追悼、宮内国郎氏

 昨日の実相寺監督に続いてウルトラQや初代ウルトラマンの
音楽を担当された宮内国郎氏が亡くなった。
 心から冥福をお祈りします。
 宮内氏の音楽を初めて聞いたのはウルトラQ、あの独特の
不気味な音楽にまさしく‘これから30分不思議な空間の中へ
入って行く’感じにとらわれたものだった。
 一転してウルトラマンではQの不気味さだけでなく、快活な
溌剌としたムードを醸し出していた。
 初代のウルトラマンのほのぼのとした独特のムードは宮内氏
のBGMなしでは考えられないだろうと思う。
 バルタン星人が登場した時の不気味な音楽はQの世界を引き
継いでいたしウルトラマンが怪獣と戦うシーンでの勇壮なテーマ、
科学特捜隊の出動シーンなどにかかるカッコよさはBGMのパイオ
ニアだろう。
 お気に入りのBGMにQでの‘鳥をみた’の‘少年と鳥’のテーマ
がある。ラルゲユウスが巨大化して街を破壊し仲のよかった少年・
三郎(演・ホシノ少年の津沢彰秀)に別れを告げるために飛んで
きて飛び去って行くシーンにかかったヤツだ。
 ジャパニーズファンタジーここに極きわまれりというシーンだが
この名シーンも宮内氏のBGMなくしては語れない。予断ながらウル
トラマン20話・恐怖のルート87で高原竜ヒドラと戦っていたウルト
ラマンが飛び去るヒドラにスペシウム光線を撃とうとして止める
シーンがある、交通事故で死んだ少年・アキラがウルトラマンに
見えたのだがその時にかかったのが‘少年と鳥’のBGM、聞いた時は
嬉しかった。
 ウルトラファイトでも宮内ミュージックは使われたわけで勇壮な
バトルシーンに見事にマッチしていた。
 もう1人の巨頭・冬木透氏がクラシック出身で冷徹ながらも雄大な
イメージ曲を使われたのに対しジャズ出身の宮内氏の温かみのある
イメージ曲は対照的で、それぞれの作品世界の違いを見事に出して
いたのだ。
 もし宮内氏が‘帰ってきたウルトラマン’の音楽を担当していたら、
また違った世界観になっていただろう。
 伊福部昭、宮内国郎と今年は2人の特撮音楽界の巨頭が亡くなった。
残った冬木透氏にはいつまでも長生きして欲しいものだ。
 
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
高らかなファンファーレ (柴田真紀)
2006-12-02 01:06:49
 『ガス人間第一号』のタイトルで流れるファンファーレ調の曲も好きです。
 冬木先生や伊福部先生が交響組曲だとすると、宮内先生は金管楽器の使い方がいかにもジャズって感じで良いですね。

 あとはまたイメージが全然異なる佐藤勝先生も好きです。メカゴジラはやっぱり、佐藤先生の曲でないと……と思います。(エレキ調?)
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2006-12-02 22:36:49
>柴田真紀様
 あのタイトルBGMはウルトラQでも異変のシーンに使われてましたね。
 音楽にジャズならではの温かみがありました。
 本多ー伊福部コンビと福田ー佐藤コンビ対照的ではありました。
 
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