では水戸黄門や遠山の金さん、銭形平次
あたり。
　西部劇ではジョン・ウェインらが主演の作品だろう。
　アウトロー派は時代劇では、必殺シリーズや木枯し紋次郎、
座頭市、子連れ狼あたり。
　西部劇では荒野の用心棒や荒野の1$銀貨あたり。
　
　では特撮ヒーローものではどうだろう？
　ウルトラでの正統派はやはりウルトラマンやウルトラセブン、
ティガ～ガイアの平成3部作あたりだろうか。
　帰ってきたウルトラマンやレオはスポ根の要素を、エースや
タロウではファミリー的な要素が入ってきている。
　
　仮面ライダーではV３あたりまでは正統派だが、Xやアマゾン
は捻りを入れ始めた感が強い。
　平成ライダーでいえば、何と言ってもクウガである。
　
　正統派作品のメリットは、いわゆる‘お約束’が多いので見て
いて安心するし、確実に一定の人気が得られる。
　
　デメリットは視聴者に予測がつく事で、マンネリ化してしまい
退屈になる。
　
　そこで野心作と言われるアウトロー的な作品は、ヒットすれば
もの凄い人気になるが、外すと悲惨。
‘あんなのウルトラマンor仮面ライダーじゃない’という声が必
ず出て来るのだ。
　
　第1期ウルトラが、なぜ今でも人気があるかといえば金城哲夫＆
円谷一コンビ中心に作った正統派の中に、佐々木守＆実相寺昭雄
コンビらが作った野心作（悪くいえば異端作品）が混じっていた
という事があるだろう。
　ただし、こういう優れたバランスの上に成り立つ作品は稀有な
もの。よほどプロデューサーがしっかりしてなければ成り立たない。
　そういう意味では、金城哲夫の功績は今更ながら偉大だったと
いうしかない。